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日本共産党参議院議員・医師 小池晃 アーカイブ[〜2008] 日本共産党参議院議員・医師 小池晃 アーカイブ[〜2008] 日本共産党参議院議員・医師 小池晃 アーカイブ[〜2008]

164通常国会 参議院厚生労働委員会「医療法『改正』案、健康保険法『改正』案の質疑」

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2006年6月1日(木)

小池晃君

 日本共産党の小池晃です。

 冒頭、ちょっと社会保険庁による不正免除の問題について取り上げたいんですが、長官、今日来ていただいています。

 最初に、国民年金保険料の不正免除の件数、全体と、それからどれだけの社会保険事務局、事務所で行われたのか、数をお示しください。

政府参考人(村瀬清司君)

 今般の事案につきましては、去る五月二十七日に厚生労働大臣出席の下、緊急に全国社会保険事務局長会議を開催いたしまして、そのときの調査結果でございます。

 二十六の社会保険事務局のうち百か所の社会保険事務所におきまして、約十一万件の法令等に定める手続に反する事例がございました。特に、個々人の申請の意思を確認しないまま承認手続を行った事例が十の社会保険事務局管内の四十三の社会保険事務所でございました。これは第一次調査ということで、五月二十九日に取りまとめの上公表させていただいた部分でございます。

小池晃君

 大臣にお聞きしたいんですが、全国三百十二の社会保険事務所のうち百か所ですから、全国規模なわけです。大臣はいろんな場で発言をされていて、本庁は関与していないんだ、所長レベルで法令違反を行ったんだと、現場が勝手にやったことだと、こういうことをおっしゃっているんですが、こんな大規模な、全国三分の一で起こっているということが自然発生だとでも言うんでしょうか。私はこれは、社会保険庁が組織的にこのような処理を促していなければこんなことは絶対起こらないはずだと思いますが、大臣、この点いかがですか。

国務大臣(川崎二郎君)

 これから一つ一つの県の内容を吟味することになりますけれども、かなり状況が違いますので、今段階において社会保険庁から何らかの示唆があったというふうには私は考えておりません。

 ただ、一方で、村瀬長官に内部的調査を各県、各事務所ごとにしっかりやるようにと言っていますと同時に、官房の方に別に、ここにおります岡田政務官、西川政務官、二人と、それから法律、会計等の専門家を入れて一つのチームつくります。委員会をつくって、そこで、これは社保庁との関係も調べます。そしてオープンにしていきます。

 そういう意味では、私のところに今現在社保庁との関係は届いておりませんけれども、そうした御質問も再三再四いただいておりますので、そういった問題も両政務官をトップにしながら、民間の方々のお力をおかりしてきちっとした調査をしたいと、このように考えております。

小池晃君

 こんな大規模なものが指示なしに、やり方は違うからといっても、起こるわけがないわけです。

 再び社会保険庁長官に聞きたいんですが、昨年六月六日に開かれた全国社会保険事務局長会議、これ、長官、出席していると思いますが、出席されていますね。

政府参考人(村瀬清司君)

 はい、出席しております。

小池晃君

 この会議では、国民年金保険料の収納対策が議題になっていますが、社会保険庁からはこの問題に関してどういう指示を出したんでしょうか。

政府参考人(村瀬清司君)

 全国の事務局長会議というのは、国民年金の収納だけではなくて、事業全般について話をしてございます。その中で、国民年金の収納の部分ということだけでお話し申し上げますと、国民からの信頼を回復するためには国民年金の収納に対してしっかりやらなきゃいかぬと、こういう話を私はしてるつもりでおります。

小池晃君

 これ、冒頭はマスコミも入っている会議なんですが、そういう方針も述べられたのかもしれませんが、長官は、これ、国民年金の対前年度改善幅、目標納付率達成の上位三県の事務局を御紹介して、皆さんの前で拍手をもってたたえたいというふうに述べる。さらに、健保、厚年についても上位三県紹介されて拍手が続くと、まるでセールスマンの集会のような始まり方なんですよ。この会議では、総務課長が社会保険庁改革について報告をし、その後、年金保険課長が国民年金の収納対策について報告していますが、間違いございませんか。

政府参考人(村瀬清司君)

 はい、間違いございません。

小池晃君

 私どものお聞きしているところでは、この年金保険課長の報告の中でこんな発言がある。幾つかの社会保険事務局を、足を引っ張っているんだということで名指しで批判をしている。これからも言わせていただく、油断しないでいただきたい。よもや、平成十七年度は赤字が出るような事務局はまさかないだろうと思っているので、この場ではっきり申し上げたいと、まるで恫喝のような話なんですね。

 こんなことも言っているんです。同じブロックの中で情報交換は当然できるわけですから、隣の事務局は何で上がったのか、そして隣の事務局の社会保険事務所をよく分析して、自分たちは何が足りなかったのかということだけきっちり聞かせてもらうので、いい加減な分析は許しませんよと。こういう情報交換がブロック会議の大きな議題なんだというふうにしゃべっている。

