労働者派遣法の改正に反対する署名を派遣業界ぐるみですすめている問題で、日本共産党の小池晃参院議員・政策委員長は29日、「派遣切りに反省もせず法改正に反対する署名は許されない。派遣労働者に強制するな」と日本人材派遣協会に申し入れました。同協会の松田雄一専務理事が応対しました。
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小池氏は、派遣切りに反省もなく「働けなくなる」といって労働者を署名に駆り立てることは社会的に許されないと指摘。「断れない」「圧力を感じる」とメールなどで署名を求められた労働者の声を紹介し、優越的立場を利用して強制するもので個人情報保護法が禁じる目的外利用にもあたるとのべました。
松田専務は「受け取り方の問題」とのべ強制にあたることを否定できませんでした。
個人情報を署名要請に使うことが特定すべき利用目的に明示されていない問題で松田氏は「情報提供」と説明。小池氏が、メール文を示して情報提供とは到底いえないと指摘すると、松田氏は「全部は書けない」とのべ、明文で特定されていないと認めました。
松田専務は、職業能力開発指導官などを歴任した厚労省の天下り官僚。小池氏は、協会が「法律を守ることが著しく困難」「(派遣を)臨時的・一時的なものと位置づけることに反対」と主張し、全面的自由化を求めていることにふれ、「厚労相も臨時的・一時業務に限定するのが大原則だと繰り返し答えている。法令厳守を徹底すべき協会が、法違反を認め、派遣労働の根幹を否定することは大問題だ」と強調しました。
松田氏は「守らないとはいっていない。法令順守はいっている」と弁明。小池氏は「派遣切りを見ても法律など守られていないのが実態だ」と批判。二度と派遣切りを許さないために抜本改正こそ必要であり、無法な署名運動を中止するよう重ねて求めました。