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論戦ハイライト
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道路特定財源と道路中期計画についてただした日本共産党の小池晃議員の追及(二十八日)は、国民の世論と国会の論戦でボロボロになりながらも、道路建設に固執し続ける福田康夫首相の姿を浮き彫りにしました。
福田首相は、二十七日の会見で、二〇〇九年度からの道路特定財源廃止を明言しました。
小池氏 道路特定財源の全額を一般財源化するということか。
首相 そのつもりで発表した。
道路特定財源の全額を一般財源化することを国会で初めて認めました。
日本共産党は、道路特定財源が、際限なく道路建設を進める“自動装置”になっており、福祉にも教育にも道路にも使える一般財源化を求めてきました。世論調査でも、七割が一般財源化を求めています。
福田首相は「野党のご指摘を謙虚にお聞きし、総合的に判断した」とも答弁。世論を背景にした野党の主張の反映であることも認めました。
政府は、この道路特定財源を維持する根拠に、道路中期計画を挙げていました。十年間で総額五十九兆円もの税金を道路建設に注ぎ込むものです。その中心は高速道路建設で、一万四千キロの「高規格道路」だけでなく、六千九百五十キロの「地域高規格道路」が盛り込まれ、このほかに東京湾口道路など六本の巨大横断道路建設計画まで含まれています。
道路特定財源を一般財源化するのであれば、この計画は必要なくなります。なのに福田首相の提案は、十年間を、従来の計画期間だった五年間に戻すものにすぎません。
小池氏 “総額先にありき”の計画が、際限なく道路をつくり続ける仕組みをつくってきた。十年間の計画を五年にしても道路をつくり続ける仕組みは変わらない。一般財源化というのであれば、当然、計画は白紙撤回すべきではないか。
首相 五年計画は、道路整備の全体像を明らかにするという意味で必要だ。
あくまで道路中期計画に固執する福田首相に対し、小池氏は「結局、際限なく道路をつくる仕組みを残したいということだ」と批判しました。
次に小池氏が切り込んだのは、福田首相が一般財源化の必要性を認めながら、なぜ〇九年度からなのか、という問題でした。
小池氏 来年度からただちに一般財源化すればいいではないか。
首相 (ガソリン税の)暫定税率の根拠が失われることにもつながる。二・六兆円の財源が不足するわけで、国民の混乱がただちに生じる。
首相の答弁は、「国民の混乱」を口実に、十年間の道路特定財源と暫定税率を盛り込んだ歳入関連法案の年度内成立に、あくまでしがみつくものです。
小池氏は「一般財源化といいながら、十年間も特定財源を続ける法案を通してくださいというのは矛盾している。こんな無責任な提案はない」と批判しました。
「混乱する」という首相の弁明に対しても、「道路中期計画の枠組みにしがみつくから、財源がなくなる。やめれば、財源の問題は解決する」と強調。〇八年度からの一般財源化、暫定税率の廃止、道路中期計画の撤回という日本共産党の立場を改めて表明し、「(歳入関連)法案の撤回こそ、国民に対する責任ある態度だ」と力を込めました。
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