日本共産党の小池晃政策委員長は19日の参院厚生労働委員会で製鉄大手のJFEスチール(本社東京)の不当解雇問題について質問しました。
JFEスチールの川崎工場(神奈川県)では、構内下請けに入っていた会社の労働者が長年にわたり二重派遣や偽装請負で使い回されたあげく、今年3月31日に20人が予告なしに即日解雇されました。労働者らは不当解雇撤回と、JFEから労働者への直接雇用申し込み義務の履行を求めて裁判をたたかっています。
小池氏が「1カ月前の事前通告もなしに即日解雇することは労働基準法上許されるのか」とただすと、厚労省の金子順一労働基準局長は「形式が有期でも期間の定めのない契約と実態的に異ならない場合は労基法20条の解雇予告を必要とする」と答えました。小池氏は「このケースは典型的な労基法20条違反だ」と告発しました。
さらに小池氏は、トヨタなどをはじめ自動車メーカーが短期間の契約の募集をしていると追及しました。「派遣切り」をしてきた日野自動車はいま3カ月契約の募集をしています。
小池氏は「『派遣切り』にあった労働者たちはみんな怒っている。こんなことが繰り返されて、どうして雇用の安定や景気回復ができるか。政治家としてどう考えるか」と質問。長妻厚労相は「正社員で雇われるのが望ましいが、先行き不透明な景気状況もあり、有期雇用にも一定の役割がある。正社員に移行できる環境整備が重要だ」とのべました。
小池氏は「自民党の大臣と変わらない答弁だ。雇用の原則は正社員だという立場に立つべきだ。政権交代したのだから大企業に社会的責任を果たさせる政治に進むべきだ。有期雇用契約のあり方についても法規制の取り組みをすべきだ」と求めました。