じゃ、法案の中身に入りますが、療養病床の問題を今日は議論したいと思うんです。
今回の法案で、医療、介護両方の療養病床の再編というのが盛り込まれていまして、非常に重大な問題が生まれてきていると。実際、法案では六年後ということになっているんですが、既に深刻な波紋を広げているのが四月の診療報酬の改定です。この七月から療養病床の入院基本料が医療区分二、三では引上げになりましたが、医療区分一、これ大体入院患者の半分を占めるわけですが、三割から四割引き下げられている。しかも、後で私問題にしますが、医療区分一とされる中にも医療を必要とする患者さんいらっしゃるにもかかわらずであります。
その結果、実態どうなっているかというと、もう既に試算をやっている病院たくさんあるんですが、療養病床を抱える病院は大幅減収になっています。富山共立病院というところ、ここは六十床の病棟で二五・四%のマイナス。埼玉県のみさと協立病院、ここは百床の医療療養病床ありますが、二八%の減収。山陰地方の二百四十床の病院では三三・六%という大幅な減収です。大混乱が起こり始めている。
これ、厚労省の医療課長の発言があるんです。愛知の医療団体との会合の中でこう言っているんですね、療養病床については、こんな低い点数にしたら追い出されるじゃないか、正にそういう点数にしたんですよと、そういう発言をされている。今全国で始まっている受皿がないままの療養病床の閉鎖とか、あるいは医療区分一の患者さんを追い出す、課長自らそう発言をしている。自ら意図したものだということだと思うんです。
大臣にお聞きをしたいんですが、大臣はもう繰り返し追い出しはしないんだというふうに答弁を続けていらっしゃいますが、しかし既に診療報酬のこの先取り的な改悪によって、大臣答弁とは正反対に老人難民、医療難民のようなものが生まれ始めつつある。厚生省の医療課長自身が追い出すんだと、そういう診療報酬にしたんだという発言をしている。大臣の答弁に照らして実態全く違うじゃないですか。この責任どうお取りになるんですか。