 情報交換、具体的にどう行われているかということでいうと、朝日新聞の報道によれば、岐阜で、大垣の社会保険事務所長の証言ですが、要するにいろいろと情報交換していたと。で、県の事務局に電話をして聞いたらば、こんな方法がある、他県ではこういう方法を検討しているということで無断で免除・猶予手続を進める方法が提示されたという報道もある。こういう情報交換やられている。そして、こう言っているんですね。最大のポイントは、市町村から所得情報をもらって、免除に該当する人はきっちり免除該当をしていく、これは分母対策だと。分母対策、つまり免除者を増やして年金保険料を納付する人を減らせと、収納率が高いところと情報交換しろと、こういう全国会議で本庁指示出しているんですよ。しかも、法令に従って、法令遵守してきちんと加入者の同意を取ってやりなさいなんて話は全くこの会議ではなかったというふうに聞いている。

 私、本庁関与してないと言うけれども、こんな会議をやれば、正に組織的にルール違反を進めているようなものだと。長官、これでも本庁は関与してないんだと、現場が勝手にやったんだとおっしゃるんですか。

政府参考人(村瀬清司君)

 今、先生いろんな形でお話しされましたけれども、国民年金の収納というのはどういう形の仕事をやるかということをまず御理解いただかなきゃいかぬだろうと思います。当然のことながら、年金制度を周知を徹底して保険料をお納めいただく、これは当然のことでございます。ただし、いかに収納対策を講じてもなかなか保険料をお納めいただけない方がたくさんお見えになると。そのためにどういう手当てを講ずるかという中で、十六年の年金法改正で所得情報というものが御協力をいただける市町村からはいただけるようになったと。その中でどうしても保険料をお納めできない所得の方々に対しては、年金権の確保ということで免除ということも御紹介し、免除申請をいただく、これは私は当然の仕事だろうと思っております。一方、お金をお持ちになっているにもかかわらずお納めいただけていない方については強制徴収ということで、先ほどもお話し申し上げましたけれども、年間十七万件の強制徴収を十七年度はやっております。

 したがって、収納対策全体をどうしていくかということは、当然、情報交換、地区ごとにやることを決して悪いことではないと思います。それに対して、たまたま免除のところで情報交換をした。じゃ、法令違反のところを情報交換してやるということがいいのか悪いのか。これ、だれが見たって悪いことでございまして、それを本部が関与してやっているというのはちょっと御指摘が違うんではなかろうかというふうに私は思っております。

小池晃君

 そんなことないです。既に東京の法令違反の例は知っていたはずなんですよ。にもかかわらず、会議では、法令をしっかり守ってやりなさいなんて話は全然出ていない。しかも、第一に分母対策だということを言っているわけです。それは、分母対策というときに、一番は免除だと。本当は分子でしょう。分子という言い方良くないけれども。年金に対する理解を広げて納付者を増やすというのがまず真っ先にやらなければいけない仕事なのに、その対象者を減らすということをまずやれというふうに言っているわけですよ。

 しかも、もっと、そんな丁寧な話していませんよ、この会議では。例えば、こんなこと言っている。市町村の所得情報があれば免除勧奨と強制徴収はできるんだ、分子は取れなくても、分母対策は少なくとも免除勧奨でやればいいんだ、ごみの対策は強制徴収でやればいいんだ。加入者をごみ扱いする発言まで出ているんですね。

 分母対策は重要だ、情報交換しろと、恫喝じみた指示がある。こういう指示で現場どうなったかというと、おととい、岐阜県の大垣社会保険事務所の課長が申立て及び退職についてというファクスを長官に送っていると思います。そこでは、目標納付率の達成が目標じゃなくて必達納付率というふうにさせられた、納付率達成という圧力があったというふうに述べて、最後に退職の意思を表明していると。職を賭して告発をしているわけであります。

 長官ね、長官は違法行為をやれとは指示していないと。これは当然ですよ。違法行為やれともし指示していたら、これは重大な問題になると私は思います。しかし、事実上、本庁の大号令によって、分母対策やるんだと、分母対策に有効なのは所得情報を使って免除勧奨だということであり、とにかくもう上位三か所は拍手をというような異常な雰囲気の中で、引っ張っているところはもう名指しで批判するという中で、そして今回のような日本じゅうでの不正な免除という事態が同時発生的に起こっていると。これは私、これに対して責任ないんだと、これは全部現場でやったことなんだという言い訳、これは絶対通用しないというふうに思いますが、長官、いかがですか。

政府参考人(村瀬清司君)

 是非お願いをしたいのは、全国局長会議の中身の中で、全体の時間軸でどういうことをやったかということがない中で、一部のところだけを御指摘いただいて、それもどこからどういう形でお聞きいただいたかも分かりませんけれども、細かく今お話をされましたけれども、私自身の感覚としては、局長会議でそんなことをやっているつもりはありません。そして、事業をやっている以上は、一生懸命仕事をやってきちっとした成果を上げてきたところを褒めること自体は決して悪いことではないというふうに思っております。

