2009年171通常国会:厚生労働委員会

臨調での調査が必要
臓器移植法改正案で参考人


2009年7月8日(水)「しんぶん赤旗」より転載

 参院厚生労働委員会は7日、年齢制限なく臓器提供を可能とする臓器移植法改正案(A案)と、「子どもの脳死臨調設置法案」について参考人質疑を行いました。

 大阪府立大学人間社会学部の森岡正博教授は、「心臓が30日以上動き続ける長期脳死状態」も多数報告されているなかで、脳死を一律に人の死として臓器提供を可能とするA案について「身長が伸び、歯が生え替わる子どもを死体と断じるものだ」と指摘。「子ども脳死臨調で専門的調査・結論がでるまで許可してはならない」と述べました。

 日本共産党の小池晃議員は、「本人同意をはずすべきではない」と述べる森岡氏に、子どもの意思表示は何歳から可能かと質問。森岡氏は、「厳格な根拠を示すことは難しい。子どもの意思表示のために、心のなかに入り込む敏感な教育ができる教育者を育てなくてはならない」と答えました。

 前回の脳死臨調(首相の諮問機関、1992年)にも参加した東京大学先端科学技術研究センターの米本昌平特任教授に対し小池氏は、「今回の議論は、国民的にも、国会でも不十分ではないか」と国民的な合意形成のあり方について質問。米本氏は、「第三者機関が、資料を集約し、立法活動に必要な報告書づくりをすべきだ」と述べました。



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