2010年6月19日(土)「しんぶん赤旗」より転載
日本共産党の小池晃議員は16日、同日の国会閉会にともない廃案となった「地域医療機能推進機構法案」に関連して、病院の存続・充実に国が役割を果たすように求める質問主意書を政府に提出しました。同法案は、自公政権時代の社会保険病院、厚生年金病院売却路線を転換し、新しい独立行政法人を受け皿として設置して公的病院として存続させる内容でした。
質問主意書は、東京都大田区の蒲田総合病院で「譲渡・廃止されるのでは」という風評から医師・看護師の退職が続き、産科が休止状態に陥っていること、東京都北区では住民の運動で開業された東京北社会保険病院が困難をかかえ、病床が足りない深刻な実態があることを示し、国として支援策を検討するよう求めています。
また、地域医療の推進は意欲的に働く職員の存在によって達成されるにもかかわらず、法案が労働条件の基準に触れていないことを指摘。雇用確保や給与、年金などの充実を担保するよう求めています。
「地域医療機能推進法案」は衆院通過(5月31日)後、参院厚生労働委員会での趣旨説明が行われただけで、法案の審議が行われず会期末で廃案になりました。日本共産党は一貫して審議入りと成立を求めていました。
現在の社会保険病院・厚生年金病院の受け皿は9月末で解散されます。同法案が廃案になったことにより、病院の運営母体がなくなりかねない事態で、早急な対策が必要となっています。そもそも前政権時代に病院売却路線を敷いた自公両党も、「地域医療再生」を主張してきた民主党も、廃案にした責任が問われます。