2010年3月9日(火)「しんぶん赤旗」より転載
政府は9日、出産育児一時金の産科医療機関や助産所への直接支払制度が、医療機関の経営に影響を与えていることを認め、資金面での負担軽減や制度の改善、制度の適用猶予の延長などを「早急に検討して」いくことを閣議決定しました。直接支払制度の改善を求めた小池晃参院議員の質問主意書への答弁書で明らかにしたものです。
出産育児一時金は、従前は、出産した人がいったん医療機関に出産費用を払った後に、医療保険から受け取っていました。妊産婦の負担軽減のために、2009年10月、医療保険から医療機関に直接支払う制度が導入されました。
ただ、医療機関等にとっては入金が最長で2カ月遅れることで、資金繰りなど経営に悪影響が出ていました。政府は、小池議員の追及などを受けて、今年3月までの適用猶予などの措置を取りましたが、なお不十分だという批判が出ていました。
小池議員は質問主意書で妊産婦の負担軽減は必要だが、危機的状況にある産科医療にさらに負担をかけている現制度の抜本的見直しを求めています。これに対し、政府は、現在月1回となっている支払いを複数回とすること、福祉医療機構による低利融資の条件のいっそうの緩和・改善、適用猶予の延長を早急に検討するとしています。
また小池議員が、妊産婦があらかじめ手続きすることで出産直後に医療機関等に支払われる仕組みを検討するよう求めたのに対し、11年度以降、制度のあり方について「ご指摘の点も含め、検討してまいりたい」と答えました。
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