いやそれは、きめの細かいことをやると言いながら、一方でこういう正に収納率低下に拍車を掛けるようなやり方になりませんかと私申し上げているわけで、やっぱりこれは見直すべきだというふうに思います。そのことは申し上げておきたいと思います。
それから、保険法の改正についてちょっとお伺いしたいんですが、先ほどから混合診療の話もあるんですが、法務省の方で審議会もやられております。この試案では、保険給付の内容について現物給付認めるというふうになっております。現行法上はもう損害保険は現物給付認めておりますが、生命保険、疾病傷害保険の現物給付も新たに認めようという方向になっている。
ニッセイ基礎研究所のレポートを見ますと、公的保険の守備範囲が縮小しようとしている今、民間保険は旧来の補完関係から抜け出さなければならない、公的保険の存在を前提とした発想を超え、進むべきは、公的保険と民間保険が積極的に協働して準備するという新しいセーフティーネットの形成への道である、こういうふうに民間保険会社なんかは言っているわけですね。
要するに、医療保険で民間保険の現物給付が認められれば、これは正に保険会社による囲い込みということになっていきかねないわけですよ。フリーアクセスという日本の医療の一番大事な原則が脅かされる危険性がある。アメリカでは、あの「シッコ」なんかでも出てきますが、給付を削減した医師に対して民間保険会社がボーナス出すというようなこともやられているわけですね。
私は、このやり方というのは国民皆保険制度に重大な影響を与えると考えるんですが、法務省としては医療給付への民間保険の現物給付を認める方向で検討していくということなんですか。