大手デパートの電話による商品販売セールスの業務委託を受けてきたシーエムアイのパート従業員約200人が、昨年7月から3カ月間の賃金を不払いのまま解雇された問題で、国の未払賃金立替払制度が適用されることが5日、わかりました。
同制度の適用は、全労連・全国一般東京地本・一般合同労組シーエムアイ分会の組合員が、昨年11月に申請していたものです。
パート従業員約200人への適用が見込まれます。不払い総額は約8000万円とみられ、その8割が国から支払われます。
組合員らは、「給料が払われなかった8カ月の苦労がふっとびました」「あきらめず、組合員みんなで一丸となってたたかってきた結果。一人ではできなかった」と喜びを語っています。組合員は2月26日、会社や社長らに賃金の支払いなどを求めて東京地裁に提訴していました。
未払賃金立替払制度は、企業が倒産などのために賃金が未払いのまま退職した労働者に対し、退職日の6カ月前の日からの定期賃金と退職手当の未払いについて、一定範囲(上限は45歳以上で限度額370万円の8割)で国が立て替え払いする制度です。深刻な経済情勢を反映して近年、立て替え払い額が急増しています。
この問題で、日本共産党の小池晃参院議員は、組合員から制度の早期適用の要請を受け、厚生労働省労働基準局に対し「(会社の)事業停止は明白で、国は賃金立替払制度を直ちに適用すべきだ」と求めていました。
一般合同労組の梶哲宏委員長は、「ねばりづよく国に要請してきた成果です。母子家庭や、家計の支え手になっている女性が増えているなかで、制度の適用が長引くほど生活破壊が進みます。早期適用が切実に求められています。同じような被害を出さないために、労働相談を強化したい」と話しています。