小池晃君

 いや、一生懸命やっちゃいけないなんて言っていないんですよ。最大の課題が分母対策であり、それが免除の拡大であるという、そういう号令掛けているというところを私は指摘しているんです。村瀬長官だって、昨年十一月十七日の近畿ブロック局長会議で、免除の拡大、去年と違い、年金情報を持っているのになぜやり切れないのかという発言をしている。免除の拡大を最大の手段として号令しているわけです。

 私、長官に申し上げたいんですが、もううそは駄目なんだと、真実はすべて暴露するんだ、新しい方向に向かうというふうにおっしゃっているので、そうだとすれば、長官になって以来の全国社会保険事務局長会議の議事録あると思うんですね、これをすべて国会に提出するよう求めたいと思いますが、長官、いかがですか。

政府参考人(村瀬清司君)

 理事会で協議いただきまして、必要であれば、私は別にやましいことをやっておりませんので、一切構わないと思います。

 それからあと、いろんな会議でいろんなことをお話をしたということで御紹介でございますけれども、それだけをやっているわけではございませんので、是非それだけは御理解いただきたいと。

 特に、私は、所得情報以降、いただいた中で、午前中もお話し申し上げましたけれども、十一月以降何でああいうメールを差し上げたかということに対しては、やはり一番大きいのは、十一月、十二月、我々の方から被保険者の皆様方に対して、十六年から十七年にかけての年金の加入状況というものをお送りさせていただきまして、今どうなっていますということで、しっかりお送りしているわけですね。それに対して、十七年中にお納めいただければ、先ほども申し上げましたように、十七年の還付申告、それから申告のときに控除が受けれるという部分、これがやはり我々として非常に大事な時期であると。それと同時に、先ほど委員指摘ありましたように、一部の市町村からは所得情報がちょうだいできるということで、今まで未納の方々に対して様々な効率的な対策が講じられると。

 したがって、強制徴収も、先ほど申し上げましたように十七年度、十七万件もやっておりますし、それから、長期でお納めいただけてない方で、やはり年金権の確保という観点から免除をお知らせする、決してこれは悪い話ではありませんし、これをやるのは我々行政の仕事だというふうに思っております。

小池晃君

 それが、この社会保険庁改革の最大の仕事であるかのようにやっていることに重大な問題があると私は申し上げているんです。

 現場ではどんな文書が流れているかというと、例えば、近畿地方のある社会保険事務局長が出した緊急メッセージ、ここにあるんですね。何て書いてあるかというと、現在、ねんきん事業機構関連法案が国会に提出され、審議待ちになっています。国民年金保険料収納率実績向上を果たさなければ法案の成立さえも危ぶまれる危機的状況であることを職員一人一人が銘記していただきたいと、そして、年度末最後の追い込みを臨戦態勢でやるんだということで、具体的にこんなことが言われているんですね。事務所課長以上は任意継続被保険者及び全喪、倒産ですね、倒産した事業所、被保険者であって長期未納となっている者に対して戸別訪問して免除勧奨、戸別訪問に当たっては夜討ち朝駆けを心掛ける。サラ金も見まごうばかりの取立て、免除勧奨の指示が出ているわけであります。

 私のところにメールも来ているんですが、こんな意見が来ています。今回の事件の発端は、村瀬長官の分母を減らせという職務命令なんだと。そもそも、村瀬長官はなぜ国民年金保険料納付率が低いのか本質が分かっていないのではないか。分母を減らすことよりも分子を増やすことに力を入れるべきなのだと。分母が、被保険者が減らない限り、不正をしない限り減らないんだと。損保ジャパンの犯罪体質をそのまま社会保険庁に持ち込んでいる。損保ジャパンは、本来顧客が負担すべき保険料を社員に違法に立て替えさせたり、架空契約、保険金の不払など長年違法な行為を続けてきた。これに荷担してきたんじゃないか、こういう指摘もメールとしては来ている。

 大臣、私お伺いしたいんですが、大臣は社会保険庁の中に問題のある人はたくさんいるんだというふうにおっしゃいましたが、私は、その中には、こういう違法な免除とか、なりふり構わぬ保険料の取立てということをあおるような大号令を掛けてきた社会保険庁本庁、その中には、その先頭に立ってきた村瀬長官もいるでしょう。所管大臣である川崎大臣もある。村瀬長官を任命した小泉首相も、その問題ある人の中に含まれるんじゃないか。この責任をどういうふうに一体お取りになるおつもりなんですか。

国務大臣(川崎二郎君)

 二年前に社会保険庁の不祥事、様々な御批判を国会、また国民から賜りました。この組織を手直しをする、若しくは民営化をする、独法化をしたらいい、民主党さんの案はもう国税庁と一緒にしろと、こういういろんな案がございました。いずれにせよ、この組織をそのまま存続させるのは駄目だというほとんどの意見を賜ったと思っております。

