一万二千人、そのほかに特別基金からの事業がありますが、これ含めても全国で二万三千人、地域雇用対策としては非常に規模が小さいと言わざるを得ないですね。
自治体を本当に地域経済活性化させて、安定した雇用を増やして地域に定着する人を増やすというのは、これは更にそれが地域経済の活性化につながるということで非常に大事だと。地方自治体がこの間、企業誘致を盛んにやっているんですが、じゃ、実はそれで安定した雇用が生まれているかというと、そうなっていると言えない実情がございます。
例えば、コマーシャルでよく出ていますが、シャープの亀山工場、ここは三重県が九十億円の税金を投入して工場を誘致しました。三重県は、一万二千人の雇用効果がある、地域振興になるんだというふうに言って宣伝してきましたが、実際には従業員三千四百人のうち半分が請負中心の非正規労働者です。県内の正規雇用は四年間でわずか二百人規模だと。地元亀山市での正規採用は、これ市議会での答弁で、四年間で二十一人、工場全体の一%にも満たないんですね。余りにも地元雇用効果が低いんです。
それから、ほかの例では、千葉県茂原市の日立の関連工場、IPSアルファテクノロジ。この誘致では、県市が条例を作って、県が五十億、市が四十億円の補助金を出しました。しかし、正社員の新規採用はゼロ。従業員数千五百二十人のうち正規職員は六百六十名、しかし全員が誘致企業に隣接する親会社の日立ディスプレイズから、その工場から横滑りしただけだというんです。しかも、その日立ディスプレイズというのは、三千五百人から二千二百人に、千三百人の人減らしをしておりまして、異動した六百六十人のほかに六百四十人リストラしていると、こういう企業行動の中で新工場を造られた。
内閣府の「地域の経済二〇〇五」によりましても、補助金交付の雇用への波及については、製造業の新規求人が増加するというような傾向は見られるのかと問い掛けておりまして、補助金設立年以降を見ると、むしろ寄与度は小さくなる、補助金の効果が明確に現れているとは言い切れないというふうに指摘をしているんです。
大臣に見解をお伺いしたいんですが、地域の雇用だといって多額の誘致助成金を出して大企業を呼び込んでも、結果として労働者の地元への定着も経済効果も期待できない、あるいは場合によっては、かえってリストラに利用され、マイナスになっている、こういうケースもあるんです。大臣は、率直に、こういう企業誘致策というのは雇用政策から見て好ましいものだというふうにお考えになりますでしょうか。