年金転記
派遣会社に丸投げ
小池議員に政府答弁書 8社で3千人
社会保険庁が、コンピューターに入力されていない古い台帳の年金記録を転記する業務を派遣会社に委託し、入力ミスまで引き起こしていた問題で、作業に携わっているのは八社で二千七百九十三人にのぼることが二十二日、日本共産党の小池晃参院議員の質問主意書に対する政府の答弁書で明らかになりました。
政府は、真相も再発防止策も示さないまま、引き続き「派遣会社への委託を行う」(答弁書)としており、重要な年金記録に対する政府のずさんな姿勢が問われます。
転記業務は、「宙に浮いた」年金記録を解決するうえで前提となる重要な作業。迅速で正確な作業が求められており、転記ミスなどが生じると、究明作業はおぼつかなくなってしまいます。
ところが、この業務を違法派遣で業務停止命令処分を受けたフルキャストが落札。外国人籍の派遣労働者が日本人の姓と名の区別などができず多くのミスを出し、作業をやり直すなど、さまざまな問題が起きています。
小池氏の質問に対して政府は、フルキャストの派遣労働者のうち外国人籍者は八十八人おり、日本語の読み書きができるなどの条件を入札のさい設定していなかったことを明らかにしました。しかし、「適性を有する者を派遣するよう指導を徹底する」としただけで具体的な再発防止策は示されていません。
法違反で是正指導中の企業への業務発注を見直すとの厚労相答弁(二〇〇七年四月)に反するとの指摘にも、「業務停止命令後なので問題ない」と弁明しています。
主意書で小池氏は、迅速で正確な実務こそ求められており、政府には万全の対策をとる責任があると強調しています。
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