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消えた年金 国民の被害20兆円
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小池氏は、『社会保険庁二十五年史』(一九八八年刊行)で、問題の発端となった基礎年金番号導入の十年前、すでに「同一人の記録が複数で管理されることとなり、本人の職歴と合理的につながらないことが往々にして生じる。これは、年金の支給に関し被保険者に不利益をもたらす」と総括していたことをあげて、「『消えた年金』が大量に発生することを予測できたはずだ」とただしました。社会保険庁の青柳親房運営部長は「番号導入の時点で未統合がかなり発生するという見通しはあった」と認めました。
「見通しが甘かった」という柳沢氏に対して小池氏は「甘いどころでない。保険料を納付したのに記録がなくなる。これは詐欺だ。すでに年金を受け取れないまま亡くなった人もいる。責任は重大だ」と批判しました。
小池氏は、五千万件の年金記録について、平均加入月数が最低の一カ月だとしても奪われた給付は三兆一千百三十七億円、六カ月では約二十兆円にものぼるとの試算を紹介。厚労省側はこれを否定できませんでした。
政府は、一年以内に調査が終わる根拠も示さず、「記憶を呼びおこしていただく」「いろいろ材料を集めてもらう」などとのべ、申請も証明もあくまで本人に負わせる考えを改めて示しました。
小池氏は「国民に何の落ち度もないのに、ひどいやり方だ」と批判。「問題だらけのまま分割・民営化すれば問題の解決ができなくなる。いったん立ち止まって『消えた年金』問題を徹底的に解決すべきだ」とのべました。
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