農地税制改正に共感
「東京の農業に希望がもて、次の世代に引き継げるようにしてほしい。希望がもてれば夢が広がります。農業はおもしろいし、いい仕事なんですよ」
こう語る東京都立川市の農家・粕谷(かすや)秀夫さん(65)。50㌃の畑で、トマト、キュウリ、ジャガイモなど多品種の野菜や花を栽培しています。自宅に続く畑は、東京西部のターミナル、立川駅から程近い住宅密集地の一角にあります。自宅前に設けた直売所で販売しています。
政策いいね
都市農業は、住民にとって、新鮮な食料・農産物を食卓に供給するもっとも身近な存在です。緑の保全でも重要な役割を担っています。
小池晃さんは、JA東京中央会や各地の農協、農業者との対話を広げ、農業破壊の日米FTA(自由貿易協定)、日豪EPA(経済連携協定)締結促進に反対するとともに、固定資産税・相続税など負担の軽減、地産地消の普及などに取り組んできました。7日には、記者会見で日本共産党の都市農業振興政策「住民の暮らしに欠かせない都市農業を発展させるために」を、紙智子農林・漁民局長とともに発表しました。
粕谷さんは話します。「共産党の都市農業振興政策を読ませてもらったけど、農地税制を抜本的に改めるというところが一番いいですね。生産緑地の指定を受けた畑の固定資産税などは10㌃当たり約2000円だけど、自宅や農作業に不可欠な庭・物置、屋敷林などは宅地並みに課税され、店舗や駐車場も含めて固定資産税の総額は年間500万円以上。すごい負担で、厳しいですね」
緑の空間を
粕谷さんは5年前の相続の時、収入を補ってきたアパートや貸家などを処分し、億単位の相続税を支払いました。「畑以外は宅地並みに評価され、相続税が課税されます。今度の相続では、畑を売らざるを得なくなってくる。だからこの周辺も畑が随分なくなってきちゃったんだよ。『農地の相続税を抜本的に引き下げます』の共産党の政策は、とても気持ちに合います」
粕谷さんは4月、日本共産党東京都委員会が主催し、立川市で開かれたシンポジウム「東京から食と農を考える」にパネリストとして参加しました。ここで小池さんと同席し、意見を交換しました。粕谷さんは「小池さんの発言からは、日本に都市に農業は必要だという強い姿勢が伝わりました。選挙の時だけでない一貫した政策で信頼できます。小池さんと実際にお会いして、偉ぶったところがなく、感じのいい方ですね。相談に親身になってくれそうですね」と語ります。
粕谷さんが直売所を始めて20年以上たちます。住民の目に見える畑で育った多品種の野菜、安全・安心な食べ物を消費者に提供していきたいとの思いです。粕谷さんは「生産したものが消費され、全部なくなってしまう。それが励みにもなります。屋敷林や広い庭を使って、畑の土づくりなどいろんな努力もしています。仲間と一緒に、消費者と交流する取り組みもしています」といいます。
住宅が密集する都市だからこそ、畑や緑の空間が必要との信念で農業を続けてきた粕谷さん。「これまでの政治では、農業を続けるのに負担がかかりすぎて、農家のやる気をなくさせてきた。ぜひ、『都市農業振興政策』が実現できるように頑張ってほしい」
(2010年05月26日・しんぶん赤旗)