日本共産党の小池晃政策委員長は20日、国会内で記者会見し、政府の労働者派遣法改定案に対する党の修正案を発表しました。高橋ちづ子党厚生労働部会長が同席しました。(修正案)
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小池政策委員長が会見
小池氏は、2008年以来の大量の「派遣切り」に対するたたかいの中で派遣法の抜本改正が求められているが、政府案は二つの"抜け穴"をはじめとする大きな問題を抱えていると指摘しました。
政府案が、製造業派遣の「原則禁止」を掲げながら、短期雇用の繰り返しでも1年を超える雇用見込みがあれば禁止の例外としていることを批判。登録型派遣の「原則禁止」も「専門26業務」への派遣を例外としていて、パソコン操作など専門知識が必要とは思えない業務が多数含まれていると指摘しました。
小池氏は「これでは圧倒的多数の派遣労働者が『使い捨て』雇用のままになる。抜本的修正がなければ、労働者の期待に応えるものにはならない」と強調。二つの"大穴"をふさぐために、「製造業派遣は、どんな形であれきっぱりと禁止する」「専門業務の内容を見直し、真に専門的な業務に厳しく制限する」という修正案を紹介しました。
修正案はほかに▽違法派遣の場合の「みなし雇用」は、期間の定めのない雇用契約で直接雇用したものとすること▽「均衡」ではなく「均等待遇」を定めること▽期間を定めないで雇用される派遣労働者を労働契約申し込み義務の対象外とする改悪規定の削除▽「グループ内派遣」の規制――などを提起しています。
小池氏はまた「原則禁止」の施行日を3年から5年先延ばしする政府案を批判し、1年を超えない日から施行するとの修正を紹介。法施行で労働者の職がなくなることがないように、派遣先に必要な措置を講ずるようにさせていく規定も盛り込んだと述べました。
その上で、派遣法については現在、衆院厚労委員会で審議が中断しているが、「派遣切り」された労働者を参考人として招いて国会で話を聞くなどして、「徹底的な審議を行い、真の抜本改正を実現させたい」と表明しました。