 そういった中で、国鉄なら民営化という手法を取ったわけでありますけれども、年金は二十歳の子から考えれば六十五歳まで四十五年後の年金権というものをしっかり保障していかなきゃならない。強制徴収の問題もある。したがって、国の機関としてやらなければならないという、国が年金については責任を負うということで今回のような法律をいたしたわけでありますけれども、一方で、やはり解体的な出直しをしなきゃならぬ、民間的な視点を持ってやらなきゃならぬと、こういう御批判の中で、正に今、途中経過の中の社会保険庁、この職員の意識を高めてしっかり仕事をしてもらう、そのために村瀬さんが先頭に立って努力をしてきたということについては与党全体として評価をしていただいておると、このように思っております。

 しかしながら、事実関係だけは明らかにしなければなりませんから、私は初めから社会保険庁問題なかったということは申し上げておりません。したがって、しっかり政務官にも調べてもらうと、民間の皆さん方にも入ってもらって調べてもらうと、こういう中で議論をさせていただいておるわけでございますので、事実はすべて明るみにさせていただきたいと、こう思っております。

 一方で、長官は今職務に専念してもらっているということでございます。

小池晃君

 いや、だからその職務に専念している長官の改革の方法が本当に国民の望んでいる方法、方向なのかということなんですよ。

 社会保険庁の問題が起こった、国民の年金不信が高まったときというのは、これは年金保険料の流用問題でしょう。あるいはグリーンピアなどの無駄遣いでしょう。これに対して国民怒ったわけですよ。しかも、あのとき、給付を下げ、保険料を毎年上げていくという法案のでたらめさに国民は怒ったわけですよ。だから改革をと言ったわけです。

 ところが、今改革という名でやられていることは、結局こういう問題には全くメスが入っていない。だって、保険料の流用問題はむしろ固定化、恒久化したじゃないですか。そして、一方で現場でやっていることは、ただ単に納付率を高めると、その話だけで、しかもそれは年金に対する不信を取り除き、理解を高め、納付する人を増やすということを中心に据えるのではなくて、第一は分母対策だといって無断で免除を広げると。分子対策は、加入者をごみ呼ばわりして強制徴収すると。これが何で国民が望んでいる改革の方法なのか、方向なのか。私は、村瀬長官、改革推進しているなんて思いません。私は今のやり方では駄目だと。今のような方向で社会保険庁の改革を進めるのであれば、私はますますこの問題というのは深刻化するということになるというふうに思うんですよ。

 私は、こういう事態を起こした責任というのは非常に重大だと思いますし、村瀬長官はこの責任取って辞任すべきだというふうに思いますが、長官、いかがですか。

政府参考人(村瀬清司君)

 お答えする立場にございません。(発言する者あり)

小池晃君

 よしじゃないでしょう。これは重大なんですよ、やっぱりね。小泉内閣全体の私、責任に発展していく問題だというふうに思います。

 同時に、今ここで審議されている医療制度改革法案というのはどういう性格かといえば、言わばその社会保険庁改革の中の健康保険の部分、これがこの法案に盛り込まれている。片や、年金の部分はねんきん事業機構法案という形で衆議院で議論されている。実際、衆議院では、この問題の解明がない限り、不正免除をめぐる事態の解明がない限り法案審議はできないと、与党がそう判断されたというふうに聞いている。ならば、こちらの法案というのは正に社会保険庁のもう一つの事業である健保についての改革の中身であるんですから、これは同様に、やはり今回の事態の徹底解明なくして私は議論できないという性格になってくるんだろうというふうに思うんです。

 そういう点では、これは改めて集中審議をやっていただかなければいけない。このことを理事会で協議をしていただきたいというふうに思います。

委員長(山下英利君)

 理事会で協議をいたします。

小池晃君

 じゃ、法案の中身に入りますが、療養病床の問題を今日は議論したいと思うんです。

 今回の法案で、医療、介護両方の療養病床の再編というのが盛り込まれていまして、非常に重大な問題が生まれてきていると。実際、法案では六年後ということになっているんですが、既に深刻な波紋を広げているのが四月の診療報酬の改定です。この七月から療養病床の入院基本料が医療区分二、三では引上げになりましたが、医療区分一、これ大体入院患者の半分を占めるわけですが、三割から四割引き下げられている。しかも、後で私問題にしますが、医療区分一とされる中にも医療を必要とする患者さんいらっしゃるにもかかわらずであります。

 その結果、実態どうなっているかというと、もう既に試算をやっている病院たくさんあるんですが、療養病床を抱える病院は大幅減収になっています。富山共立病院というところ、ここは六十床の病棟で二五・四%のマイナス。埼玉県のみさと協立病院、ここは百床の医療療養病床ありますが、二八%の減収。山陰地方の二百四十床の病院では三三・六%という大幅な減収です。大混乱が起こり始めている。

