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164通常国会 参議院厚生労働委員会

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2006年3月16日(木)

小池晃君

 日本共産党の小池晃です。

 来年度は介護保険が始まって七年目に入るわけです。三期目の見直しの時期で、現在、地方自治体の三月議会で保険料を決める条例が議論されております。

 厚生労働省は昨年末に調査をされていると思うんですが、六十五歳以上を対象とする一号保険料の基準額、四月からどのようになる見込みでしょうか。

政府参考人(磯部文雄君)

 各市町村の条例案につきましては、現在、各市町村の議会において審議中のもの、あるいはまだ議会に提出されていないというものも含まれておりまして、現在のところ全国の保険者の保険料額については調査中でございます。

小池晃君

 政令指定都市。

政府参考人(磯部文雄君)

 政令市につきましては、現在、議会に条例案を提出しております十二市について見ますと、第三期の保険料は平均で月四千三百四十一円程度になると調査しております。

小池晃君

 政令市の平均、前期は三千五百円ですから、九百円ぐらい、を超える値上げになるのかなと思うんですが、高齢者世帯の負担能力というのは、年金はむしろマイナス改定が行われているわけで、限界に来ているわけです。更に千円近い負担増というのは、これは非常に深刻な影響を与えることになると思いますし、全国の市町村も悩み抱えていると思うんですね。

 この値上げというのは給付費の増が主な要因ではありますが、昨年の法改正で介護予防事業を公費で行ってきたものを地域支援事業ということで介護保険に吸収するなど、国が財政的な責任を後退させてきた姿勢も背景にはあるというふうに言わなければいけないと思います。

 大臣にお聞きしたいんですが、四月から介護保険料、千円近く上がってくる見込みになっておりますが、これが高齢者世帯に与える影響をどのように考えておられますか。

国務大臣(川崎二郎君)

 介護保険の五年間の施行状況を見ますと、サービス利用の大きな伸びに伴い費用は急速に増大しており、高齢者の方々にも御負担をいただいております保険料の急激な上昇を抑え持続可能な制度としていくためには、給付の効率化、重点化を図ることが必要と考えております。

 このため、今回の見直しにおいては、軽度の方を対象としたサービスをより介護予防に効果的なものに見直すなど予防重視システムへの転換を図ること、在宅と施設との利用者負担の不均衡の是正等の観点から、介護保険施設入所者の居住費、食費の負担の見直しを行うことなどにより給付の効率化、重点化を図ることとしております。また、個々の被保険者に賦課される保険料については、これまで負担能力に応じた設定がなされてきましたが、今回の見直しにおいて、負担能力のある方には税制改正にかかわる激変緩和措置を講じながら負担をお願いする一方、所得の低い方にはこれまでより一層配慮した保険料の設定方法に見直しをすることといたしております。

 現在、各市町村において改定作業が進められており、第三期の介護保険料についてはこうした見直しの趣旨や地域住民のニーズを踏まえ、改定が行われていくものと承知しております。

 今後とも、各市町村、各都道府県と連絡をしながら適切な運営に努力をしたいと考えております。

小池晃君

 大臣もこの引上げの影響についてお話しされませんでしたが、これが本当に大きな負担になることは間違いないというふうに思うんですね。全国市長会、町村会が要望しているように、国庫負担を現在二五%から三〇%に引き上げる、これをやれば一号保険料の値上げを抑えることができるわけでありますし、このことを強く求めたいと思います。私どもは、将来的には国庫負担、計画的に五〇%に引き上げるべきだという主張もしております。

 さて、今回の値上げの要因、先ほど言ったように給付費の増であるわけですが、自治体によっては財政安定化基金からの借入れを一号保険料で償還しなければいけないということが要因にもなっております。三年前に一回目の保険料の見直しを行ったときにはこの償還の繰延べやったんですね。今回も大幅な値上げになっているわけですから、せめてそのぐらいやるべきじゃないかと思うんですが、老健局長、いかがですか。

政府参考人(磯部文雄君)

 財政安定化基金からの貸付金につきましては、本来、当該事業運営期間において保険料で徴収すべきであった費用でございまして、原則としては次期、次の事業運営期間の三年間で償還する仕組みとなっております。

 しかしながら、第一期につきましては、それまで介護保険制度が当然なかったわけで、その実績がないということでサービス量の推計を行わざるを得なかったという特別な事情がございまして、そのために翌事業運営期間から起算して最大九年までの延長措置を認める特例措置を講じたところでございます。

