2009年6月25日(木)「しんぶん赤旗」より
厚生労働省は24日までに、国民健康保険の加入者で低所得を理由に医療費の窓口負担分を払えない場合に、減額・免除を受けられるよう、市町村への財政支援の検討を始めました。日本共産党の小池晃議員が18日の参院厚生労働委員会で「国の責任で減免制度の拡充を図るべきだ」と質問したのを受けたものです。(20日付既報)
国保を運営する市町村は、窓口での支払いが困難な加入者に対し、患者負担を減免できることが法律で決まっています。しかし、国の統一的な運用基準がなく、市町村への国の財政支援がないため、減免制度がない市町村が半数近くもあります。
厚労省は、近く統一的な運用基準を示し、今年度数十の市町村を対象にモデル事業を実施する予定。その上で、来年度から同制度を実施する市町村への財政支援を行う方針です。国が市町村に交付している「特別調整交付金」を使って、減免分の半分程度を国が手当てできないか検討しています。
厚労省の調査では、2006年度時点で、減免制度があるのは1003市町村で、制度がないのは815市町村でした。低所得を減免の条件にしていたのは155市町村にとどまっていました。今回の措置で、すべての市町村に低所得者の窓口負担減免制度がつくられることが期待されます。