小池晃議員は19日の参院厚生労働委員会で診療報酬改定についてただし、診療所の再診料引き下げを中止するよう求めました。
2010年度の診療報酬改定で政府は、医師の技術料など本体部分の引き上げと薬価部分の引き下げを合わせて、全体で700億円のプラス改定になったとしています。診療報酬改定では通常、薬価引き下げで生まれる財源は本体部分の引き上げに充てられます。
しかし、このほかに隠れた薬価引き下げが600億円あり、これが診療報酬以外の予算に回されたため、実際は100億円しか引き上げられていません。
小池氏が「なぜこの600億円だけ改定財源にしなかったのか。厚労省自身、昨年12月22日までは改定財源にすることにしていたはずだ」とただしたのに対し、足立信也政務官は「おっしゃるとおりだが、(そのあと)23日に関係大臣との折衝で改定率を決めた」と述べ、財務省との折衝で改定財源から外されたことを認めました。
小池氏は、「この600億円があれば、今回行われようとしている診療所の再診料引き下げはせずにすむ」と指摘。医療費抑制政策を転換し、診療所の再診料引き下げを中止するよう求めました。
さらに小池氏は、新設される地域医療貢献加算の対象が「夜間対応」をとる診療所とされていることについて、「夜間対応だけが地域貢献ではない」と指摘。自治体の集団検診などで貢献している診療所の例をあげ、要件見直しを求めました。長妻昭厚労相は「夜間対応だけが地域貢献ではない」と認めつつ、新制度スタート後に検証するとして、「いま変えることは考えていない」と答えました。
( 2010年3月23日掲載)