「しんぶん赤旗」2009年5月21日(木)より転載
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違法派遣の申告を受けた労働局の対応の遅れなどの問題で、日本共産党の小池晃参院議員と高橋ちづ子衆院議員は二十日、厚生労働省から報告を受けました。申告から一カ月以上たっても報告がないと指摘した事例について、二十一件がいまだ「調査中」とされていることが明らかになりました。何らかの対応がされたのは半数にも達していませんでした。
この問題では、志位和夫委員長が四月十四日、舛添要一厚労相と会談し、速やかな対応を申し入れました。舛添氏がひどい扱いをうけている具体的な事例をあげてくれれば指導するとのべたことを受け、国会議員団が同三十日、独自調査にもとづく五十八の事例を示し、是正を求めていました。
厚労省の担当者によると、申告を受理しなかった対応ではその後、受理した事例もありました。不十分な調査ですますなど調査方法の問題では、指摘を踏まえ、再調査や対応を指導したと説明しました。
小池氏は、直接雇用に結びついた是正は一例もないと指摘し、申告者らも労働局の対応に変化があったとは受け止めていないと批判。「申告者が職と住居を失うことになる切迫した問題だという立場に立ってやるべきだ」とのべ、調査の経過報告や事例ごとに期限を示すなど、迅速で親身な対応を求めました。また、さらに是正指導を強めたうえで、再度の報告を求めました。