 これ、厚労省の医療課長の発言があるんです。愛知の医療団体との会合の中でこう言っているんですね、療養病床については、こんな低い点数にしたら追い出されるじゃないか、正にそういう点数にしたんですよと、そういう発言をされている。今全国で始まっている受皿がないままの療養病床の閉鎖とか、あるいは医療区分一の患者さんを追い出す、課長自らそう発言をしている。自ら意図したものだということだと思うんです。

 大臣にお聞きをしたいんですが、大臣はもう繰り返し追い出しはしないんだというふうに答弁を続けていらっしゃいますが、しかし既に診療報酬のこの先取り的な改悪によって、大臣答弁とは正反対に老人難民、医療難民のようなものが生まれ始めつつある。厚生省の医療課長自身が追い出すんだと、そういう診療報酬にしたんだという発言をしている。大臣の答弁に照らして実態全く違うじゃないですか。この責任どうお取りになるんですか。

国務大臣(川崎二郎君)

 何回か御答弁申し上げましたと思いますけど、もう一度申し上げます。

 今回の療養病床の再編に当たっては、療養病床の老人保健施設等への円滑な転換を促進する観点から次のような措置を講ずることといたしております。

 医療保険、介護保険双方において、医師、看護職員の配置を緩和した療養病床の類型を創設する、これ、平成二十三年度末まででございます。医療保険、介護保険双方の療養病床について転換支援の助成を実施する。また、療養病床再編成については、介護保険事業計画だけではなく、医療計画や医療費適正化計画にも関連するものであり、各分野横断的、統一的に対応することも必要であると考えております。

 このため、本法案が成立をしたと仮定いたしましたならば、都道府県の協力を得て地域ごとの施設ニーズや関係者の意向の把握を急ぐとともに、厚生労働省においては、地域におけるケア体制の整備の方針や療養病床転換に係る計画などを盛り込んだ地域ケア整備指針を策定し、来年夏をめどとした各都道府県による地域ケア整備構想の作成を支援し、施設の適切な対応を促すとともに、三つの計画が整合性を持って策定されるように考えております。

 いずれにせよ、療養病床の再編に当たっては、入院、入所されている方々の不安を招かないように適切な対応を図ってまいります。

小池晃君

 いや、だからその不安がもう既に起こっていると言っているんです。しかも、それは法案だけではなくて、この七月からの診療報酬改定で現実のものになりつつあるというふうに申し上げているわけです。

 これは診療報酬、緊急に改定すべきだというふうに思いますし、私は、この七月から実施されるこの改定に伴って緊急の実態調査をやはりやるのが最低限の責任ではないか、これによってやはりどういう事態が起こっているのか直ちに把握する責任があると思いますが、大臣、それはやっていただけませんか。

国務大臣(川崎二郎君)

 先ほどございました医療区分一の問題でございます。

 今回の診療報酬改定においては、平成十五年三月に閣議決定された基本方針に沿って医療療養病床については患者の医療の必要性に応じた評価を導入することとしております。

 具体的には、医療の必要性の高い患者に係る医療については評価を引き上げるとともに、医療の必要性の低い患者に係る医療については評価を引き下げたところでございます。こうした措置は、医療保険と介護保険の役割分担を図ることを目的としたもので、将来的には医療の必要性が低い医療区分一に該当する患者については老健施設等において受け入れていくべきと考えており、医療現場においては医療の必要性の高い患者を医療療養病床で受け入れ、逆に医療の必要性が低く看護の必要性が高い患者を老健施設等で受け入れるなど、患者の状態に応じた適切な対応を図っていくことが基本であると考えております。この医療区分一の患者について医療療養病床で対応する場合にあっても、医療の必要性が低い患者が多く入院する病棟については、平成二十四年三月までの経過措置として医師、看護職員の配置を薄くする場合でも診療報酬上の評価を下げずに算定できる介護保険移行準備病棟を認める予定であり、医療機関がコストを引き下げて入院医療を継続する選択肢も設けることといたしております。

 いずれにいたしましても、全体的な流れの中の検証は常に心掛けてまいります。

小池晃君

 今棒読みされましたけど、その中で医療の必要性が高い低いってあっさりおっしゃるけれども、それが私極めて重大だと思うんですよ。そんなに簡単に言える問題じゃないと思うんです。

 そのことをちょっと今日は徹底的に議論したいんですが、その医療の必要性がないんだ、少ないんだという根拠として、言わば今回の療養病床の大幅削減の根拠として二つ厚労省は示している。一つは、中医協の直接医療提供頻度の調査、もう一つは、医療経済研究機構の調査です。これが果たして妥当なのかということですね。

 最初に、中医協の調査について西島委員が先日取り上げていますが、この調査というのは、あのときも問題になりましたが、医師の指示の変更の頻度を聞いたもので、医療提供頻度を聞いたものではございません。医者というのは、スタッフからの情報とか、あるいは定期的な回診によってそういう情報を得て、その都度医学的判断を行っているわけで、指示の変更をしたかどうかにかかわらず、その都度その都度医学的判断を行い、それが正に医師による治療なわけです。医師の指示の変更がないことがイコール医師による直接の医療提供がないというのは、これは余りに無謀な議論じゃありませんか。局長、いかがですか。

