消えた年金
15年も対策放置
社保庁「基本計画」 小池氏が指摘
社会保険庁が、「消えた年金問題」の発端となった一九九七年の基礎年金番号導入前に、過去の年金記録との統合を後回しにすることを決めていたことが、二十八日の参院厚生労働委員会で明らかになりました。日本共産党の小池晃議員が、社保庁の「基礎年金番号設定のための基本計画」を示してただしたものです。
この計画は九三年に策定。複数の番号を持つ人がいて記録確認が困難など「公的年金に対する国民の信頼が揺らぎかねない」として、その解決のために基礎年金番号を導入するとのべています。
小池氏は、それなのに「過去の被保険者記録の整備とは連動しない」として後回しにし、「被保険者記録」を「3年〜5年ごとに通知することによって記録の齟齬(そご)を防止できる」としながら十五年も放置していたことを指摘。「こうした認識がありながら、まともな対策がとられなかったことが今日の事態を招いた」とのべました。
社保庁の青柳親房運営部長が「統合のスピードがダウンし、サービス開始が遅れた」などと言い訳したのに対して小池氏は、「対策をとっていればかなり防げたはずだ。やらなかった責任は重大だ」と批判しました。
柳沢伯夫厚労相は「統合をなぜしなかったのかかえすがえすも残念」と責任を認め、「統合の努力、進ちょく管理が不十分であったといわざるをえない」と答えました。
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