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169通常国会 厚生労働委員会 介護保険法等改正案質疑

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2008年5月15日(木)

小池晃君

 日本共産党の小池晃です。

 本法案、閣法の方はコムスンの不正事件を契機にして必要な措置を盛り込んだもので賛成でありますし、議員立法の方も介護労働者の労働条件の改善を求めるもので、賛成であります。

 閣法についてちょっと質問をしたいんですが、一点確認をしますが、今回の改正では、不正行為への組織的な関与があった場合、事業者の本部への検査ができるようになると。これ、条文上は関係のある場所というふうにあるんですが、この関係のある場所とはどのような範囲でしょうか。

政府参考人(阿曽沼慎司君)

 今回の改正では、御指摘のように、介護事業者に対して業務管理体制の整備を義務付けたというところでございますが、事業所に対する調査だけでは不十分で、何らかの不正行為が組織的に行われたかどうか等を確認するという意味では、本部等に立ち入って関係者の事情聴取、書類確認等を行うことが必要だという問題意識からでございます。

 御指摘の立入検査の対象としては、あくまでも介護サービス事業者の本社あるいは本部あるいは支社を想定しているところでございます。

小池晃君

 そうすると、同一法人内という理解の仕方でよろしいんでしょうか。

政府参考人(阿曽沼慎司君)

 基本的には、その法人のところということでございます。

小池晃君

 介護保険全般についてお聞きしたいんですが、資料をお配りしました。これは介護保険の給付費の推移であります。

 二〇〇六年の介護保険制度の改定で、予防給付の創設などで大幅な給付抑制があったわけです。これ見ますと、制度スタートから二〇〇五年度までは介護給付費は伸び続けております。国庫負担金の増額補正を行わざるを得なかった年もあるわけです。ところが、〇六年度を境にして急に伸び率が鈍化して横ばいになっています。国庫負担の方を見ますと、〇六年度は〇五年度から逆に七百億円減少をし、〇七年度若干増えるものの、〇五年度の水準を下回ったままで推移している。

 これ、給付費の方へもう一回戻って具体的に見ますと、二〇〇六年度というのは、六兆五千億円の当初予算を組みながら、補正してさらにそれに追い付かず実績は五兆九千億円ですから、六千億円当初の見込みよりも少ない実績なんですね。それから、二〇〇七年度を見ても、これ六兆七千億円の当初予算が減額補正で、先日やったわけですが、六兆三千億円になって、四千億円減少。すなわち、この二年間で一兆円近く当初の見込みに比べて実績が減っているという事態になっている。

 高齢者増えているわけですから、私、これ、ある意味非常に異常事態だというふうに思うんです。政府の予想すら下回っているわけですね。

 大臣、私お聞きしたいんですが、これはまさに私、〇六年の制度改定とそれから自治体サイドでの厳しい現場での給付管理の結果がこういうことになっている。これが利用者からはサービスを奪い、まさに介護労働者の待遇を急速に悪化させているのではないかというふうに考えるんですが、大臣、この給付の抑制の経過は、これは行き過ぎたものだというふうに大臣は思いませんか。

国務大臣(舛添要一君)

 この数字の動きをきちんと分析してみる必要があると思いますし、今委員おっしゃったように、この一つの要因はやっぱり二〇〇六年度の改革で、いわゆるホテルコストですね、居住費、食費、これの見直しをやったということが一つは響いていると思います。ただ、十八年度についていうと、要するにやっぱり三位一体の改革がございました。それで、施設介護給付費に係る国庫負担割合が、今まで二五からこれを二〇に引き下げました。こういうことも響いているというのが要因だというふうに思いますので、この流れについてはそういう解釈ができるというふうに思います。

小池晃君

 ただ、高齢者増えているわけですし、介護を必要とする人は増えているにもかかわらず給付費がこれだけはっきり頭打ちになっているということ自体は、私はこれは行き過ぎたものになっているんじゃないかと思うんですが、大臣、もう一回端的にお答えください。

国務大臣(舛添要一君)

 それはもっと実態を調べてみないと、例えばそのホテルコストの分がどれだけあるか、それから先ほど言ったように三位一体改革の影響がどれだけあるか。それから、介護の認定者の認定者数とか、受給者の伸び率がおっしゃるようにこれは鈍化しています。それはなぜなのか。まさに非常に介護保険制度が定着してうまくいったことの成果がそうなのか、それとも委員がおっしゃったように、何らかの形で抑制しよう、出費を抑制しよう、抑制しようという力がいろんなところで働いてなったのか、これはもう少し細かく見てみたいというふうに思っております。

