「しんぶん赤旗」2009年8月2日(日)より転載
派遣業界が労働者派遣法の改正に反対する署名を派遣労働者に強制している問題で、厚生労働省職業安定局受給調整事業課は7月31日、個人情報保護法に違反する可能性が高いと判断し、法律を厳守して対応するよう求めていくことを明らかにしました。調査を求めていた日本共産党の小池晃参院議員に同課から報告がありました。
署名に正当性がまったくないことを裏付けるものです。署名は日本人材派遣協会や日本生産技能労務協会と加盟900社が実施。署名を求める電子メールを労働者のアドレス情報を無断で使って送りつけ、「改正されると働けなくなる」などといって強要していました。
厚労省によると、個人情報保護法では利用目的をできるだけ特定し、本人に通知・公表しなければならないと定めているにもかかわらず、事前に利用目的が明示されておらず、通知など必要な手続きもとっていないと考えられるとして法違反の可能性が高いと判断しました。
派遣業界は「情報提供の一環」としていますが、厚労省は、包括的な規定では明示したことにならないとして認めない考えを明らかにしました。
日本共産党は、「派遣切り」に反省もなく、社会的に許されないものだと批判。個人情報保護法違反だとして、小池議員が厚労省に調査を求め、派遣協会に直接申し入れてきました。
署名は無効 妨害やめよ
小池議員の話 法律にふれるようなやり方で集めた署名は無効であり、2つの協会と派遣企業の責任は重大です。派遣業界は派遣法改正の妨害を直ちにやめて、「派遣切り」を真しに反省し、派遣労働者の保護に向けた法改正にこそ協力すべきです。