政府参考人(水田邦雄君)

 御指摘の資料は、昨年九月に中医協の下に置かれました専門組織が行った慢性期入院実態調査における医師による直接医療提供頻度に係る集計結果であると承知してございます。この項目は、入院患者の特性といたしまして、医師による指示の見直しがどの程度の頻度で必要な状態か、あるいは二十四時間体制での管理が必要な状態かについて調査を行ったものでございます。

 医療の必要度、すなわちどの程度、どのような医療サービスが必要かということでございますけれども、これはやはり出発点といたしましては、正に委員御指摘のとおり、医学的な判断が基礎にあったと思われます。こうした判断が行われたことを客観的に測る言わば物差しとして医師による指示の変更ということを用いたわけでございまして、正に医師による直接の医療、物差しとしてこれを用いることが適当との判断の下に、中医協の下の専門組織において調査が行われたところでございます。

小池晃君

 それは物差しにならないと言っているんですよ。大体、物差しで測れない性格だからそういう無理なことになってくるわけですよ。

 しかも、医療経済研究機構の調査というのは、今日資料で、資料、済みません、配付していただきたいんですが、これは調査結果の表が変更されているんですね。

  〔資料配付〕

小池晃君

 これ、老健局長にお聞きをしますが、この医療経済研究機構の調査結果の表というのは、わざわざこれ質問項目の前後を入れ替えております。しかも、項目の中身も変わっているんです。元々、医療経済研究機構の質問項目というのは、「医学的管理をさほど必要とせず、容態急変の可能性も低い」と書いてあったんですが、それを「容態急変の可能性は低く福祉施設や住宅によって対応できる」というふうに、調査では書かれてもいない文言を付け加えているわけですね。

 老健局長、お聞きしたいんですが、何でこんなデータの書き換えやったんですか。これが根拠だといって示すのは余りにアンフェアじゃありませんか。

政府参考人(磯部文雄君)

 ただいま委員が御指摘いただきました説明資料は、医療経済研究機構がまとめました平成十五年度の療養病床における医療提供体制に関する調査報告書でございます。

 ここにおきまして、二ページ目にもございますけれども、主として医学的管理を要するか否かという観点から、御指摘のように表現ぶりを一部換えております。その意味で、患者の容体により確かに医学的管理をさほど必要とせず、容体急変の可能性も低いという状態がございますが、これは基本的には福祉施設や住宅によっても対応できるというものを考えておりまして、入院が不要であるといった趣旨をより分かりやすく表現したものとして考えております。

小池晃君

 そんな解釈で勝手に書き換えるなんというのはひどいですよ。そんな権利ないんじゃないですか。こういう都合のいいようにデータ書き換えて、これが根拠ですなんという、こういうでたらめなやり方はけしからぬですよ。

 しかも、保険局長、もう一回先ほどの話、戻したいんですが、尺度として用いたと言うけれども、じゃ局長は、医師が指示の変更をしない限り、そこには医師の治療行為がないという判断なんですか。

政府参考人(水田邦雄君)

 ないということではございませんで、あるということを客観的に見られる指標としてこの指示の変更ということを用いたということでございまして、例えば回診という言葉を、行為を取っても、その程度は様々でございます。したがいまして、物事を測る物差しとして使うのはその指示の変更ということを用いることにしたということでございます。

小池晃君

 だから、そういうことでいったら、指示変更したところしか尺度にしなければ、ほかのことは全部切り捨てられることになるんですよ、回診でどう判断したかも含めて。医者はその都度その都度医学的判断をして治療をやっているわけですよ。何か直接の侵襲的な行為をするのだけが治療ではなくて、医学的判断をし、どういうことが必要かということを、これを検討する、これだって立派な医学的行為である。こういうことが一切無視されて、指示を変更したというだけを尺度にして医療の必要度というのが判断されていく、これは私、これ客観的に全く医療の必要度を測る指標になってないということが今の答弁でもよく分かったというふうに思うんです。これを根拠にして今回の医療区分というのが持ち込まれてきているわけです。

 その医療区分の、医療の必要性に応じた根拠、これはどういう根拠でやっているわけですか。

政府参考人(水田邦雄君)

 医療区分の設定の仕方についてのお尋ねでございますけれども、これは先ほど申し上げました中医協の下の専門組織におきまして、約三千五百人の入院患者を対象にいたしまして医療従事者によるサービスの提供の状況についてタイムスタディー調査を行いまして、その結果につきまして職種別の人件費によって重み付けをした平均ケア時間、これと患者特性との相関について検証した上で設定をしたものでございます。

小池晃君

 タイムスタディーで医療の必要性というのは私は測れないと思います。しかもこれ、平均時間の一・一五倍以上の方を医療区分二、一・六倍以上の人を医療区分三としているわけですから、結局、医療必要性ということを基にして分類項目を立てて、たまたま結果としてその五〇%以上が医療区分一になったということじゃなくて、一・一五倍が基準になっているわけですから、最初から約五〇%を、まあ五〇%以上ですよね、これが医療区分一になるように設定しているということになるじゃありませんか。

