政府が18日、中小企業憲章を閣議決定したことについて、日本共産党の小池晃政策委員長は次の談話を発表しました。
本日、菅内閣は「中小企業憲章」を閣議決定した。これは、中小企業家同友会全国協議会や全国商工団体連合会の皆さんなどのねばり強い運動が、政治を大きく前に動かしたものである。
「憲章」は、「中小企業は、経済を牽引(けんいん)する力であり、社会の主役である」として、中小企業の役割を高く評価している。また、「政府が中核となり、国の総力を挙げて」中小企業施策をすすめると宣言している。これらは、中小企業に冷たい従来の政治を変えていく足がかりとなりうるものである。日本共産党は、今回の「憲章」を契機に、政府が中小企業を本格的に支援する政治に転換することを求め、その実現のために全力で奮闘する。
同時に、次の2点について率直に指摘しておきたい。
第一に、「憲章」には、大企業に偏重した政治から、中小企業を本格的に支援する政治への転換が明示されていない。「大企業に重きを置く風潮」や「大企業信仰」が指摘されているが、問題は、単なる「風潮」などではなく、弱肉強食の市場原理主義にもとづいた従来の政治を転換するかどうかである。この点で、1999年に、日本共産党以外のすべての政党が賛成して改悪された中小企業基本法の抜本改正は不可欠である。
第二に、「憲章」の制定が、国会決議ではなく、閣議決定で行われたことである。中小企業を重視する政治を行うことは、単に一つの内閣の方針にとどめるべきものではない。国会審議のうえ全会一致による国会決議を行い、国の基本姿勢として明確化すべきである。日本共産党は、今後も、国会決議の実現を追求していく。