2010年174通常国会:厚生労働委員会

国庫補助引き上げ必要
国保法等改定案で参考人
小池氏質問


2010年4月29日(木)「しんぶん赤旗」より転載

 参院厚生労働委員会で27日、国民健康保険(国保)法等の改定案に対する参考人質疑が行われました。

 東京・板橋区の医療法人理事長を務める東京民医連の石川徹会長は意見陳述で、法案には「医療崩壊」をもたらした自公政権の政策からの転換が見られないと指摘。「後期高齢者医療の廃止は先送りだし、国保を国が支援する点でも不十分だ」「医療保険の安定というが誰の何のための安定か問われている」と述べました。

 石川氏は、全日本民医連の国保死亡事例調査で昨年1年間、お金がなくて医療機関にかかれず47人が死亡していると指摘。自ら診察したC型肝炎患者が、「この4カ月間、まったく仕事がない、医療に回すお金がない。検査が必要なのは分かっているが、とにかく薬だけにしてくれ」と訴えたことを紹介。高すぎる国保料と患者の窓口負担引き下げが必要だと強調しました。

 日本共産党の小池晃議員が、板橋区の国保の実態を質問したのに対し、石川氏は、板橋区の国保への国庫支出金が1999年度から10年間で約10ポイント減らされたこと、保険料滞納世帯が約4割にのぼることを示し、「国庫支出金を増やすことを抜きに制度改革しても、問題は解決しない」と強調しました。

 小池氏は、国保や協会けんぽへの国庫負担の問題について質問しました。全国町村会常任理事・新潟県聖籠(せいろう)町長の渡邊廣吉氏は「国庫支出増をきちんと手当てをしていくことが必要」と述べました。

 全国健康保険協会の小林剛理事長は「運営委員会として引き続き国庫補助率の引き上げを主張しつづけることが必要という意見を持っている」と述べました。


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