小池晃君

 私は、この間の社会保障制度の改革によって負担増などで、ただ幾ら抑制しようと思っても実際ニーズがあるんで増えている、医療なんかでいえばね。介護についていえば、実際のその給付額自体が本当に減っているというのは、私はこれはほかの社会保障制度でもない現象が起こっているというふうに思いますし、これが今の現場での深刻な事態の原因になっているんだろうというふうに思うんです。

 ところが、それに加えて、一昨日、財務省が財政審議会に対して一層乱暴な給付抑制の方向を出した。今日も議論ありましたが、要介護二以下の人をもう対象外とする、あるいは一割負担を二割にする。介護保険給付から外せば二兆九百億円、それから二割負担にすれば二千三百億円の給付抑制だと。財務省、昨日呼んで話聞いたら、いや、それは別に方向を示したわけじゃなくて試算しただけですと言うんですが、試算すること自体が私これ重大な問題だというふうに思うんですね。こんなことすれば、まさに保険あって介護なしという事態になるし、大臣先ほど言われたように、むしろ増悪をして全体の財政膨らませることにもなる。日本の高齢者介護を根底から破壊するような中身だと。しかも、いろいろと見ると、例えばドイツの介護保険と比べて給付が厚いというのを何か根拠にしているようなんですが、ドイツの介護保険というのは公費入っていませんし、それから利用者負担もない、日本と単純に比べられないような制度と単純に比較をしてやっているんですね。

 だから、そういう意味でいうと、こういう議論というのは私はとんでもない議論だというふうに思うんですが、もう何回か答えていらっしゃいますけれども、大臣、どうでしょうか。

国務大臣(舛添要一君)

 その点は小池委員と全く同感でございます。

小池晃君

 もうちょっと何か言ってほしかったんですが。

 私ね、ちょっとやっぱりこういうのは、ちょっとここでけしからぬと言うだけじゃなくて、大臣、やっぱりそれなりの場で、これ財政審が計算したって先ほどの答弁で言われましたけれども、違うでしょう、財務省が財政審に出したんですから、だからやっぱり何らかの場できちっと言うべきじゃないですか。

国務大臣(舛添要一君)

 これは閣議の場もありますし、社会保障国民会議の場もあります。先ほど申し上げましたように、この問題だけじゃなくて、雇用保険の積立金も取り崩すと、とにかく何でもかんでもなりふり構わず二千二百億円のつじつまを合わせればいいということであったら、数字の議論が先じゃ駄目だと思います。いかにして日本国民の生命を守るかということが優先されないといけないというように思います。

 もちろん、負担と給付の関係についてきちんと議論をする、無駄な支出を抑える、こういう努力はいたしますけれども、乱暴にこういう数字が出る、そしてこれはひどい話で、私も事前に知りませんよ、せめて政府の一員の閣僚ぐらいに知らせてくれなきゃ、皆さんと同じように朝新聞見て、しかも一つの新聞だけでしょう、常に日経新聞ですよ。こういうやり方がいいのかどうなのかということを含めて、政府の中において問題提起をいたしたいと思います。

小池晃君

 この点では同じ意見ですので、是非しっかりやっていただきたい。

 行き過ぎた給付抑制がやっぱり労働条件を悪化させているというふうに、先ほど言ったように私は思っているんですが、大臣は人材確保のために総合的な対策が必要なんだということでいろいろやっているんだというふうに衆議院でもお答えになっているので、労働環境改善、キャリアアップということでちょっとお聞きしたい。

 〇六年度の介護報酬改定の目玉として特定事業所加算というのがあります。これは一定の資格を持つ人材を確保した場合、定期的な研修を実施した場合、あるいは重度者などを見るような取組、積極的な受入れをやった事業者を評価する。この取得状況、どうなっていますでしょうか。

政府参考人(阿曽沼慎司君)

 お答えを申し上げます。

 御指摘のように特定事業所加算の関係でございますけれども、体制の要件、人材要件、重度対応要件によってそれぞれ違っておりますが、特定事業所加算Tの場合は〇・七%、それからUというのは体制要件と人材要件に適合した場合ですけれども、四・六%、それから特定事業所加算Vの場合、これは体制要件と重度対応要件に該当する場合でございますが、二・三%ということでございます。

小池晃君

 居宅。

政府参考人(阿曽沼慎司君)

 居宅支援を行った件数のうち特定事業所加算を算定している件数の割合は〇・〇九%ということでございます。

小池晃君

 〇・〇九ですから、コンマはるかに以下なんですね、実態としては。全体として訪問介護の特定事業所加算も少ない。なぜ取得が進まないんでしょうか。

政府参考人(阿曽沼慎司君)

