日本共産党の小池晃政策委員長は23日、フジテレビ系討論番組「新報道2001」に出席し、米軍・沖縄普天間基地問題で各党出席者と討論しました。
鳩山政権が米側と沖縄県名護市辺野古への同基地「移設」で基本合意し、「国外、少なくとも県外」という公約を破ったことが議論となり、小池氏は、「国民からみれば、結局元にもどったということになる」「連立与党はどう国民に説明するのか」とただしました。
長島昭久防衛政務官(民主党)は、何度も「おわび」を口にしつつ、「当面は沖縄周辺に海兵隊を含む在日米軍の抑止力を残さなければいけないという結論に至った」などと述べ、公約破りを正当化。国民新党の下地幹郎国対委員長も、米軍基地は出て行けというのが「沖縄の民意だ」と認めながら、「民意だけで安全保障を考えられない」と強弁しました。
自民党の石破茂政調会長は、名護市長選の前に辺野古「移設」という結論を出すべきだったと発言。長島氏も「まったくそのとおりだ」「現実的なところに落ち着かざるを得ない」などと応じました。
小池氏は、「国民への約束を裏切って、なんで日本の安全を守れるのか」と批判。「こういうごまかしこそ国民の政治不信を一番あおっている」と述べ、社民党にも「政権に残って国民に責任を持てるのか」と迫りました。
阿部知子政審会長は、「(連立政権を)離脱して本当に県内にならないのなら、いつでも離脱してもいいが、その結論を安易にとりたくない」と述べました。
また石破氏は、抑止力の維持が必要であり、政府の辺野古沖「埋め立て案」は「ベターな案」だと評価。長島氏も、「安全保障の観点」など、「抑止力」の名で基地を押し付ける姿勢を示しました。
小池氏が、「"抑止力"というのは、いざとなったら軍事力を使うという議論だ。海兵隊を朝鮮半島や中台(中国と台湾)の紛争に出すことがありえるのか」とただしたのに対し、長島氏は「ありえる」と言明しました。
小池氏は、「そんな悪夢のような話を本気で考えているのか」と批判。海兵隊が実際に展開しているのはイラクやアフガニスタンであり、米国も米中関係を非常に重視するなど、世界情勢は大きく変化しており、「戦争のための部隊を日本においておく必要があるのか」と述べました。
その上で、「"抑止力"という3文字で沖縄に基地を押し付けるような議論から抜け出し、普天間基地は無条件撤去すべきだ」と重ねて主張。鳩山首相も65年間続いた在日米軍基地から抜け出したいと考えているとの長島氏の発言も示し、「そうであるならば、その第一歩として普天間の海兵隊基地を撤去してはどうか」と述べました。