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日本共産党参議院議員・医師 小池晃 アーカイブ[〜2008] 日本共産党参議院議員・医師 小池晃 アーカイブ[〜2008] 日本共産党参議院議員・医師 小池晃 アーカイブ[〜2008]

159 通常国会 厚生労働委員会質問

2004年5月27日(木)

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小池晃君

 日本共産党の小池晃です。

 五割保障という話をこの間、何度かしてまいりました。現役世代の五割の給付を保障するというのは、これは新規裁定時のみで、給付が始まれば下がっていくと。先ほど議論ありましたように、下がっていっても、最終的には八割ルールがあって、そこから先は下げないと、それは先ほど答弁で、今回もそれをやるんだということはございました。

 しかし、これは前回の改定のときに委員会質疑で問題になって、当時の丹羽厚生大臣が答弁をされて、それが根拠となって今回まで来ていると。だったらば、今回はそれから五年あったわけですから、私はこの重要な八割ルールについては当然法案に盛り込むべき非常に重要な中身だったというふうに思うんですね。

 大臣、お聞きしますが、なぜこの重要なものを今回、法律に盛り込まなかったんですか、これお答えいただきたいと思います。

国務大臣(坂口力君)

 先ほども御答弁を申し上げたとおりでございますが、この五〇%台を堅持をしていく、しかしそれはスタート時点でございますので、現役の皆さん方の賃金との格差というのはできていく。それにつきましては、八割ルールというのを作ってそれを守っていくということを、これはもう、今もお話しございましたが、平成十一年のときにお約束を申し上げて今日を迎えている。

 今回におきましても、これはお約束を守っていくということでございますが、法律には記入してございませんけれども、ここはしっかりと守っていきたいというふうに思っているところでございます。

小池晃君

 いや、ですから、私が聞いているのは、それほど大事なものをなぜ法律にしなかったのかと。なぜ法律にしなかったんですか、そこを聞いているんです。

国務大臣(坂口力君)

 大事なことではございますが、しかし、ここはそういうふうに守っていくという今までのルールを私たちも今回のこの改正で継承するということを言っているわけでありまして、中身、その改正案の中には含まれませんでしたけれども、ここはしっかりと守っていきたいというふうに思っております。

小池晃君

 いや、これ根拠に再計算しているわけですから、それが法律に盛り込まれていないというのは、私はこの法律の一つの欠陥であるということを指摘しておきたいと思います。

 その上で、その八割ルールあるわけですから、年金支給開始後、受給開始後、最も下がっても現役世代の収入の四〇・二%になると、先ほど大臣、答弁ございましたので、これはあえてもう一度確認しません。そうすると、これから先、給付が下がっていくと五割切って更に四〇・二%までは下がり得る仕組みになっているというわけですから、その最低になった段階で、例えば厚生年金モデル世帯で、手取り賃金に対して四〇・二%というところまで下がった場合、この受け取る年金の額はどうなのかと。これを将来のその時点の賃金額が今の賃金額と同じとして計算すると、二十三万三千円のモデル年金額は一体幾らというふうに計算できるのか、政府参考人にお答えいただきたいと思います。

政府参考人(吉武民樹君)

 既裁定者の方の年金につきましては、マクロ経済スライドによる調整を除きますと、基本的には物価スライドでございますので、購買力を維持することを基本とした設計となっております。

 これは、十一年改正でそういう考え方を取るということでございますので、したがいまして、現在価値に換算する際に、基本的には物価上昇率を用いて割り戻すのが適当ではないかと私どもは考えております。それで、現時点でどのような購買力があるかと。

 と申しますのは、先日の委員会でも申し上げましたけれども、裁定後、賃金によってスライドをいたしておりますのはドイツの年金だけでございます、主要国で。それで、アメリカ、それから日本、それからイギリス、それからフランス、いずれの国も裁定後は物価スライドという形でやっております。

 そういう点で、十一年改正で、日本の年金についても裁定後は物価スライドという基本的な考えになっておりますので、そこの評価は、本来は物価上昇率で割り引いた購買力でやるべきだというのが私の考えでございますが、先生のおっしゃる前提といいますか、で御説明申し上げますと、八割ルールが適用されまして平成十六年度に六十五歳となられる方、一九三九年生まれの方については、標準的な前提の下に八割ルールが適用されるであろうと想定される時点が二〇三一年、九十二歳、その方が九十二歳のときでございますが、その時点の名目の年金額は、モデル年金で二十六万五千円でございます。これを、要するに賃金上昇率で現時点まで割り引きますと、十六万という形でございます。