 この要因というのはなかなか大変、何が原因かというのは難しいわけでございますけれども、私どもが聞く範囲で申し上げますと、介護サービス事業所における人材確保が困難な面がある、あるいは各事業所で職員の研修の機会を確保できない、そういう意味では要件を満たすことがなかなかできないという面もある。あるいは逆に今度は利用者のサイドから見ますと、加算部分の利用者負担が増加するということについてなかなか利用者の理解が得られにくいということで、あえて事業所の方が加算の算定を求めないというふうな実態があるんではないかというふうなことが言われております。

小池晃君

 もう一つお聞きしたいんですが、人材確保策として助成金事業もあるんですが、介護の人材確保施策で最大の予算規模のものが介護基盤人材確保助成金事業、これ、一昨年、昨年と今年の予算額をお示しください。

政府参考人(岡崎淳一君)

 介護基盤人材確保助成金でございますが、これについては、平成十七年度までにつきましては、雇用情勢が厳しい中で雇用創出効果を見越しまして比較的手厚い雇入れ助成を行っていました。平成十八年度から雇用情勢の変化に伴いまして、対象労働者の重点化、支給対象期間の限定等々を行ったわけでございます。そういう中で、平成十七年度が約五十八億、それから平成十八年度は十七年度の要件のところが多いわけでございますので六十三億でございましたが、平成十九年度からは新しい要件の下の予算計上になっておりまして、十九年度が三十一億、今年度は二十六億という額になっております。

小池晃君

 これは年々大幅に削減されておりまして、今年も五億円削減。この手の助成金というのは余っちゃうこともあるんですが、これについては〇六年、〇七年とも助成実績が予算を相当上回って、使い勝手が良くて歓迎されているわけです。ところが、減額だと。

 大臣、先ほどの特定事業所加算もそうなんですが、総合的に労働環境改善だと言うんだけれども、キャリアアップ、雇用環境改善を直接支援する予算をこれ年々削っておいて、どうして雇用環境が改善するとお考えですか。

国務大臣(舛添要一君)

 支給実績見ましても、今の数字とともに人数も減ってきています。これは、重点的にやるというふうなことも含めて、予算額だけじゃなくて様々な諸施策をやっておりますけれども、ありていに言えば、全体的な予算の抑制の制限の中でどういうふうにして知恵を働かせるかということをやっているわけであります。そういう意味でも、やはり医療や介護に対するきちんとした予算の手当てをやっぱりやるべき時期に来ていると私は考えておりますので、様々な確かに予算の抑制、支給対象人数の抑制、こういうことは掛かってきておりますけど、その中でできるだけのことは今やっているというふうに思います。

 ただ、何度も申し上げますけれども、いろんな意味で限界に来ているという認識は持っております。

小池晃君

 全体一律に抑制という、おかしいと思うんですね。やっぱり今、介護の労働者の問題、これだけここでも与党からもいろいろ出ている中で、同じようにこれもカットしてしまうというのは、私は間違いだと思うんです。

 介護労働者の状況について言うと、一般的にただ悪いというんじゃなくて、最近やっぱり急激に悪化しているというのが特徴です。例えば日本介護福祉士会の調査では、介護職員の転職理由として、二〇〇三年と二〇〇五年に調査やっているんですが、給与が低いからというのを理由にした人は、二〇〇三年は一四・九%で三位だったのが、二〇〇五年は四五%にこれが急上昇して一位になっているんですね。やっぱりよく聞くんですが、介護労働に入ってくる人というのは、入口は志だと、やっぱり自分の生きがいだと、出口は労働条件だと。これは本当に不幸なことだと私は思うんです。

 この昨今の急激な賃金低下、労働条件の悪化の原因をどう認識しておられるか、まず最初に大臣に聞きたいんですが、度重なる介護報酬の引下げがやっぱりこの原因であるという認識はお持ちですか。

国務大臣(舛添要一君)

 介護報酬、とりわけそれが賃金という形に跳ね返ったときに極めて低いものがあって条件が良くないと、そのことは認識しておりますので、この条件を来年の改定のときにきちんと対応していきたいというのは繰り返して申し上げている次第です。

小池晃君

 それはもう待ったなしだと。

 それと併せて私お聞きしたいのは、介護報酬引上げ、私は必要だと思いますし、やっていくべきだと思いますが、それは保険料、利用料に跳ね返ってくるという面もこれはあるわけですね。先ほどの特定事業所加算が広がらない理由として言われたように、そういう事業所加算を付けると、これは利用者負担に跳ね返るからむしろ事業所の方でちゅうちょしてしまうという問題もあるわけですね。

