2009年4月25日(土)「しんぶん赤旗」より転載
肺がん治療薬「イレッサ(一般名ゲフィチニブ)」の副作用で亡くなった人が販売開始(二〇〇二年七月)から今年三月末までで、七百八十七人に上っていることが二十四日、日本共産党の小池晃参院議員の質問主意書に対する政府答弁書で明らかになりました。
これによると、発売開始からの急性肺障害や間質性肺炎などの副作用報告は二千五十八件。〇八年一年間で、副作用症例は百四十二件増、死亡は五十三人増えました。
年次別の死亡者数は、〇二年(七月十六日ー十二月三十一日)は百八十人、〇三年は二百二人、〇四年は百七十五人、〇五年は八十人、〇六年は五十二人、〇七年は三十八人、〇八年は四十五人、〇九年(一月一日ー三月三十一日)は十五人。減少傾向にあった死亡数が増加傾向にあることがわかりました。
「イレッサ」は、発売開始直後から死亡例が相次ぎ、被害者や遺族が、国と製薬会社に損害賠償を求める訴訟を起こしています。
これまで、世界で行われた四回の臨床試験のいずれにおいても延命効果は認められませんでした。承認条件として国内で実施された、他の肺がん治療薬「ドセタキセル」と比較する臨床試験でも、有効性は劣ることがわかっています。
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