2009年3月18日(水)「しんぶん赤旗」より転載
舛添要一厚労相は十七日、七十五歳以上の高齢者からの保険証取り上げについて「しゃくし定規に、(一年の滞納という)期限が来たからと資格証明書を出すような冷たい扱いをしてはならない。慎重にも慎重を期して事前に相談をし、個別に手を打ってほしい」と述べました。参院厚生労働委員会で、日本共産党の小池晃議員が「高齢者からの保険証取り上げは命の危機に直結する。絶対に行うべきではない」と、厚労相の立場をただしたのに答えました。
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七十五歳以上が加入する後期高齢者医療制度では、原則として保険料の滞納が一年続くと保険証が取り上げられ、医療費を窓口でいったん全額負担しなければならない資格証明書が発行されます。制度導入前は、七十五歳以上は保険証取り上げの対象外でした。
厚労省は一月、資格証明書を発行する場合には、あらかじめ国に報告を求める通知を、各都道府県の後期高齢者医療広域連合に出しました。小池氏はこの通知について「後期高齢者からは保険証を取り上げないようにという自治体へのメッセージと受け取ってよいか」と質問。厚労相は「そういうふうに受け取っていただくと大変ありがたい」と述べました。
わずかな年金収入しかない高齢者にとって保険料負担は重く、制度開始から一年となる四月以降、大量の無保険高齢者が生まれることが懸念されています。今回の国会答弁は、保険証取り上げを許さない今後のたたかいに大いに役立つものです。