小池晃君

 その二十三万三千円が十六万円まで、賃金との比較でいけばそれだけ値打ちが下がるということですね。

 それから、国民年金の四十年加入の満額支給だと今六万六千円なわけですが、これを同じような考え方で示していただくとどういう価値に、値打ちになっていくのか。

政府参考人(吉武民樹君)

 ですから、その前提なり考え方については私どもはちょっと違った考え方をいたしておりますし、欧米諸国の大部分の国は、これはもちろん各国とも、財政の状況あるいは高齢化の状況を踏まえて、年金の裁定後は基本的には物価で考えていくというのが大宗でございますので、それを賃金で評価するということが果たしていかがかという問題はございますが、先生がおっしゃるような計算を機械的に実施をいたしますと、同じケースでございますが、二〇三一年、九十二歳になられた方につきましては、基礎年金の満額、いわゆるフルペンションでございますが、名目額は七万五千円でございます。これを、今申し上げましたとおり、機械的に賃金上昇率で割り引きますと、四万五千円でございます。

小池晃君

 さらに、国民年金の平均受給というのは、これは四十年間一月も欠かさず保険料を払った場合で六万六千円でありまして、実態は平均四万六千円なわけですが、この国民年金平均受給四万六千円の人が八割ルール適用となる場合に受け取る年金の現在価格というのは幾らになるんでしょうか。

政府参考人(吉武民樹君)

 その前提についての考え方はもう再度申し上げませんが、機械的に賃金上昇率で割り引きますと、二〇三一年で、現在四万六千円の年金が名目額では五・二万円でございまして、これを機械的に賃金上昇率で現時点で割り引きますと三万二千円という形になります。

小池晃君

 賃金代替率というとなかなかイメージわかないんですけれども、やはりこういう形で値打ちで示すと、本当に三一・三%のカットということになるわけで、これは憲法二十五条の生存権が本当に脅かされるような水準になっていくということだと私は思います。

 さらに、世帯類型別に、この間、現役世代の手取り賃金に対する比率が示されてまいりましたけれども、これも新規裁定時までの比率が示されてまいりました。

 そこでお伺いしたいのは、受給開始十年後、二十年後で、それぞれの世帯類型別に手取り賃金に対する比率というのはどう変化していくのか、お示し願いたいと思います。

政府参考人(吉武民樹君)

 これは往々にして誤解がございますけれども、世帯類型別で、例えば共働きの方の場合に所得代替率がもちろん下がります。下がりますけれども、共働きの方の所得は高いわけでございますので、年金額は高くなります。ですから、私どもは全体の設定のときにはモデル年金で水準を設定いたしておりますけれども、所得代替率と年金の実際の額の問題というのは、両方をよく見ていただく必要があるだろうというふうに思います。

 例えば、共働きの方で申し上げますと、二〇二五年に六十五歳の方、三九・三%でございます。これだけをごらんいただきますと低そうに見えますけれども、お二人で受け取られる年金額は高いわけでございまして、それをお一人ずつに割るとモデル世帯より高い状態になってまいります。そこを私ども資料でもお出しいたしておりますので、それを前提に置いてということでございますが、四十年間共働きの方の場合に、二〇二五年が三九・三%でございます。それから、その先の十年後、二十年後につきましては、先ほど来申し上げましたとおり、年金の裁定後の状態を物価で考えるのか後輩の賃金の伸びを年金にすべて反映するので考えるかという、そういう基本的な考え方がございますが、仮に後輩の賃金の伸びどおり伸びていくというようなことを考えましたときには、十年後は三五・三%、二十年後は三一・七%ということでございます。

 それから、通常女性を考えておりますが、子育てのときに一時離職された場合、これは二〇二五年が四二・〇%でございます。これは、高くなりますのは、お二人の合わせた給与が低いからです、低いから高くなります。これが、十年後に三七・七%、二十年後に三三・八%でございます。

