インド洋とイラクに派兵された自衛隊の装備品の修理などを行うため、民間企業の技術者が39回、のべ116人、海外に派遣されていたことが3日までに分かりました。日本共産党の小池晃参院議員の要求に対し、防衛省が明らかにしました。日本政府が、インド洋やイラクへの自衛隊海外派兵で、米軍の戦闘を支援するため、民間技術者を戦地に系統的に派遣し、協力させてきた実態を示すものです。
防衛省が小池氏に提出した資料によると、テロ特措法と新テロ特措法に基づくインド洋への派兵(2001年11月~09年8月現在)では、民間技術者が25回、のべ77人、イラク特措法に基づく派兵(03年12月~08年12月)では、14回、のべ39人が海外に派遣されています。
防衛省は「民間技術者が海外で作業を行ったと推測されるが、確認作業に相当の時間がかかるものなどは人数に含めていない」としており、今後増える可能性もあります。
派遣の目的は、インド洋派兵では、米軍などへの補給活動を行っている海上自衛隊艦船の器材の修理・点検となっています。
イラク派兵では、「車両搭載対策器材本体の据え付け・調整」「検査装置の定期巡回整備」など。「車両搭載対策器材」「検査装置」とは、イラク南部サマワに派兵された陸上自衛隊のテロ対策機器とされています。クウェートを拠点に武装米兵らを空輸した航空自衛隊C130輸送機のエンジン点検のためにも派遣されています。
防衛省の説明では、派遣場所は海自艦船の寄港地やクウェートとされています。
政府は、民間技術者の派遣について防衛省と企業との契約に基づいて行っているとしています。契約企業は業務命令によって事実上強制的に技術者を派遣することになります。
民間技術者に犠牲が出た場合の補償についても政府は、企業側が行うという無責任な態度をとっています。民間人をも大変な危険にさらす、憲法違反の自衛隊海外派兵は直ちにやめるべきです。
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