要するに、これ過去記録の整理は取りあえず後回しにして、その時点で加入している年金で番号を全部振ってしまおうということだったと思うんですね。私、こういうやり方が今日の事態を生んだ一つの背景にあると思うんです。
これは一ページ目には、なぜその基礎年金番号を導入するのかということが基礎年金番号の必要性ということでいろいろ書かれております。その当時の認識が分かるんですね。
どういう認識だったかというと、年金の事務処理が制度間でばらばらなため、国民年金一号、三号の適用漏れが生じたり、あるいは併給調整が不徹底だったり、年金相談や裁定時に時間を要したり、正確な被保険者記録の確認が困難な場合が生じていると、こういうふうに書いてあります。
その上で、こういうふうに言っているんですね。こうした問題は、制度が適正に運営されないということだけではなく、無年金者の発生や制度自身の公平性、安定性が図られないことにもつながり、公的年金に対する国民の信頼が揺らぎかねないと、だから基礎年金番号を導入するんだというふうに書いてあるわけです。
私、ここに書かれていることは正に今日の事態そのものを見るような思いがするわけですね。要するに、こういう事態を起こさないために基礎年金番号を導入するということが当時の認識であったにもかかわらず、結果として、過去の記録の整理は後回しにして、取りあえず番号を付けるということでスタートしてしまった。その過去の番号の整理はきちんとやられたかというと、非常に遅々として進まなかった。それがやっぱり今日の五千万件という宙に浮いた記録を生み出した背景にあったのではないかというふうに思います。
大臣、この資料を通じて、やはりこの今日の事態を生んだ原因というのは正にこの経過にあったというふうに思われませんか。