 それから、子育て後離職の場合、これは二〇二五年、四七・五%。これは、更に高くなりますのは、子育て後離職をしておられますので奥様の給与が低いという形でございまして、したがいまして所得代替率は上がってまいります。四七・五が十年後には四二・七、二十年後は三八・三%でございます。

 それから、男子単身の場合は、二〇二五年で三六・〇%。この方の場合には、お独りでございますので、基礎年金がお一人分という形でございます。したがいまして給与に対する所得代替率は低くなるという、これは年金の給付設計からきた、その結果でございます。それが十年後には三二・三%、二十年後には二九・〇%。

 それから、女子の単身の場合には、二〇二五年で四四・七%でございまして、これは男性の単身より高い状態にございますのは、女性の平均給与が低いからでございます、平均給与が低いほど代替率が高まるという状態でございます。それが、十年後には四〇・一%、二十年後は三六・〇%ということでございますが、何度も申し上げておりますが、十一年度の年金制度改正で、年金が支給された後は基本的には物価スライド、ですから物価の購買力で考えていこうという、その考え方とは今申し上げた数字は合っておりません。

小池晃君

 いや、厚生労働省の考え方に合っているかどうかじゃなくて、国民の暮らしから見てどうかということなんですよ。

 五割保障だと言いながら、結局もらい始めると四割。しかも、最初から、スタート時点から、共働き世帯やあるいは単身者はもうとうに五割を切って三割台だったのが、実際これ受給をしていくと、ついに三割を切るわけですね。男子単身者は二九%です。それから、四十年間共働きの場合は三一・七%、もう三〇%切りそうになっているわけですね。これが今回の改悪の実態なんだと。

 それから、この問題議論してまいりますと、総理の答弁にもありましたが、高齢者の中でも、その中でも、わけて高齢になっていくと消費水準が下がっていくという答弁がこの間されております。

 しかし、そのデータ、基になるデータを見てみますと、これ九九年の全国消費実態調査なんですが、六十代後半の基礎的消費支出を一〇〇とすると、これだんだんだんだん調査を重ねるにつれ、その格差は縮まってきてまいります。九九年の数字では、六十代後半が一〇〇とすると七十代前半は一〇一、七十五歳以上は九三。これ、九四年調査では、七十代前半は九八、七十五歳以上は八八。八九年調査では、七十代前半は九五、七十五歳以上は八四ですから、五年ごと、さかのぼるにつれ、だんだん格差開いている。

 厚生労働省としても、もちろん、高齢者の中でも前期高齢者と後期高齢者の間の消費水準というのは格差が縮まってきていると、そういう認識はもちろんお持ちだと思うんですが、いかがですか。

政府参考人(吉武民樹君)

 平成元年、平成六年、平成十一年という形で、大分違いはございます。元年で申し上げますと、六十五から六十九歳は一〇〇、七十五から七十九歳は八四でございます。それから、平成六年は、六十五から六十九歳が一〇〇、七十五から七十九歳は八八でございまして、平成十一年は一〇〇対九三でございます。

 ただ、逆に最近のちょっと状況をごらんをいただきますと、この非常に経済が厳しい中で、例えば現役の方と高齢者の方を比較をしていただきますと、現役の方の消費支出の減り方が非常に大きいわけでございます。高齢者の方の消費支出は現役の方に比べて少ない状態でございます。これは、多分いろいろな要素があって、例えば現役の方の場合で申し上げますと、例えば雇用の問題でありますとか全体の家計の所得の問題でありますとか、そういうことがある可能性がございますし、高齢者の方の場合には年金自身が三年間特例スライドで下げなかったということも影響が出ているというふうに思います。そういう点を総合的に分析をしませんと、この平成十一年だけのデータで今後はこうなるという予測はなかなかできないのではないかと思います。

 私どもは、この全体の、元年調査、六年調査、十一年調査を見ますと、傾向としてはやはりだんだん年齢が上に行かれると基礎的消費支出は減少する傾向にあるということは間違いないところだと思います。

小池晃君

 いや、ちゃんと答えてほしいんですけれども。

 高齢者の中でも格差が縮まってきているでしょうと。それは当然、今数字がそうなんですから。しかも、九九年が最新のデータでありまして、その翌年から介護保険制度が始まっているわけです。社会保険料は消費支出には含まれない、それから基礎的消費支出には保険医療費含まれない。しかし、医療費は、この間、高齢者はどんどん上がってきているわけです。そういうことを考えると、私は、やはり高齢者の中でも前期高齢者と後期高齢者の所得格差というのは、これは実際はもっと小さくなっていることは間違いないというふうに思います。

