「聖域」にメス入れず国債増発依存に疑問
TBS番組「サタずば」
小池議員が発言


2009年12月27日(日)「しんぶん赤旗」より転載

 日本共産党の小池晃政策委員長は26日、TBSテレビ番組「サタデーずばッと」で、2010年度予算案や米軍基地再編問題、生活保護の老齢加算復活などについて各党の出席者と討論しました。

■増税火種も

 約92兆円という過去最大の来年度予算案について、小池氏は「(民主党は)"ムダを削れば財源が出てくる"といってきたが、自民党時代の『聖域』にはメスが入っていない。防衛省予算などは逆に増えている」と述べ、44兆円という史上最大の国債増発と1年限りの「埋蔵金」に依存する予算案に疑問を投げかけました。

 福山哲郎外務副大臣(民主党)が「防衛省職員の子ども手当分が増えた」と弁明したのに対し、小池氏は「米軍再編経費は500億円も増えている」と反論。暮らしや雇用への支援としては不十分であり、子ども手当も11年度以降の財源さえ決まっておらず、「このままだと消費税増税の火種を残すことになる」と指摘しました。

 社民党の福島瑞穂少子化担当相は高額所得者への累進課税による税収増を主張。小池氏は「その通りだが、それをいうなら早くやるべきだ」と求めました。

■合意白紙に

 つづいて、沖縄の米軍基地問題が焦点に。辺野古への「移設」を前提とする日米合意を「否定しない」とする岡田克也外相の発言が紹介されました。

 小池氏は、「民主党は選挙中には『県外、国外移転』だといっていた。国民との関係では、そうした方向での結論を出さなければいけないはずだ」と指摘。来年5月に結論を出すという鳩山由紀夫首相の結論先送りを批判したうえで、「結局『県内たらい回し』『辺野古だ』などということは許されない」として、日米合意の白紙撤回を主張しました。

■「切ない話」

 番組では、生活保護の老齢加算が3年半前に廃止され、食事まで削る高齢者の生活実態が紹介されました。

 小池氏は、「真っ先に削るのが冠婚葬祭で、葬式に行くのをやめると聞く。お年寄りにとっては本当に切ない話だ」と述べたうえで、「健康で文化的な最低限度の生活」の保障をうたう憲法25条の精神を強調。「単に生きているとか、病気でないということにとどまらず、最低限の生きがいを持って余生を送ることができるようにすべきだ」と述べ、「(老齢加算復活を)国会で要求したが、新政権もここには手をつけない。ぜひ復活すべきだ」と強調しました。

 キャスターの下村健一氏も、最低限度の生活は「予算の有無」で決めるのではなく、むしろ予算を「指導支配すべき」だとした東京地裁のいわゆる「朝日訴訟判決」(1960年)を紹介し、「順序を逆にしてはいけない」と強調しました。



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