日本共産党の小池晃政策委員長・参院議員が6日、東京・新宿でおこなった沖縄・米軍普天間基地問題での緊急街頭宣伝での演説(要旨)は以下の通りです。
私も、4月25日の沖縄県民大会に参加しましたが、本当に地鳴りのような怒りの声が沖縄の皆さんから上がっています。
鳩山由紀夫首相は「腹案がある」といいつづけてきましたが、ついに明らかになってきました。名護市キャンプ・シュワブの沿岸に、埋め立てではなくて杭(くい)を打って桟橋で滑走路をつくる、そして鹿児島の徳之島にヘリ部隊を「移設」する、そんなことを言い出しています。県内で基地をつくるということが「腹案」だとすれば、これほど国民・沖縄県民を愚弄(ぐろう)する話はないのではないでしょうか。
鳩山首相は、「(普天間『移設』先は)国外、最低でも県外」だといってきたことは、民主党の公約ではなくて私自身の発言だといいました。しかし、選挙のときに、党首討論ではっきり、「国外、最低でも県外」だといったではありませんか。党首が選挙のときに公の場でいったことが選挙の公約でないとすれば、国民はいったい何を基準に政党を選んだらいいのでしょうか。
国民を裏切る
二重三重に国民を裏切るこのような発言を許すわけにはいきません。これは県民の総意に逆らうものです。そして公約を裏切るものです。何よりも沖縄県民の怒りの火に油を注ぐものです。
沖縄県民の願いはもはや明々白々です。普天間基地の早期閉鎖・返還を求め、「県内移設」断念を迫った沖縄県民大会には、自民党から共産党まで、まさに党派を超えて参加しました。県知事を先頭に41の市町村長がすべて参加したのです。鳩山首相は日本の総理大臣じゃないですか。沖縄の思い、日本国民の思いを踏まえていまこそ決断をすべきではないでしょうか。
あの普天間の基地は、戦争で住民が避難している間に、勝手に土地を取り上げて、不法に基地にしてしまったんです。であれば、引っ越し費用は自分で出していただいて、引っ越し先は自分で見つけていただいて、荷物をまとめて出て行っていただくというのがものの道理ではないでしょうか。引っ越し先を日本のほうで用意しようとするから、どんどん話がこんがらがっていくんです。
鳩山首相は「抑止力がある」「日本を守るために海兵隊は必要だ」といいます。しかし、海兵隊は日本を守る軍隊ではありません。アメリカが先制攻撃の戦争をする、そのときにいつもその先頭に立って出て行く部隊ではないですか。ベトナム戦争、湾岸戦争、アフガニスタン戦争、イラク戦争と、いつでもアメリカの戦争の先頭に立ってきた。そんな侵略のための軍隊は必要ないではないか。
この問題では、アメリカにものがいえない政治というものをつくづく感じます。
無条件撤去を
いま、日本共産党の志位和夫委員長がアメリカに行っています。それに先立ちアメリカ大使館に行き、ルース米大使に対して、普天間の基地は日本のどこにも受け入れる場所はない、無条件撤去しか解決の道はないと主張してきました。翌々日には鳩山首相と党首会談を行いましたが、首相は最後に「私の頭の中には共産党さんのようなスッキリした答えは入っていないんです」「志位さんがアメリカに対してそれを伝えてください」というのです。情けない話ではないでしょうか。
みなさん、日本共産党は決して反米ではありません。アメリカとは対等・平等の当たり前の関係をつくっていこうではないか、このことを訴えている政党です。
普天間の海兵隊の基地は無条件撤去させる、それを第一歩に、アメリカに対して正々堂々とものがいえる当たり前の政治をつくっていこうではありませんか。日本共産党はそのために全力をつくす決意です。