いや、私が言ったのは、これは実際にそういうケースがあるということを、今まで何も言ってこなかったけれども、こういうケースがあるという事実を私は指摘をしているんです。
やっぱり、この紹介した二例以外にも、社会保険審査会の裁決集を見ると、行政側に責めがある場合はこれ時効適用せず差額を支払っているわけですから、これはもうさも時効が絶対的なものであるかのようにこの間説明をしてきたけれども、結局、私は、これは行政側がこの時効というのを機械的に適用して年金を支払ってこなかったという対応を合理化するだけの話にすぎないというふうに思います。
やはり、今回の消えた年金問題についていろんな角度から今日議論をさせていただいてまいりました。私、最後に言いたいのは、やっぱり今回の対策なるものは極めて問題だらけ。時効の撤廃はいいですよ、それは。しかし、そこまでたどり着けない人が一杯いる。しかも、時効自体は運用によってこれは、それこそ安倍総理が時効この問題については適用しませんというふうに言えば解決する問題のはずだし、問題はその時効以前の問題。そこにたどり着ける、その人の失われた記録を見付けてあげる、今のやり方では見付からないんです、これ、はっきり言って、三条件一致にしても。しかも、その説明の仕方も極めて、本人には情報を見せないというようなやり方でやろうとしている。
しかも、今日そこまで議論には行きませんでしたが、五千万件については一年間でやるというふうに言っている、これはできるかどうかという問題はありますが。しかし、元々のオンライン情報が間違っていたかどうかの突合について言えば、これは正に何十年掛かるか分からないというわけでしょう。しかも、なくなった記録もあるかもしれない。そういう中で、私は社会保険庁を解体するというのは余りに無責任だというふうに思うんです。
今、窓口は大混乱している。本当に長蛇の列ができて、みんな心配だから押し寄せているわけですね。しかし、そういうときに、いや、もう調査は全部終わるのは分かりませんと、五千万件のうち、まあ一致したものはある程度ありますが、それ以外の、記録そのものが間違っているのはそれは後回しですよ、いつ終わるか分かりません、しかし社会保険庁は三年たったらなくなりますと、業務は六分割です、年金部門だけでも四分割です、責任問おうにもなくなってしまうじゃないですか。そう言うと、いや、厚生労働大臣が監督責任持つからと言うけど、それは厚生労働省がやるということと、厚生労働省がねんきん事業機構という機構に対して監督責任を持つというのは責任の持ち方が全く違うんです。
私、そういう中で、正に今回のやり方というのは、この問題に対する国の責任まで分割・民営化する。もう消えた年金のように、国の責任まで消えてなくそうということになるじゃないか。私は、こういう問題が出てきて、この議論というのは私はスタートに戻さなきゃいけないと思うんです。やっぱり、今この問題出てきて、このまま分割・民営化してしまっていいのかと、一度立ち止まって、私はまず徹底的にこの消えた年金どうするのか、それこそ与野党が知恵を絞って、これを解決するために何が必要なのかと、まずはそこを集中的に議論すべきですよ。それをやらずに、解体、分割・民営化、どんどん進める。こんなことをやれば、国民の怒りは正に火に油注ぐことになると思う。
私は、この問題はそういう立場で臨む。大臣には、やっぱりここはいったん立ち止まって、分割・民営化の問題はこれはいったんストップさせて、まずはこの消えた年金問題解決しようじゃないかと。そうしなければ、本当に責任逃れというふうに言われても私は仕方ないと思いますよ。大臣、いかがですか。