 しかしながら、第二期におきましては、各保険者が第一期の実績も踏まえてサービス量を見込むことが可能でありましたし、また結果的にも給付額、給付見込額と実績額の乖離、すなわち給付に占める貸付額の割合も、第二期は第一期よりも小さくなっているというようなことでございまして、第一期と同様の特例措置を講ずることは考えておりません。

小池晃君

 そうはいうものの、実績ベースで見積もったらこれは一期目に比べて二期目は大幅に貸付額増えているわけですから、私はこういうふうにその保険料が三年ごとに大きく跳ね上がるということになりますと、制度に対する信頼性も失われることになるというふうにも思いますし、やっぱり負担減のためにこの程度は検討すべきだということを申し上げたいというふうに思うんです。

 それから、介護予防の問題です。

 介護予防事業や新予防給付のケアマネジメントを行う地域包括支援センター、これは四月に向けて準備がされております。去年の法改正の議論の際に、私の質問に対して、後ろにおられる当時の中村老健局長が、人口二、三万人に一か所だと。人口十万人だと大体四、五か所だと。全国で五、六千か所だというふうに言ってこられたんですね。

 これ四月からどのくらい設置される見込みなんでしょうか。

政府参考人(磯部文雄君)

 四月から設置されます予定の地域包括支援センターの箇所数については、具体的には現在把握しておりませんが、約九割の市町村が十八年度に地域包括支援センターを設置し、新予防給付をスタートする予定であると承知しております。

小池晃君

 問題は自治体数じゃなくて、実態の中身なんですね。

 いろいろ調べてみると、去年の説明と全然違う事態になっているんですね。例えば千葉県の柏市、人口三十八万人、一か所です。それから松戸市、四十七万人で一か所なんですね。それから四十七万人の市川市で三か所。同じく五十七万人の船橋市で三か所。人口九十三万人の千葉市で五か所。こういう実態なんですよ。

 厚生労働省、これ生活圏域に設定するっていうふうにおっしゃった。きめの細かい対応をするって言っていた。人口二、三万人に一か所って言っていた。これ実態全然違うじゃないですか。どうなっているんですか。

政府参考人(磯部文雄君)

 どのような地域を単位として地域包括支援センターを設置するかは、最終的には各保険者であります市町村の御判断でございまして、厚生労働省からは確かにおおむね人口二、三万人に一か所ということでお示ししておりますけれども、委員御指摘のとおり、多くの人口を抱える地域に一センターを置くという予定のところもあるようでございます。

 ただ、こうした場合でありましても、当面その一つの地域包括支援センターに専門職種をそれぞれ複数配置いたしまして徐々に地区割りをしていこうというふうに考えておられる市町村、あるいは一つの地域包括支援センターの下に総合相談の受付窓口となります、いわゆるブランチと呼んでおるようでございますが、ブランチを複数設けるという形でいこうとしている市町村などもございまして、圏域が大きいからといって直ちに包括支援センターとしての業務に支障が生ずるものとは考えておりません。

小池晃君

 それは去年と説明が違うと思うんですね。やっぱりきめ細かくやるんだと。そのために二、三万人に一か所と言ってたんだ。

 例えば、東京の文京区の説明なんかは、警察署の管内に一つあるから安心ですってね、全然とんでもない話になっているわけですよ。それから、例えば山形県の鶴岡市というのは、これ面積で東京都の七割ぐらいある大きなところですが、ここでも一か所なんですね。これで果たしてきめの細かい介護予防なんかできるのかと。

 これ当初の説明と全然違う事態になっていますし、あわせて、再委託可能だということを去年は大分説明されていました。私が質問して、地域包括支援センターにケアプラン集中するんじゃないかと言ったら、再委託が可能だという答弁を中村、当時の局長されたんですが、四月からの介護報酬の改定でこれは再委託する場合、ケアマネの一人当たり八人までという制限を付けたんですね。しかも、予防プランの場合は委託料が四百単位、四千円、非常に低い単位になっております。既にこれはもう再委託は引き受けないという事業者が出てきている。

