日本共産党の小池晃政策委員長・参院議員は9日、国会内で記者会見し、党国会議員団が行った、介護保険施行10年にあたり安心して利用できる制度への抜本的見直しのための全国アンケート調査の結果を発表しました。調査結果からは、経済的理由による利用抑制、利用者の実態を反映しない要介護認定、事業所の人手不足など深刻な実態が明らかになりました。
(調査結果)
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介護事業所への調査では、1割の利用料や食費・居住費の全額自己負担など「重い負担を理由にサービス利用を抑制している人がいる」との答えが76・2%に上りました。
要介護認定について、「実態を反映しない問題点がまだある」が83・6%。ヘルパー派遣などを行う訪問介護事業所の7割が「人材不足」としました。
政府が昨年度行った3%の介護報酬引き上げについても、67・3%が「ほとんど効果がない」としています。
自治体への調査では、「国民の保険料・利用料負担は限界」として、国庫負担増額を求める要望が最も多く約5割に上っています。
全国42万人にのぼる特別養護老人ホームの待機者問題は依然深刻で、2県20市区が「解消の見通しがない」と回答しています。
アンケート調査は、全国3000の介護事業所(回答は652事業所)、全都道府県をはじめとする140自治体(回答は128自治体)、利用者・家族らを対象に行いました。
記者会見で小池氏は、訪問介護を中止された利用者から「一人で死んでいくのかと不安を感じる。もっと年寄りに寄り添った制度にして」という声が寄せられていることを示し、「介護の現場は本当に苦慮している。調査結果を参院選政策にも反映させ、解決策を訴えていきたい」と表明しました。