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9月8日(水)
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開封からの帰途、黄河のほとりに立ち寄りました。黄色い泥水が巨大なうねりで、そして所々では渦を巻きながらゆったりと流れるさまは、まさに「黄河」。古代文明をはぐくんだ大河の流れに、悠久の歴史を思い、ひととき時間を忘れました。
鄭州に戻り、中国共産党の河南省党委員会を訪問しました。「省委員会」と言っても 20 階近くもある巨大ビルです。同行した自民党議員も「自民党本部より大きい」と感心していました。日本共産党の新本部が全館オープンしても、これほどの規模にはなりません。
ここでは李克強(り・こっきょう)書記らと会談しました。李氏は胡錦涛総書記と同じく共青団第一書記の出身で、中日友好協会関係者からは、「将来の中国政治にとって重要な人物だ」という紹介が随所でされていました。
李書記は、49 歳。穏やかながら、省のトップとしての自信と風格を漂わせる人物でした。 日本側からの「人口 9000 万人の河南省」という発言に対して、李氏はあっさりと「最近 1 億人を突破しました」と訂正しました。李氏は主に河南省の経済について発言し「成長率は 9 %を維持しています。現在の GDP は 1000 億ドルですが、一人あたりでは中国の中でもまだ遅れています。2020 年には GDP3000 億ドルが目標で、これは実現できると思います。沿岸地域との格差をどう縮めるのかが課題です」とのこと。
私が、「国民の自発性と創意を重視する社会主義市場経済に注目しています。しかしそうはいっても、省の経済のかじ取りをすることは容易ではないと思うが、どういうことを心がけているのですか」と質問すると、こんな答えが返ってきました。
「地方政治で重要なのは民生。つまり庶民の生活をどう豊かにするかです。経済を発展させ、庶民の生活を豊かにし、景気をよくすることで、庶民に実益をもたらす政治をすれば、支持を得ることができます。しかし、一部の庶民を豊かにするのは簡単ですが、一億人みな豊かにするのはむずかしいことです」。
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