この保険診療と保険外診療の併用の問題についてでございますけれども、実はこの制度改正は二段階でやっておりますので、ちょっと説明複雑になるかもしれません。お許しいただきたいと思います。
まず、現行の特定療養費制度のうちで高度先進医療につきましては、これは保険導入前の技術でありましても、中医協の下の専門家による組織における科学的評価の結果を踏まえて保険診療との併用を認める制度でございますけれども、患者の視点から見ますと、このような制度の対象になるか否か、必ずしも医療技術が高度であるかどうかということとは関係なく、必ずしも高度でない先進的な医療技術につきましてもこのような形で保険診療との併用が認められますと、早期に少ない負担で治療を受けることができるのではないか、あるいは医療機関と医療技術の組合せで承認する仕組みが現在取られておりますけれども、これでは認められるまでに時間が掛かり過ぎるんじゃないかと、こういった指摘がございまして、必ずしも高度でない先進的な医療技術につきましても保険導入の前段階として保険診療との併用を認めるということと、高度で先進的な医療技術も含め、保険導入手続を迅速化、透明化したところでございます。これは昨年改正したことでございます。
これ具体的に申しますと、高度先進医療につきましては、技術ごとに実施可能な医療機関の要件を定めまして、それを満たすものを特定承認保険医療機関として承認する仕組みに、それから先進医療につきましては、技術ごとの実施可能な医療機関の要件を定めまして、それを満たすものは届出により実施可能な仕組みにそれぞれ改めたところでございまして、これが現行制度になっているわけでございます。
一方で、特定療養費制度のうち選定療養につきましては、この中身が差額ベッドなどからその他治験に及びます様々なものが混在していると、こういう指摘がなされたわけであります。
これらを踏まえた上で、今回の改革法案に移るわけでありますけれども、まず高度先進医療につきまして、手続の簡素化の観点から、医療機関と技術の組合せによる承認制を廃止いたしまして、将来的な保険導入のための評価を行うものであるかどうかという観点から、現行の高度先進医療と選定療養とを再構成しまして、高度な医療技術や治験中の医薬品など、将来的に保険導入のための評価を行うものを評価療養と位置付けまして、それからいわゆる差額ベッドなど、保険導入を前提としないものを選定療養とすることとしてございます。
今回の改正は、導入手続の透明化、迅速化を図るものでございまして、評価療養につきましては、定期的に評価を行いまして、有効性、安全性のほか、普及性、効率性、技術的成熟度等の観点から適当と認められたものにつきましてはこれを保険導入をすると、こういう仕組みにしたわけでございます。