 〔委員長退席、理事岸宏一君着席〕

 結局、地域包括支援センターも当初言っていたような数ができない。そこにケアプラン作成が集中する。再委託もできない。正に、この経過措置があって半年間はこの八人という制限はないわけですが、経過措置が終了したらばケアマネ難民が発生するんじゃないかというような報道すらされている。こういう実態でいいんですか、局長答えてください。

政府参考人(磯部文雄君)

 委員御指摘のとおり、地域包括支援センターにつきましては、要支援者に対するケアマネジメント機関として法律上位置付けられておりまして、その業務の一部を居宅介護支援事業所に委託できるということとされております。

 ただ、この居宅介護支援事業所の行います要介護のケアマネジメント、これをやはり十分に行うべきだという御意見も強くございまして、そうした観点から、地域包括支援センターからその居宅介護支援事業所への受託につきましては件数の制限を設けることとしたところでございます。

 受託件数の上限の設定に当たりましては、社会保障審議会介護給付費分科会の御議論等も踏まえまして、今御指摘のとおり既存の事業所につきましては六か月間は適用しない旨の経過措置を設けるほか、新予防給付のケアマネジメント自体、業務の見直しによりまして業務量の軽減あるいは合理化を図る、それから地域包括支援センターへの人員配置につきましても、こうした業務に携わる人材をより確保しやすくするための一定の配慮措置を講ずるといったことを通じまして、できるだけ円滑な事務の実施に向けて配慮していきたいと考えております。

 〔理事岸宏一君退席、委員長着席〕

小池晃君

 そうはいっても、介護報酬示された途端に自治体からは要望書がたくさん出ているわけですよ。

 紹介すると、東京都は、当初予定されていない基準の突然の提示に都内の市区町村は対応に苦慮していますとしています。神奈川県の市町村の担当課長の連名の要望書では、今般の介護予防支援などにかかわる報酬基準は介護予防の軽視と言わざるを得ないというふうに言っています。それから、兵庫県の意見書は、保険給付対象者の約半数近くに上る予防支援対象者が十分な介護予防支援を受けられなくなる可能性があり、制度の信頼性に関する懸念も生じかねないと言っています。それから、京都府の意見書では、予防プランをセンターですべて処理することは困難だと、できたとしてもプランの質は担保できないと。こういう声が自治体からどんどん寄せられていると、これが実態なんですね。

 大臣、これやっぱり地方自治体がこういう懸念を持っているわけですよ。私は、ケアマネ難民などは決して生じてはならないと思うんです。介護予防というのであれば、しっかりそういう人たちのニーズにこたえる体制をつくらなければいけないし、私はこの報酬、見直す必要があると思っています。それから八人という制限も撤廃する必要があると思っています。せめてこの半年間の経過措置を機械的に打ち切るのではなくて、やっぱり状況を見ながら丁寧に対応していく、やはりその介護予防重視という本来の姿をやろうというのであれば、そういう配慮が必要なんじゃないかと思いますが、大臣、いかがですか。

政府参考人(磯部文雄君)

 今、介護報酬の御指摘がございました。

 介護報酬の在り方につきましては、先ほども申し上げましたが、新予防給付におきましては訪問介護などの主なサービスが月単位の定額報酬となるということから、給付管理業務の事務量が軽減されるといったことがございます。そうしたその他の業務量の軽減、合理化を図っているところでございまして、こうした事情を勘案しておりますし、また最も手間の掛かる初回につきましては二千五百円の加算を設けるなどしておりまして、六千五百円の単価といったことで、介護報酬、介護予防支援の報酬水準については妥当なものと考えております。

 そうしたこともございまして、これらの介護給付、予防給付に関しますケアマネジメントを適切に実施するということで、先ほど申し上げましたような経過措置等を取り組んでおりまして、こうしたことによって是非円滑に実施したいと考えておるところでございます。

小池晃君

 理屈言ったって現場はそんなふうに円滑に進んでないんですよ。だから言っているんですよ。

 大臣ね、やっぱり介護予防というのは絵にかいたもちにこのままではなってしまう。予防サービスそのものの提供基盤だって十分整備されてないんですよね。そういう中で、私は、もう丁寧な対応、これ必要になってくる、決してケアマネ難民なんて生まれないように、これは丁寧に対応していく必要があるんじゃないかと思いますが、大臣、いかがですか。

国務大臣(川崎二郎君)

 四月からの実施に向けて、都道府県、各市町村が様々な形で御努力をいただいております。一方で、いろんな御意見も出ておりますので、しっかり実施状況を把握しながら、私自身も注視をしていきたいと、こう考えております。

