【委員会提出資料
DATA1_PDF:952KB
DATA2_PDF:740KB】
介護保険の要介護認定方式の改悪(一日から実施)などで給付費を二百八十四億ー三百八十四億円削減できると明記した内部文書を厚生労働省が作成していたことが二日の参院厚生労働委員会でわかりました。日本共産党の小池晃議員が質問で明らかにしました。
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同省は要介護認定方式の改悪について、「給付費抑制の意図はない」と説明してきました。この説明を根底から覆すものです。
小池氏は「要介護度を低くして給付費を抑制する狙いは明白だ。『介護切り』ともいえる認定方式改変の四月実施を中止すべきだ」と要求しました。
小池氏が入手した文書は、「介護報酬改定に係る平成21年度予算要求関係スケジュール(案)」。介護報酬を「プラス改定」した場合には「財源確保策が必要」だとして「介護給付費の縮減効果額」を列挙しています。
「認定の適正化」の項目では「非該当」とされた一次判定が二次判定で重度に変更される割合を10%減らせば「約八十四億円縮減」できると記述。「介護給付の適正化」の項目では「認定の適正化」などで「二百ー三百億円」を縮減できると書いています。
また、小池氏が入手した別の同省文書「要介護認定平成21年制度改正案」では、要支援2と要介護1の認定の割合を現在のおよそ五対五から七対三へと軽度の人を増やす方針を明記しています。「介護認定審査会委員の関与を減らし...当初想定していた割合に近づける」などと、二次判定を行う審査会の役割を後退させる狙いも書き込まれています。
小池氏は、東京都北区では介護保険課長が、同省から要支援2と要介護1を七対三にするよう指導を受けたと公の席で述べていることなどを挙げ、「この文書の記述の多くが実際に行われている」と指摘。政策決定の過程を徹底調査するよう求めました。
他党議員からは「すごい資料だ」と驚きの声が上がり、舛添要一厚労相は「初めてみた。どういう資料か調査したい」と述べました。
【Movie】介護費削減 厚労省が内部文書作成 小池議員が追及(09.4.2)
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要介護認定方式の改悪 介護保険サービスを利用するためには「要支援1、2」「要介護1ー5」のどれに該当するか、認定が必要です。聞き取り調査にもとづくコンピューターによる一次判定をへて、認定審査会の二次判定で要介護度が決まります。
四月からの改悪は、(1)利用者への聞き取り調査の項目を減らす(2)調査の際に介助が必要と判断する基準を狭める(3)審査会の役割を引き下げるーなどで、認定を軽度化すると危ぐされています。
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