企業誘致「正規雇用が望ましい」
小池氏に厚労相
日本共産党の小池晃参院議員は五月三十一日の参院厚生労働委員会で、地方自治体による企業誘致問題をとりあげ、安定した雇用創出につながっていないとただしました。柳沢伯夫厚労相は「正社員の雇用拡大が望ましい」と答えました。
三重県亀山市のシャープ工場では、「一万二千人の雇用効果がある」といって県が九十億円、市が四十五億円を投入して誘致しましたが、実際には三千四百人の従業員で、半分は請負中心の非正規労働者。県内の正規雇用は四年間でわずか約二百人、亀山市では二十一人にすぎません。
千葉県茂原市の日立系列IPSアルファテクノロジーの工場誘致では県が五十億円、市が四十億円の補助金を出すことを決めていますが、実態は親会社から正社員が異動したため、新規採用はゼロ。これにともない親会社では逆に正社員が削減されました。
小池氏は「地元雇用も経済効果も期待できず、マイナスとなっているケースもある。こういう誘致が好ましいといえるのか」と指摘。柳沢厚労相は「自治体の状況は理解はできるが、正社員の雇用拡大が望ましい」と強調しました。
小池氏は、京都府では青年の運動や日本共産党府議団の論戦によって京都府が、非正規雇用より正規雇用に多くの補助金を出すように企業誘致条例を改正したことを紹介。こうした取り組みを全国に普及すべきではないのかとただしました。
高橋満職業安定局長は「周知していくことは効果的であり、情報提供に努めていきたい」とのべました。
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