小池晃君

 これは本当に、まあ介護予防、予防重視といううたい文句に見合うような中身にする責任があると思いますので、よろしくお願いしたいと思います。

 続いて、社会保険庁の問題をちょっと取り上げたいんですが、資料配付をお願いします。

 〔資料配付〕

小池晃君

 我が党は、年金保険料の流用の問題などは厳しく批判をしてまいりました。個人情報を外に流すということも、これは許されない行為であるということは当たり前のことだと思います。

 今日は、社会保険庁の非常勤職員、とりわけ謝金職員と言われている人たちの問題を取り上げたいんです。

 私は、先日、神奈川の社会保険事務局を訪問しました。非常に多忙を極めていて、電話相談とか年金の窓口相談、殺到している。現場の方は、団塊の世代の人が大量に出てくると、殺到したらば本当に対応できないというふうにおっしゃっていました。

 で、実感したのは、現場で窓口業務に携わっておられる中心が、非常勤の人たちが中心になっている。専門知識を持った謝金職員という人たちが非常に大きな役割を果たしているということなんです。例えば、横浜中社会保険事務室の年金相談コーナー、ここで働いておられたのは、正規職員が一人と謝金職員が四人。それから、横浜の年金相談センターでは正規が一人、謝金が五人、賃金職員が二人。まあ正規よりも謝金職員の方が多いわけです。非常に込み入った相談が多いので、知識も経験も必要だと。

 しかし、待遇が、これは勤務時間は正規職員と同様に八時半から十七時までの勤務、賃金は五年以上の方で一日七千七百円なんです。二十日勤務で十五万四千円なんです。定期昇給なし、期末手当なし、夏季休暇なし、こういう実態です。

 大臣、こういった社会保険庁における謝金職員の果たされてきた役割、これをどうお考えか、あわせて、現在の労働条件や待遇についてどういうふうにお考えか、お聞かせいただきたいと思います。

国務大臣(川崎二郎君)

 今お話ございましたように、社会保険庁、二年前の年金改正の議論から始まって、業務の効率化、合理化についていろんな御批判もいただき、またその中で懸命な努力をいたしておるところでございます。

 年々増加する年金受給者からの相談業務やレセプト点検業務等について、専門的な知識や能力を有する者を謝金職員として委嘱し対応してきたところであり、社会保険庁の事業の効率的な実施に今日まで寄与していただいたと考えております。

 この謝金の単価につきましては、この表にありますとおり、私ども基本的には一万二千五百円、七千七百円、七千百円と考えておりますけれども、業務の特性や内容に応じて定めておるものであり、適正であると考えております。

小池晃君

 一万円を超える人はほとんどいないんです。主力は大体七千円台なんですよ。

 適正だと言いますが、この表を見ていただくと分かるんですが、非常に不思議なことに、交付日数が五月と十一月だけ十七日となっているんですね。何でこうなっているのかなと思っていろいろと調べてみたらば、実はこの規定で、要するに十八日以上一月働くのが六か月以上継続すると退職金が出るという仕組みがあって、だから五月と十一月は十七日勤務にして退職金払わなくてもいい仕組みにしているということなんですね。こういうひどいやり方が、もう労働者をまあ守るというか、労働行政つかさどる厚生労働省がこういうことやっていいんだろうかというふうに思うんですが。

 しかも、私聞きたいのは、このいわゆるのぞき見、業務外閲覧の問題で、自らは見てないというふうに言っている人も含めて、カードの管理が、個人カードの管理が不十分だという理由で処分しているんですね。のぞき見をしていないのにカード管理が悪いと言われて、いかなる処分を受けても異存ありませんという自認書をこうサインしろというふうに求められている。これで閲覧を否定している人に対してまで処分をしている。実際、この謝金職員の中でこれで戒告以上の処分を受けた人、百八十四人もいるんです。

 社会保険庁にお聞きしますが、見てもないと、自分は情報をのぞき見してないと言った人まで処分するというのは、これは行き過ぎじゃないですか。

政府参考人(小林和弘君)

 まずもって、業務目的外閲覧ということで、昨年年末に大量の処分者を出してしまいましたことについて、深くおわびを申し上げたいと思っております。

 社会保険庁におきましては、被保険者あるいは年金受給者、多くの方々の個人情報を大量に保有をさしていただいております。そういう意味では、個人情報の管理につきましては、業務を行う上で最も注意すべき事項であるというふうに考えております。

