厚生労働省は十日、四月から導入した新しい要介護認定制度によって、心身の状態が変わらないのに認定が軽くなった場合、利用者から申請があれば従来通りの認定に基づくサービスを継続できる経過措置を検討中であることを明らかにしました。
「要介護認定の見直しに係る検証・検討会」を新たに立ち上げ、経過措置を含めた当面の対策と、中長期的な対策を検討するとしています。十三日に第一回会合を開きます。
中長期の対策については、新制度に基づく全国の認定結果を六月ごろに集約して検討するといいます。
新制度では認定が軽くなって必要な介護を受けられなくなるとの批判が利用者団体などから相次いでいました。二日の参院厚生労働委員会では日本共産党の小池晃議員が厚労省の内部文書を示し、認定を引き下げて介護費を抑制する狙いがあることを明らかにしていました。
同省は見直しに至った経過について、「認定制度の変更にあたって、利用者と認定調査員の声を十分に聞かなかったことが不安を招いた」と説明しています。広範な国民の批判を受け、導入直後の新制度見直しという異例の措置に踏み込まざるをえなくなったものです。
問題認めたなら中止・撤回せよ
小池晃参院議員の話 厚労省が見直しを言わざるをえなくなったのは、新しい要介護認定方式が、必要な介護を奪うという問題点を認めたということです。しかし、検討されている見直しで対象となるのは、これまで認定を受けてきた人だけ。新しく認定を受ける人には適用されません。
問題を認めた以上、新しい認定方式そのものを中止・撤回すべきです。コンピューターの機械的な認定による切り捨てをやめ、ケアマネジャーなど現場の専門家が必要な介護を判断する方式に転換すべきです。
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