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日本共産党の小池晃議員は15日、参院予算委員会で首都圏や関西などですすめられているスーパー堤防計画に関し、現在のペースだと完成まで400年、12兆円以上かかると批判し、白紙に戻すよう求めました。前原誠司国土交通相は「12兆円ではすまないと思う。検証し、抜本的に見直したい」と答えました。
小池氏は、見直しをいう一方で、強引なやり方で住民に国交省と連携して立ち退きを迫る東京・江戸川区の実態を具体的に指摘。建設予定地の住民のアンケートでは92%が「白紙に戻すべき」だとしていることや、現地で住民から小池氏が「(区画整理で)立ち退けといわれたら、どうしたらいいのかわからない」と涙ながらに訴えられたことなども紹介しながら、「住民の声に耳を貸さず、事業を進めることはあってはならない」とただしました。
前原国交相は「今後、十分な合意形成をはかっていく必要がある」と答弁しました。
小池氏は前原国交相が大臣就任後も河川行政について「地域住民の意見を聞くこと」が必要だと述べていると指摘し、(1)公募方式での流域検討委員会を利根川・江戸川水系で設ける(2)前原国交相自身が直接住民の意見を聞き、現場を調査することを提案しました。
前原国交相は(1)について「仕組みは当然必要だ」と述べ、(2)についても「すばらしいアドバイスだ。住民の方々と話し合いしていきたい」と答弁しました。
小池氏は日本共産党が「流域住民が主人公」の河川行政への転換を求めてきたと表明。江戸川のような事態は全国にあるとして、「無謀で無駄なスーパー堤防の計画そのものを白紙に戻すべきだ」と求めました。
スーパー堤防 流域の幅数百メートルにわたって盛土し、上部を住宅や道路として開発する大型公共事業。淀川や江戸川など5水系6河川で872・64キロが計画されていますが、1987年の事業開始以来、事業途中含め整備はわずか47・65キロと5・5%にとどまっています。住民に長期の移転など大きな負担を強い、各地で反対運動が広がっています。
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