これからの対策で権利、取り戻す方もいらっしゃるかもしれませんが、既に亡くなられた方もいるわけで、私、本当に責任、これ重大だと思うんです。
問題は、この解決であります。基礎年金番号に統合できていない五千万件を超える記録について、総理は先ほど最後のお一方まで解決すると、これは本当、当然だと思うんです。しかし、同時に急いでやる必要がある。その点で、やるべきことをすべてやっているんだと先ほど答弁されましたが、果たしてそうか。
三つ私は問題点を、この五千万件の記録の解決に関して申し上げたい。
一つは、これは基礎年金番号というのは、いわゆる名寄せに当たって、今基本的な考え方としては、氏名、性別、生年月日の三条件一致、これを名寄せの条件にしようとしています。これだと、例えば結婚で名字が変わった場合、こういったことは最初から調査対象になってこない。しかも、この三条件での名寄せというのは、実は基礎年金番号導入のときに加入者については一通りやっていることなんです。その結果、五千万件が生まれているんだから、それでは意味がないじゃないか、もっともっと工夫をして広い調査対象にする必要があるんではないか、これが一点です。
それから二つ目に、一致した場合に今やろうとしていることは、同一人物のものと思われる記録があったという旨を伝える。要するに、あなたのものと思われるものがありましたよということだけ伝えて、その中身は言わない。私が委員会で質問したらば、記憶を呼び起こしていただくと言うんです。これはひどいじゃないですか。だってその人の持ち物なんだから、きちんと中身も示して、もちろん工夫の仕方はあると思います。しかし、やっぱり中身を示して、被害者に思い出す努力をさせるのではなくて、記録の中身を基本的に工夫して示していく、これが筋ではないだろうか、基本ではないだろうか。
三つ目。五千万件のほかにもコンピューターに入力のない千四百三十万件があるということが明らかになりました。この千四百三十万件の中には、もちろん基礎年金番号に統合できてない記録もある。すべてがそうではない、しかしその中にはそういう記録があると。だとすれば、これも一刻も争う問題なんです。
これをどうするか。今、名寄せのためのコンピューターソフトを作るのにかなり掛かる。報道では来年三月まで掛かるということも言われています。だとすれば、それまでの間やることないわけです。だったらば、そのコンピューターに入力できてないものを、その時期徹底して政府の総力を挙げてコンピューターに入力する、そしてでき上がったデータをコンピューターに掛けて名寄せをする、これが必要ではないか。不完全なデータのまま名寄せしても、それが終わったらまだ一千万件残っているということになるわけだから、これ合理性ない。
総理、私は、これ国民が本当に不安に思っていますから、建設的、前向きな立場で私は今日お話をしているつもりです。是非こういう方向でこの問題の解決を図る、このことについてどう思われるか、御答弁をいただきたい。