高齢者差別の医療に
小池議員 「質を低める危険」
医療改悪法案
日本共産党の小池晃議員は八日の参院厚生労働委員会で、医療改悪法案に盛り込まれた「後期高齢者医療制度」(七十五歳以上対象)が、高齢者への医療給付費を抑制し、十分な医療が提供されない「差別医療」につながる危険性があると追及しました。
新制度では、七十五歳以上のすべての高齢者から保険料を徴収。現役世代の支払う保険料については、給与明細書に「現役向け」と「高齢者向け」の保険料がそれぞれ明示されます。その理由を小池氏に問われ、厚労省の水田邦雄保険局長は「世代間の連帯のため」と答弁。小池氏は「世代間対立をあおるものだ」と批判し、「高齢者医療の負担をわざわざ目に見えるようにするのは、介護保険の改悪でやったような給付の抑制が狙いではないか」と指摘しました。
しかも法案では、「後期高齢者の心身の特性等にふさわしい医療が提供できるよう、新たな診療報酬体系を構築する」としています。小池氏は「後期高齢者に対する差別医療を行わない、医療の質を低めることはしないと断言できるか」と追及。川崎二郎厚労相は「後期高齢者にふさわしい医療を提供していきたい」とのべるだけで、「差別医療」の可能性を否定しませんでした。小池氏は「重大問題だ。手抜き医療になる危険性がある」と厳しく批判しました。
新たな後期高齢者医療制度では、六十五歳以上の人工透析患者も対象に加わることになります。
小池氏は、自民党議員からも人工透析医療の切り捨て発言が出ていることをあげ、「新たな診療報酬体系」により、「透析医療の内容が大きくゆがめられるのではないか」とただしました。
川崎厚労相は「よく(関係者の)意見を聞きながら、定めていきたい」と答えました。
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