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生活保護世帯に支給されていた母子加算の復活法案が25日の参院厚生労働委員会で日本共産党、民主党、社民党の賛成で可決しました。自民、公明の与党は審議に出席せず、採決も欠席しました。同法案は今年4月に全廃された母子加算を復活させるために野党4党が提出していました。
採決に先立つ質疑で、日本共産党の紙智子議員は、今年4月の母子加算全廃で10万ある一人親世帯、約18万人の子どもたちが「いっそうの貧困を迫られる」事態が生まれていると強調。「働けない一人親世帯は、母子加算廃止をどうやって乗り越えていけばいいのか」とただしました。舛添要一厚労相は、「生活保護で最低保障はされている」などと、復活は必要ないとの姿勢をとりました。
紙氏は、復活法案提出者に「母子加算廃止が子どもの不利益を拡大し、子どもへの貧困の連鎖を拡大させているのではないか」と、質問しました。
共同提案者として答弁に立った日本共産党の小池晃議員は、普通高校から定時制に移ろうかと悩むなど深刻な声が寄せられていると述べ、「母子加算の廃止は、母子家庭の子どもの就学の機会を奪い、貧困の連鎖を拡大している」と答えました。
また、政府が、母子加算廃止の「代替措置」としている就労支援策について、収入が3万円以下になると5千円に減額されるもので「不況で解雇が広がり、収入の道が絶たれ行政の助けがもっとも必要なときに、矛盾した結果になっている」と批判しました。
小池氏は、一般の母子家庭の収入より生活保護費の方が高いとする政府のデータについては「根拠は崩れている」と指摘。「仮に生活保護費の方が高かったとしても、憲法25条の最低生活保障の具体化である生活保護費以下で暮らしている世帯が生活保護を受給できていないことが行政の怠慢をあらわしている」と述べ、母子加算の復活こそ必要と強調しました。