日本共産党の小池晃政策委員長は17日の参院厚生労働委員会で質問に立ち、行政刷新会議が進める「事業仕分け」の問題点をただしました。
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小池氏は「メンバー自体に大きな疑問がある」と強調し、例えば厚生労働グループの福井秀夫氏は自公政権の規制改革会議・労働タスクフォースの座長を務めた人物だと指摘しました。同タスクフォースは同一労働同一賃金や最低賃金引き上げに反対し、労働者派遣法のいっそうの緩和を求める異常な意見を出しています。
小池氏は事業仕分けの内容についても、軍事費や政党助成金が対象になっていない根本問題に加え、「新規学卒者への就職支援」の廃止や「パート労働者の均等待遇推進等助成金」の削減など「容認できない」ものがあると批判。「ムダ遣いを洗い出すことは必要だが、労働者保護の観点が全くない人物に行わせれば、労働行政の根幹をゆがめる」とただしました。
長妻昭厚労相は「行政刷新会議が行う人選に、いい悪いということをいう立場にない」とのべました。かつて労働タスクフォースの意見を痛烈に批判していた細川律夫厚労副大臣も、「個別の評価者について所感は差し控えたい」などと歯切れの悪い答弁に終始しました。
医療分野の事業仕分けでは、借入金の返済費用などが勘案されないまま開業医の「高収入」が問題視され、診療報酬について「収入が高い診療科の見直し」「開業医・勤務医の平準化」を行うことが結論とされています。さらに、▽一般病床でも入院時の食費・居住費をとる▽市販品類似薬は保険対象外とするーなど患者負担増の方向も打ち出されています。
小池氏は「このような乱暴で非常識な仕分けを行えば、日本の医療はいっそうの危機に陥る。厚労省としてきっぱり拒否すべきではないか」と迫りました。長妻厚労相は「私が責任をもって判断する。(診療報酬の伸びは)プラスにしていきたい」とのべました。