 だから、もちろん介護報酬全体としてきちっと引き上げていくということは必要だと思うんですが、やっぱり今の現状を解決する上で、雇用管理、間接経費などについて、やっぱり介護報酬を上げるということと併せて、それとは別枠で、介護報酬とは別に、まあいろんな手法、具体的にはいろんな議論があると思うんです。そのことによって事業者間の格差が拡大するようなことになってはいけないという問題も私はあると思っているんです。ただ、いろんなやり方を工夫する必要があると思うけれども、基本的な考え方として、介護報酬とやっぱり別枠で、一定の公費で労働条件、雇用管理などに対する費用を支えていくような、処遇改善のための公的な仕組みというのをやっぱり検討すべき時期に来ているんではないかというふうに思うんですが、大臣の認識を伺います。

国務大臣(舛添要一君)

 それは広く言うと、先ほど来議論がありましたように、保険料と公費の割合をどうするかということにもつながっていく問題だと思います。ただ、これもほかの社会保障制度との見合いということも当然あって、なぜ介護だけかということの説明もしないといけないと思います。

 ただ、まさにこういう問題こそ国民的な議論をするべき時期に来ていると思いますので、社会保障国民会議、総理の下にありますこの会議の下でそういうことについてもきちんと議論をしてまいりたいと思っております。

小池晃君

 私ども日本共産党は以前から、国庫負担比率を二五%から調整交付金を別枠にして三〇%に直ちに引き上げるべきだということを提言しておりますが、国庫負担の比率の引上げということとは別に、なぜかと言われれば、今の介護労働者の実態というのは本当に深刻だ、待ったなしだと、もう支えるべき土台がどんどん崩れているわけですから緊急に手当てしなきゃいけないでしょうと。だから、その場合に公費負担を広げるというのをやるべきだと思うんですが、それはいろんな議論が必要になってくると思うんで、とにかく緊急にでも、別枠でやっぱり労働条件を改善するような仕組みを検討する必要があるんじゃないかと、そのことについての認識をお聞きしたいんです。

国務大臣(舛添要一君)

 それは、実は衆議院の方で民主党さんが出されていた三万円を公費で上乗せを給料にするという案もありました。そういうことも含めてのいろんな議論がありますけど、先ほども申し上げていますほかの社会保障制度との絡みとか。そうすると今度は、ちょっと先ほどおっしゃったような、自由な競争でサービスの質を上げるという側面がかえって阻害された場合にどうするのかという面もあると思いますが、一つの御提案として、どういう形で、例えばそれを実現するとしたら問題があり、どういうことがメリットであるか、ちょっとそれは検討させていただきたいと思います。

小池晃君

 これはやっぱり真剣に検討すべきだというふうに思います。

 それから、ちょっと後期高齢者医療制度の問題で、今日、資料の二枚目、三枚目に入れてあるんですが、いわゆる六十五歳以上の障害者の加入問題で、十の県で医療助成を打ち切るということで事実上強制だという大問題になっています。これ昨日も担当者会議が開かれて、厚労省は自治体に考慮を求めるというふうに言っているんですが、これ自治体の責任もあるんだけれども、私は厚労省の責任も大きいんじゃないかと。

 この資料の三枚目に、これ二月六日に厚労省が通知で出したものですが、住民へのお知らせのひな形がありまして、そこには、下線引きましたが、何て書いてあるかというと、六十五歳以上の障害者は後期高齢者広域連合の障害認定を受けたものとみなされ被保険者になりますと。確かに法律上の仕組みはこうだと言われればこうなのかもしれませんが、私は、こういう形で住民に通知するようにしなさいという、これ住民が読んで選択できる制度って読めるでしょうか。私は、これは強制的な非常に色彩の強い表現になっていると。こういう周知の仕方、大臣、適切だとお考えですか。

国務大臣(舛添要一君)

 これはある意味で老人保健制度からずっと引きずってきている問題でもありますけれども、みなされたという形になると、そうじゃないならば自分で行って入らないということを意思表示しないといけないんで、特に障害を持たれた方に対して必ずしも私は親切じゃないと思いますので、この周知徹底の仕方というのは更に改善したいと思っております。

小池晃君

 私は、こういうやり方をしているから自治体だってやはり強制加入事実上させるような仕組みをつくって平気でいるような、そういう背景にやっぱりこれで周知しなさいというような姿勢があるんだと思いますよ。ここは本当に見直していただきたい。