 これは正に、こういうやり方を見ると、結局その半分以上の患者を医療の必要性がないんだというふうに認定をして、それは社会的入院であると断定して、要するに療養病床を半減するという方針が先にありきでこういう仕組みが設定されているというふうにしか思えないんですが、いかがですか。

政府参考人(水田邦雄君)

 まず、結論から申し上げますと、初めにその五〇%ということを置いて逆算をしてセットしたものではございません。

 順次御説明いたしますと、まず、この医療区分につきましては、職種別の人件費によって重み付けをした平均ケア時間と患者特性の相関について検証した上で設定したと、これは先ほど申し上げたとおりでございます。で、ある項目に該当する患者の平均ケア時間が全体平均のただいま委員言われた一・一五倍以上である場合に当該項目が医療区分の二の項目になり得るものとして検討したところでございます。

 なぜそれでは一・一五倍かということでございますけれども、これは最終的な患者分類が先ほど申し上げました平均ケア時間の分布の状況をどの程度よく反映できるかについて、統計的な妥当性を示す値が高くなるように、中医協の下の専門組織におきまして統計的な観点も踏まえた技術的な検討を行った結果として設定されたものと承知をしてございます。

 この医療区分の判断の指標となります疾患、状態、処置の項目、これは様々挙げて、多くのものを挙げているわけでございますけれども、たとえある一つの項目において平均ケア時間から見て医療区分二あるいは三に該当しない患者であっても他の項目におきましては医療区分二、三となると、こういうことも想定されるものでございまして、したがって、最終的に医療区分の判断の指標となる項目を確定した結果として医療区分二、三の患者がどの程度の割合を占めるかにつきましては、何ら前提を置かずに中医協の下の専門組織において検討が行われたものと、このように承知をしております。

小池晃君

 しかし、基本は平均の一・一五倍で切るというふうに決めれば、それは半分以上切るのが最初から前提になっているという議論になるわけですよ。

 私は、今の議論、先ほどの指示を出した、変更したことが尺度だという議論にしても、時間で測るという議論にしても、本当に無理があると思うんです。なぜ無理があるかといえば、医療の必要性というのは、これは何か単一の数字による基準で決められるものじゃないんだと、もう正に個別ケースなんだと、それは、医療が必要かどうかということを医師が判断すべき問題だと。だからこそ無理があるんですよ、そんな機械的な尺度でやろうとすれば、今のように説明してももう訳の分からないことになってくる。

 しかも、この尺度について、出てくる直前に重大な変更があるんですね。実は、医療区分の一の中にも医療の必要性高い患者さんたくさんいると私どもは思っているんですが、昨年十一月の患者分類ではなかった八項目の算定上限日数というのが四月になって急遽患者分類に付け加えられました。今日資料でお配りしている三枚目に出ていますが、いろんな状態像があります。例えば尿路感染症だとか、脱水だとか、体内出血だとか、頻回の嘔吐だとか。それに、この四月十三日に発表したもので、算定日数の制限というのが付けられたんです。何でこんな日数制限を付け加えたんですか。

政府参考人(水田邦雄君)

 その前に、ちょっと委員の御発言の中で、機械的にタイムスタディー調査の結果を当てはめたという御発言があったわけでありますけれども、それにつきましては、実はその三千五百人の患者分類試案につきましては、これは一遍現場に戻しまして、どの区分に該当するかという結果を示した上で、個々のその現場の意見を聞いて、例えば項目の追加ということ、ただいまの話にありました脱水ということも追加になったわけでありまして、タイムスタディー調査の結果だけでなくて、臨床現場の意見も加えた妥当なものであると考えてございます。

 その日数上限、幾つかの疾患、状態につきまして、該当すると判定できる日数の上限を設ける案を示したところでございますけれども、これは脱水等の主に急性期の症状が一般的には設定した日、日数以内で回復することを踏まえて、連続して該当すると判定できる日数の上限、脱水でいえば七日ということを設定したものでございます。

 この上限につきましては、学問的立場、それから現場の立場の専門家の意見も踏まえた上で設定してございますので、適切な医療が提供されている下では、余裕も見て、こういった当該疾患のみが設定した日数以上継続するということは想定し難いと考えてございます。

小池晃君

 いや、現場の意見聞いた、現場の実態踏まえたって、現場からこれでは駄目だっていう大合唱起こっているじゃないですか。じゃ、何で意見聞いたんだったらこんな反対の、現場の実態から見て問題だっていう声がこれだけ上がるのか。

 臨床現場の実態に即して設定したっていうけれども、今の説明聞いても明確な根拠ないんですね。例えば、尿路感染症で七日間にした、脱水で七日間にした、ほぼその七日間以内に回復する。そんな、一般論としてそんなこと言えるんですか。いろんなケースあるはずですよ。

