2010年2月24日(水)「しんぶん赤旗」より転載
国立ハンセン病療養所・多磨全生園(東京・東村山市)の敷地内の保育所設置にむけ、厚生労働省が不動産鑑定を行っていることが23日までに明らかになりました。
日本共産党国会議員団が昨年12月に行った「ハンセン病問題に関する申し入れ」などを受けたもので、同省の担当者が日本共産党の小池晃参院議員に説明しました。
保育所設置は、全生園を地域に開かれたものにしようと、同園自治会が市や地域住民の声を聞きながら「将来構想」としてまとめてきました。
「将来構想」では、園内の3万本の樹木や歴史的建造物を保存する「人権の森」や、保育所を設置するなど開かれた福祉ゾーンづくりが計画されています。ところが、保育所設置に必要な国有地の年間1000万円にもなる賃借料が障害となっています。全国ハンセン病療養所入所者協議会(全療協)や全生園自治会は、地域開放を理念に掲げたハンセン病問題基本法の精神や歴史的経緯などに照らし、無償貸与すべきだと要求しています。
不動産鑑定は、全生園内の土地を保育所用地として貸し出すという前提で依頼がおこなわれ、3月中には結果がでる見込みです。厚労省担当者は、現在提示している賃料単価をより引き下げることができるのではないかと期待して、鑑定をおこなうことにしたと説明しています。
小池参院議員の話 入所者や住民の運動をうけて厚労省も動きはじめました。しかし、まだまだ不十分であり、全療協や全生園自治会が要求するように保育所用地の無償貸与が当然です。そのために、引き続き全力をあげます。
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