 こういう中で、高齢になればなるほどこういう年金の水準がどんどん下がっていくという仕組みは、正に私は高齢者の生存権の破壊であるというふうに思うわけです。

 そこで、大臣に私お伺いしたいのは、これ五月二十日の審議でこの問題をさんざん議論した最後に、大臣は、要するに、受給開始の時点では五割保障するけれども、そこから先は下がる仕組みになっているということについて、私は衆議院ではそういう説明は大臣はしてないのではないかと再三再四指摘をいたしました。大臣の方は説明したというふうに答弁をされている。五月二十日の審議で最後に私もよく一遍調べてみますと大臣はおっしゃった。そのことについてお答えいただきたいんですが、もちろん、大臣おっしゃっていたように、ちょっと大臣、よく聞いてくださいね、野党の議員からそういう指摘があって、そういう議論があったというのは私も議事録を見てそれは確認をしておりますが、大臣の方から五割保障というのは新規裁定時だけで、その後五割を切るということになっているということを国会で説明したことは私は一度もないというふうに思いますが、大臣、いかがですか。

国務大臣(坂口力君)

 先日も申しましたとおり、ここは古川議員の御質問に対したものでございます。

 そのときに、古川議員がパネルを示しておっしゃっている。お互いにパネルを見ながら言っているわけでございますので、私の方からそのときに申し上げましたのをちょっと読みますと、それも幾つかの前提を置いての計算だというふうに思いますが、今朝からも御議論がありましたように、名目額は決して減らない、これからもこのままいきますということを申し上げているわけでありまして、そしてその中で、これからの物価の状況、あるいは経済の状況によってそこは違ってくるというふうに思っております云々、そこからずっとこう続いているわけです。

 おっしゃるように、五〇%という言葉は口にはいたしておりませんけれども、古川議員のお示しになったそのデータを拝見をしながらそこで私もお答えを申し上げている、こういうことでございます。

小池晃君

 だから、今大臣が読まれたところには一切その説明がないじゃないですか。要するに、古川議員はこれ減るかもしれないよという指摘をしたのに対して、大臣がおっしゃっているのは名目額は減らしませんと、これをおっしゃっているだけなんですよ。

 だから、五割を切るんだということは大臣の口からはこれは説明していないと。どう読んだって、今大臣が読まれたところをどう解釈しても、これは五割を切る可能性があるんだと、そういう仕組みになっておりますという説明に私はなっていないと思いますよ。大臣が説明したことは一点です。そうはいっても名目額は下がりませんと、それだけじゃないですか。

国務大臣(坂口力君)

 ですから、私がそこで申し上げておりますことは、年金を受け取り始める際に、それまでの賃金上昇を反映をして年金額が算定される、その後は物価スライドにより購買力を維持するという趣旨のことを私は申し上げているわけでありますから、御指摘の趣旨の問題について私は議論をしているというふうに思っております。

 ですから、年金の給付水準を示す所得代替率につきまして、六十五歳となって年金を受け取り始める時点における割合を示したことを申し上げているわけでございます。

小池晃君

 いや、受け取り始めるときに五割保障するというのは説明しても、その後五割を割り込むということについては説明してないと、これは事実ですから、これははっきりお認めいただきたい。その後五割を切るということは大臣は国会では説明されていませんね。

国務大臣(坂口力君)

 ですから、そこは名目額は減らないということを私は申し上げておるわけで、そこは、名目額を減らないというのは古川議員の御質問に対して私はそこをお答えをしているということでございます。

小池晃君

 大臣ね、ちょっとまともに答えていただきたいんですが、名目額減らないというのは五割切るということの説明とは全然違うじゃないですか。大臣が言っていることは全く違うことを言っているんですよ。五割を切るではないかと言われて、それに対して名目額は減りませんと反論しただけであって、五割を切るということについて説明してないことは事実で明らかだと、はっきり認めていただきたい。

国務大臣(坂口力君)