 ちょっと確認ですが、この日数上限を付加したことによって、医療区分ごとの数は変化するんですか、しないんですか。

政府参考人(水田邦雄君)

 これによっては変化はしないということでございます。

小池晃君

 そんなことないはずですよ。そんなことだったら、何でそもそもこれ入れたのかという話になってくる。結局このやり方というのは、私は医療区分をできるだけ低く低く抑えるための手段として入れられたとしか思えない。

 実際、鹿児島県の全日本病院協会の有志の先生方が、この算定日数上限が加わったことによってどう変化するかというのを緊急調査やっているんです。これによりますと、これは十四施設五百八十六床ですが、算定日数制限なしの医療区分の時点では、医療区分一が四四・二%、医療区分二が五〇・一七%だった。逆に、八項目のこの算定上限を入れると、医療区分一が五七・三四%、医療区分二が三七・二%と、完全に逆転している。これ、結局何としても五〇%を超える患者を医療区分一に入れたいがために算定日数上限を付けたというふうに私これは思えるんですね。

 しかも、これ実態としてどうなるかというと、もし医療区分二に属している人で、例えば熱が出ている、嘔吐をしている経管栄養の人、あるいは医療区分三に属する二十四時間持続点滴をしている人、こういう人たちが、三日から七日間の算定日数の翌日から、病態がどうなっていようが医療区分一になっていくわけです。熱が出ただって、七日過ぎたらもう関係ない。嘔吐していても、七日過ぎたら、三日過ぎたらもう関係ない。三日過ぎて嘔吐していても、それは一切重症度には反映されない。こんなことがあり得るのか。

 こういうやり方でいけば、この算定日数の上限に達したらば、どんな重篤で医師が医療は必要なんだというふうに判断しても、医療区分一になってしまって、追い出しの対象となってしまう。在宅や介護施設に移ることが求められる。こんなことになるんじゃないですか。こんなやり方が許されていいんでしょうか。

政府参考人(水田邦雄君)

 この算定日数につきましては、先ほど申し上げましたとおり、学問的立場及び現場の立場の専門家の意見も踏まえて設定したものでございまして、基本的には当該疾患等のみが設定した日数以上に継続することは想定し難いと、このように考えております。

小池晃君

 今のは全く説明になっていない。

 学問的と言うけれども、尿路感染症は七日以内に治ります、脱水症は七日以内に治ります、そういう学問的所見というのはあるんですか。

政府参考人(水田邦雄君)

 これにつきましては、専門家、専門組織においてそういう判断が下されたものでございます。

小池晃君

 そんなこと言ったら専門家が怒りますよ。こんなでたらめな議論。

 私、大臣に言いたいんですが、これ根本問題だと思うんですね、今回の医療区分の問題というのは。医療が必要かどうかというのは、個々の患者さんの実態、個々の病態に応じて、これは医師が判断すべきものなんですよ。それを今回のやり方では、こういう機械的な訳の分からない区分を持ち込んで、しかも医療区分一となったらもう出ていけという仕組みになっているんですよ。

 医療区分一と言われる中に、例えばどういう人がいるか。経管栄養、鼻からなり胃瘻からなりチューブが入っている、全く体を動かすことができない、そういう方ですね。重度の意識障害がある、嚥下性肺炎を繰り返す、慢性心不全などの合併症を持っている、脳梗塞後のけいれん発作を週一回起こす。

 例えば、こういう患者さんであっても、この基準に当てはまらなければ医療区分一だと、医療の必要性なしだと、当面、七月から診療報酬がばっと減らされる、そして六年後にはもういられなくなる、こういう仕組みをつくる。

 大臣、やっぱり医療の必要性があるかどうかというのはこれはあくまで医師が判断すべきものであって、それとは別の基準を持ち込んで半分以上の患者を切り捨てるということは、これ絶対許されないんじゃないですか。原則論として、やっぱり一つ一つの症例に応じて医師が判断すべきものではないかと思うんですが、大臣、いかがですか。

国務大臣(川崎二郎君)

 同じような答弁になりますけれども、医療の必要性の判定に当たっては、患者の疾患、状態及び受けている処置の内容と医療区分との関係をできる限り客観的に設定したところでございます。この基準については、その設定過程において、臨床現場で使用する際の妥当性についても十分検討を行ったものだと考えております。

 なお、具体的な運用に当たっては、患者の診断やそれに基づく治療は、当然、医師によって行われるものであり、また基準への該当状況についても医師が最終的に判断するものであるほか、医療療養病床においては、この基準によって包括的に評価される基礎的な入院費用や薬剤料等に加え、医師の判断によって手術や高度な処置等を行った場合には出来高で算定できることとされております。

 医療の必要性にかかわる医師の判断も適切に反映される診療報酬体系となっておると考えております。

小池晃君

 この介護療養病床廃止、医療療養病床廃止、この大幅削減、この方針について、私は現場の実態からいっても許されない、撤回すべきであると申し上げて、質問を終わります。

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