私は現場で透析医療にも携わっていて、やっぱり高齢者の透析というのは大変難しいんです、技術的にもね。コンプライアンスが非常に悪いし、合併症多いし、やっぱり若年者に対する透析より一層の配慮をしなければ、血圧のコントロールなんかしなくちゃいけないという非常に難しい技術が要る。私はむしろこれは高く評価すべき技術ではないかと思っているんですが、大丈夫だ大丈夫だとおっしゃるけれども、これ心配になってくる。
こういう発言もあるんですよ。自民党の丹羽雄哉衆議院議員ですが、昨年六月にこう言っている。タブーとされてきた終末期医療の在り方、一人の人間に保険料を集中的に活用するような、例えば人工透析といった問題について、年末には思い切った政策を打ち出したい。ちょっと前になりますが、九八年四月の行政改革国民会議で同じく丹羽氏がこう言っている。私の友人には医者がたくさんいる。皆さん糖尿病の患者を探してくれと言うんです。糖尿病は人工透析で今大体四十万円から五十万円掛かると言うんですね。ある人はベンツに乗って糖尿の人工透析を受けに行く。それで、その費用が四十万円から五十万円掛かっても自己負担たった一万円と、こういうことが果たして許されるのか。この辺のところを率直に申し上げないと、これからの時代を乗り切っていけないのではないかと。
私はベンツに乗っている医者は見たことありますが、ベンツに乗って透析に来るような患者さんなんて本当に私は見たことないし、本当に極端なとんでもない例を持ち出していると思うんですよ。
先ほど、若年者の透析患者は就労がある、学校がある、生活があるとおっしゃったけど、六十五歳以上の透析患者だって働いている人一杯いますよ。生活一杯みんな抱えているんですよ。そういう中で、様々な形で社会に貢献したいという思いを持っていらっしゃる方たくさんいらっしゃいます。私も実際にお話をお聞きしている。
私、透析医療というのは、これは社会復帰、社会参加の医療であって、決してみとりの医療、終末期医療ではないと思うんですが、その点はいかがですか。