 社会保険事務所において、こういう年金の個人情報を執り行う場面につきましては、窓口装置で業務を行うための必要な業務カードの払出しを行うということをやっております。この業務カードの払出しを受けた方が自ら責任を持ってその業務カードの管理を行うと、これが原則でございます。

 今御指摘の、昨年年末に公表さしていただきました処分、これは平成十六年の一月から十二月の一年間、この一年間の期間内で業務目的……

小池晃君

 答弁簡潔にしてください。

政府参考人(小林和弘君)

 はい。業務目的外閲覧について処分を、調査をした上での処分ということであったわけですけれども、まず、閲覧行為を否定した方につきましても、業務カード払出し簿というのがありまして、そこに払出しを受けた方が明記をされており、かつ通信記録で当該カードを使って記録が閲覧されているということがはっきりしている方については、少なくともその払い出された業務カードの管理責任が十分果たされていないということがやっぱり言えるわけであります。結果として個人情報の安全性を脅かすような事態が生じてしまったということから処分を行ったところでございます。

小池晃君

 ただ、実態聞くと、その謝金職員にカードをきちっと管理するように研修したのは一昨年の九月からで、それまではもうカード差しっ放しにしててだれでも見れるようになっていたと、そういうふうに現場でも指導されてたというんですよ。一々差していって立ち上げてたら大変だから、だから、それでたまたま自分のカードが刺さっているときにこう業務、閲覧の記録があったら処分と、これはひどいじゃないかという話になっているんですね。

 で、確認、一言でお答えいただきたいんですが、これは平成十七年十二月二十七日の処分で、業務外閲覧問題というのは処分は終わっているんですね。終わってない、終わったのか終わってないか、それだけ答えてください。

政府参考人(小林和弘君)

 平成十六年の一月から十二月にかけての業務目的外閲覧行為に関しましてはできるだけの調査を行いまして、その現時点で更なる処分ということが行われるというようなことは考えておりません。

小池晃君

 処分は終わったということなんです。

 ところが、それにもかかわらず、謝金職員で戒告以上の処分受けた人はこの三月末で契約更新しない、つまり雇い止めということになろうとしているんですよ。先ほど言ったように、謝金職員で戒告以上の処分を受けた人百八十四人なんです。実際に現場では本当に掛け替えのない役割を担っている人なんです。ところが、処分されたのに、処分終了しているにもかかわらず、それに加えて雇い止めと、これは余りにも行き過ぎじゃないですか。

 大臣ね、労働者の権利守る厚生労働省がこんな無法なことをしていいんですか。

国務大臣(川崎二郎君)

 個人情報の保護、正に国が一番責任を負わなきゃならない分野におきまして残念ながら処分に至るような事案が発生をいたしました。そして、誠に大量の処分に至ったということについて厚生労働省としても深く反省をしなければならないと、このように考えております。

 このため、職員の処分に加え、職員の意識啓発や管理、監視の徹底等の再発防止策並びに昇任昇格の停止、管理職ポストからの異動等の人事政策上の対応も行うとしたところでございます。この一環として、非常勤職員で戒告以上の処分を受けた者については、採用に関する年度更新を行わない方針であり、謝金職員等の非常勤職員については、年度末までの一年間を限度に委嘱する期間を相手方に明示して委嘱しているところであり、当該期間満了後に継続して業務に従事することが不適切な者については更新を行わないとする取扱いは基本的に問題はないと、そのように考えております。

小池晃君

 いや、問題ありますよ、これは。もう質問しませんが、これ、やはり一事不再理という原則もあるわけですし、これは有期労働契約の雇い止めの問題では反復更新、正にこの謝金職員の皆さん、もう反復して連続して更新されてきた、こういう人は雇い止め認めちゃいけないわけですよね。これ、正にこういうやり方で、実際にその現場では非常に大きな役割を果たしてきたし、そして実際には見ていないと言っている人もいる。しかしながら、そういう人までカード管理が悪いという理由で処分をした。処分の上に更に雇い止めをするということは、私は、これは絶対許されない、企業を指導すべき厚生労働省として余りにも行き過ぎである、これについては再考を求めたいというふうに思います。

 以上で質問を終わります。

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