東京都板橋区が、国民健康保険料を「払いたくても払えない」、低所得の滞納世帯からの保険証とりあげをやめ、通常の保険証を少なくとも300世帯以上に渡すことが、7日までにわかりました。日本共産党のかなざき文子区議が小池晃参院議員の国会質問をもとに区議会で追及し、実現したものです。
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高すぎる国民健康保険料を滞納した住民に対して、同区は保険証にかえて、医療機関の窓口で10割負担となる資格証明書を3254世帯(3月1日現在)に発行しています。
小池議員は参院予算委員会(3月4日)で、板橋区の国保料納入を督促する書状の束を手に「きびしい督促で自殺に追い込まれる人までうまれている」と告発。「こんなやり方はやめるべきだ」と迫りました。長妻昭厚生労働相は「(自治体に対し)慎重に対処するようお願いしている」と答えていました。
3月23日の区議会予算総括質問でかなざき区議は議場の全員に小池議員の質問の速記録を配りました。速記録を示して追及するかなざき区議に、担当部長は、所得が基準以下の均等割の減額世帯には通常の保険証を出すとのべました。
板橋区ではこれまで住民税非課税世帯が多くを占める均等割のみの世帯に対しても、資格証明書を発行し、保険証を取り上げていました。取り上げは均等割が5割・7割減額されている低所得世帯のうち323世帯(09年8月18日現在)に上っていました。
区の答弁では、6月の更新時から通常の保険証に替えるという大きな前進になります。
4月から新たに均等割を2割減額する制度が始まりましたが、住民税が課税されるこの世帯にも資格証明書ではなく通常の保険証が渡されます。
かなざき区議はいいます。「小池議員の奮闘なしにこの区の答弁はなかった。『命に格差をもたらしてはいけない』と国会と区議会が連係プレーでうみだした成果です」
国民健康保険料の均等割 保険料は所得や世帯の人数などで決まりますが、自治体によって異なります。加入者全員が同額を負担するものが均等割です。低所得世帯には減額措置があります。東京23区では、ほかに住民税額にもとづいて払う所得割が合算され、23区統一保険料になっています。