 それから、最後、ちょっと残る時間で、昨日、肝炎の裁判の原告団の皆さん、日本肝臓病患者団体協議会の皆さんが国会に来られて各党ヒアリングをやっているので、ちょっとその件についてお聞きしたい。

 最初に、全国C型肝炎診療懇談会が昨年一月二十六日以来開かれていません。これはなぜか。直ちに開催すべきじゃないでしょうか。局長、どうぞ。

政府参考人(西山正徳君)

 お答え申し上げます。

 御指摘の懇談会でございますけれども、平成十八年度、全国C型肝炎診療懇談会という名称で、都道府県における肝炎検査後肝疾患診療体制に関するガイドライン、これを取りまとめたところでございます。

 お尋ねの全国肝炎対策懇談会は、C型肝炎にとどまらず、総合的な肝炎対策に関して有識者の意見交換を行う場として現在設置をしまして、任命行為も終わりまして、その開催の準備を現在しているところでございます。

小池晃君

 これは直ちに、一年以上開いていないわけですから、直ちに開いていただきたい。

 それから、四月からインターフェロン治療に対する医療費助成が始まったんですが、最高五万円の自己負担は依然として重いということを、昨日も声が出ています。しかも、根治を目的とする治療に助成を限定しながら助成期間が一年間までということになっているんですね。これは私も経験ありますけれども、実際その治療を始めて副作用でいったん断念してしまうような人は結構多いです。そういう場合に、いったん断念してしばらくたってもう一回治療を始める、そうすると一年超えてしまうということもあるわけですね。

 私、これ根治を目的とするといいながら一年間に限るということでは、これは根治できないケースも出てくるのではないかと思うんですが、その点はどうお考えですか。

政府参考人(西山正徳君)

 私ども、その助成期間につきましては、同一患者につきまして一か年を限度といたしました。この根拠としましては、インターフェロン治療のうち、標準的かつ治療効果の高い治療法でありますペグインターフェロン、これは薬事法の承認事項としまして、薬事法ですね、薬事法の承認期間として治療期間が四十八週というようなことで、四十八週とするか、あるいは一年とするかいろいろ考えましたけれども、取りあえず一年というようなことにさせていただいています。

小池晃君

 いや、ですから、今言ったようなケースがあるでしょうと。そういう場合は、実際に途中で中断したような場合、根治できなくなるようなケースも出てくるんじゃないですかと。その点はどうお考えなんですかと。

政府参考人(西山正徳君)

 もちろん、同一期間内に副作用で中断して、それでまた再開するというような場合には、これは対象になるというように考えております。

小池晃君

 いや、でもその場合は、その前の一定期間やった部分も入っちゃうわけですからね。そうすると、やっぱりいったん切れるわけですから、一からスタートするのにやっぱり一年の中に収まらないんですよ。そういうことを言っているんですよ、私。

 大臣、これはやっぱり極めて不十分であるという部分がたくさんあるんですね。昨日もその原告団の皆さんからは、線引きするなってやってきて、また新たな問題が出ているんだというお話も聞きました。やっぱりこの恒久対策が徹底していない。

 昨日ちょっと担当者の方に聞いたけれども、やっぱり肝炎だけ特別な対策を取るには根拠法がなければなかなかできないんだというお話、率直にされていたんですね。やっぱり薬害肝炎被害者の願いというのは、すべてのウイルス肝炎患者の救済にあるわけですから、血液製剤による製剤被害者、感染被害者だけじゃなくて、やっぱりすべてのウイルス肝炎被害者が安心して暮らせる社会をつくるというのがあの議論の私は結論だったはずだし、大臣もそういう趣旨でおっしゃっていたはずだというふうに思うんです。ですから、やっぱり恒久対策をきちっとしていく上でも、根拠法、基本法、これを作っていくことが必要ではないかと思うんですが、大臣の政治家としての見解を聞きます。

国務大臣(舛添要一君)

 昨年の秋以来、皆様方のお力をいただいて今年和解が成立し、そして総合的な肝炎対策も行われるようになりました。しかし、これはまず第一歩でありますから、今後更に拡充していかないといけない。原因究明などにつきましては、来週、肝炎の原告団、それから弁護団も加わった形での検討委員会も立ち上げることになっております。

 そういう中において、与野党の皆さん方がこの基本法案を作るということで御努力なさっていて、その後いったん途中で止まっている形になっていると思いますが、立法府のこの努力というのは私も見守っていくとともに、更に肝炎対策というのを強力に進めていこうと思っております。

小池晃君

 是非、これは各党、党派超えて立法府の責任果たすべきだということを改めてこの場で各会派の皆さんにも呼びかけさせていただきたいというふうに思います。

 終わります。

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