2009年171通常国会:厚生労働委員会

「子ども脳死臨調」必要
臓器移植法改正案 参考人が指摘
参院厚労委


2009年7月3日(金)「しんぶん赤旗」より転載
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(写真)参考人を招いて開かれた参院厚生労働委員会。手前左は質問する小池晃議員=2日

 参院厚生労働委員会は2日、一律に「脳死を人の死」とし、年齢制限なく臓器提供を可能とする臓器移植法改正案(A案)と、「子どもの脳死臨調設置法案」について、参考人質疑を行いました。

 日本弁護士連合会人権擁護委員会委員の加藤高志氏は、A案について▽「脳死は人の死」という社会的合意がない▽子どもの脳死についての議論が不十分ーなどの理由を挙げ、「A案は、大きな問題を積み残しており、賛成できない。子どもの脳死臨調を設置し、社会全体で議論を行うことこそ最も適切な手順だ」と述べました。

 日本医師会の木下勝之常任理事は「(A案は)国民のコンセンサスは得がたい」と語り、修正を求めました。

 評論家の柳田邦男氏は「脳死となり臓器を提供する側と、その家族のことが忘れられていないか」と提起。「子どもの脳死について小児科学会などで見解がまとまるまで、法律で枠組みを決めるのはやめるべきだ」と述べました。

 一方、NPO法人日本移植者協議会の大久保通方理事長は「おとなも子どもも救うのはA案しかない」と話しました。

 日本共産党の小池晃議員は「現行制度のもとでも遅れている救急医療体制の条件整備を行うことで、(臓器)提供数が増えるのではないか」と質問。日本救急医学会の有賀徹理事は「現在の年間5件ないし6件が、年間50件くらいにはなるかもしれない」と述べました。

 また小池氏は「衆院では8時間の審議で議論が打ち切られたが、国会の議論に何を求めているか」と質問。柳田氏は「日本の文化、日本人の心情への配慮のきいた脳死臓器移植の道を探っていただきたい。それが国会の役割ではないか」と答えました。



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