菅政権発足後初めての本格的なテレビ討論が13日行われ、日本共産党の市田忠義書記局長と小池晃政策委員長が民放とNHKの番組にそれぞれ出席し、各党代表らと討論しました。菅政権・民主党が、消費税増税でも普天間基地「移設」問題でも自民党と同じ立場にあることが浮き彫りになり、市田、小池両氏は、自民党政治への逆戻りは許されないと厳しく批判しました。(市田氏発言詳報、小池氏発言詳報)
民放番組で 市田氏
テレビ朝日系「サンデー・フロントライン」では、菅首相が「財政再建」の名で与野党協議を呼びかけたことについて、民主党の枝野幸男幹事長が「党派を超えて知恵を出したい」と発言。自民党の茂木敏充幹事長代理が「この考え方はわが党の谷垣総裁が提案したものだ」と応じ、公明党の井上義久幹事長も「消費税を含めた税制の抜本改革は必要だ」と明言しました。
市田書記局長は「消費税増税の大連立をしよう、みんなで渡れば怖くないという考えがにじみ出ている」と批判。「国民の暮らしが大変で、年収200万円以下のワーキングプアが1000万人を超えている。無年金者、低年金者、生活保護受給者も多い。そういう人から消費税をがっぽり取るというやり方はくらしや景気をよけい悪くする」とのべました。
この10年間で資本金10億円以上の大企業の経常利益が15兆円から32兆円に膨れ上がり、内部留保は220兆円を超えていると指摘。「法人税減税とセットで消費税の増税をという発言は、閣僚からいっぱい出てきており、財界もそういう要求だ。大企業の税金をまけてやって穴埋めを消費税で賄うなんて財政健全化にも逆行している」と述べました。
コメンテーターの星浩朝日新聞編集員は「市田さんの話もあるが、選挙の後に自民党と民主党が財政の問題で大連立を含めて連携の動きが出始めているのではないか」と語りました。
NHK討論で 小池氏
NHK番組「日曜討論」では、「財政再建」の名による与野党協議について、自民党の石破茂政調会長が「法人税を下げ、消費税を上げないといけない」「与党も野党もない」と応じました。
日本共産党の小池晃政策委員長は「超党派と称して消費税増税をすすめようとすることであり、国民不在そのものだ」と批判。増税の大合唱は経団連が法人税減税と一体ですすめることを提起したのが発端であり、消費税収は22年間で224兆円にのぼる一方で、法人3税は208兆円も下がったことをあげ、「消費税は結局、大企業減税の穴埋めに使われてきたというのが歴史の事実だ。そういう道をさらにすすめることには絶対反対だ」とのべました。
普天間問題について石破氏が「結局、こうなるということだ」とのべ、民主党の玄葉光一郎政調会長が「へたをすると沖縄全島が反基地闘争に入る」と発言したのに対し、小池氏は「県民世論が盛り上がってきているのは当然のことだ。それを反基地闘争とはとんでもない発言だ」と批判。「国内での移設先探しは破たんした。県民の声にこたえて無条件撤去という立場でアメリカと交渉すべきだ」と求めました。
「普天間でも消費税問題でも1年たって自民党政治に逆戻りし、ますます悪くなる流れになっている。こういう政治の逆戻りは許さない。アメリカにも財界にもきちんとものをいう政治にしなければならない」と強調しました。