医療

臓器移植法
改正3案議論打ち切り
参院本会議 「中間報告」と討論


2009年7月11日(土)「しんぶん赤旗」より

 参院本会議は10日、臓器移植法改正3案について、辻泰弘厚生労働委員長の「中間報告」と3案への賛成討論を行いました。また、同日の参院議運委員会理事会は、13日の本会議で3案を採決することを決めました。

 参院では、一律に「脳死は人の死」とし本人の同意なく臓器提供を可能とする臓器移植法改正案(A案)、日本共産党と野党の議員有志が提出した「子どもの脳死臨調設置法案」(E案)、臓器提供時に限り「脳死は人の死」とする現行法規定を復活させたうえで本人の同意なしに脳死判定を可能にする修正A案が審議されています。

 「中間報告」は、委員会での審議が尽くされていないのに、議論を打ち切るものです。

 E案への賛成討論をした円より子議員(民主)は、「正確な情報の提供がないまま、国民が臓器提供に導かれることは、移植を待ち望む患者たちの意思にかなうことなのか」と述べ、「(E案は)1年間と期限を区切って責任をもった解決策を提案している」と強調しました。

 A案の賛成討論をした石井みどり議員(自民)は、「『脳死は人の死』であるのは本案も現行法も同じく、臓器移植に関する場合にだけ適用されるものだ」と主張。修正A案の賛成討論をした津田弥太郎議員(民主)は、「脳死は一律に人の死という考えに立たない」と述べました。


共産党、13日採決に反対

 本会議後、日本共産党の小池晃議員は、「参院厚生労働委員会での審議はわずか9時間にすぎない。しかも、小児の長期脳死の問題など新たな論点が次々と出てきている。修正A案の審議も1時間程度しか行われていないうえ、議論も混乱している。審議をつくさないまま『中間報告』で質疑を打ち切ることは許されない。ましてや、このまま週末をはさんで十分な討論もされないまま、拙速に採決することは重大な禍根を残す。13日の採決はすべきでない」と語りました。



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