 そこになぜこだわられるのかよく分かりませんけれども、五〇%を切りますねと、四〇・二%でございましたか、二〇二五年にはこう下がっていきますねというパネルをお示しになって、それに対して私はそのパネルを見ながら申し上げているわけで、しかし受取額は減りませんということを申し上げているわけで、私も見せてもらったのをそれ拝見しながら言っているわけでありますから、そこは御理解をいただきたいと。

小池晃君

 何でこんな問題にこだわるのか分からないと言う神経が私には分からない。だって、今度の年金の改定の一番の看板が五割を切りませんと。これから削るけれども、現役世代の手取り収入の五割を保障しますと、それから保険料を上げるけれども固定しますと、これがただ二つの看板だったわけですから、それが違うじゃないかと言われたことについて説明してないというのはこれは重大な問題なんですよ。

 大臣がもし、あの議論の中で、いや確かにそこ下がってまいりますけれども、名目額は下がりませんと言ったなら、それは説明したと言えるのかもしれない。しかし、下がるということについて大臣は一言も言ってないんですから、これはどう見たってこれを説明したということにならないんですよ。

 こういう大事な、今回の年金改定の言わば二つの看板文句の一つについてきちっと説明してなかった、これは全く説明してなかったというのは、これは本当にけしからぬことで、私はこの一点だけでも撤回、廃案に値する中身だというふうに思っております。このことは改めて指摘をしておきたいというふうに思います。

 それから、副大臣の未納問題について引き続きお伺いしたいんですが、谷畑副大臣の問題です。

 谷畑副大臣は、御自身の未納の問題について、先ほどの答弁では五月七日に安倍幹事長から言われて、調査を始めて、五月十日に社会保険庁の報告で認識をして、五月十三日に記者会見で発表したと、この事実経過、間違いありませんか。

副大臣(谷畑孝君)

 はい、そのとおりです。

小池晃君

 ところが、五月二十五日の質疑で森副大臣は何とおっしゃったかというと、大臣から調査せよと指示を受けたのは四月十四日以前のことだと、森副大臣はそう答えたんですよ。坂口大臣は森副大臣には四月十四日以前に調査しなさいと言っていたのであれば、当然私は同じ副大臣である谷畑大臣にも同時期に調べるように大臣から指示があってしかるべきだと。しかるに、五月の連休明けまで何もしなかったと。何でこんな半月以上も放置したんですか。

副大臣(谷畑孝君)

 先ほど申し上げましたように、五月七日の安倍幹事長発言を契機にして、五月の十日に社会保険庁から回答をいただいて、そして、連休を挟んでおりますので、どうしても公務でブルネイに参加したり、いろいろした中で、五月十七日に会見になったと、こういうことなんです。

小池晃君

 私の言ったことに全然答えてないです。五月の話じゃないんです。四月の話なんです。森副大臣には四月に調査しろという指示があったんですよ。当然谷畑さんだってそういう指示を受けたんでしょう。それなのに何で半月以上ほっておいたんですか。おかしいじゃないですか。何で森副大臣にだけは指示があって、谷畑副大臣には指示がない。おかしいじゃありませんか。森大臣に聞いているんじゃない、谷畑副大臣に聞いているんだ。

副大臣(谷畑孝君)

 私は、坂口大臣から事前にこの指示を受けたという認識がないんです、済みませんけれども。

小池晃君

 坂口大臣、森副大臣には四月十四日以前に調査するように指示をされたんですね。何で谷畑副大臣には、調査したという指示を受けてないと言っていますけれども、おかしいんじゃないんですか。

国務大臣(坂口力君)

 先日もお答えを申し上げましたとおり、森大臣は常に厚生担当大臣として一緒に出席をしていただいておりまして、今調査をしておりますというお話もあって、そして是非そこは明らかにしてくださいよということを森副大臣に申し上げたわけでございます。

 本来は谷畑大臣にも同じように申し上げるべきであったかも分かりませんが、常に御一緒でないということもございまして、私の代わりに様々な地域に谷畑大臣は行っていただいたりしていたものでございますから、その機会がなかったということでございます。

小池晃君

 そんな説明で納得すると思いますか。副大臣、二人の副大臣でしょう。片方には四月十四日以前にちゃんと調べるように言っておいて、谷畑副大臣には何も言わなかったんですか、四月中。どう考えたって不自然じゃないですか。これだけ重大な年金未納問題というのが毎日毎日マスコミを騒がせているときに、谷畑副大臣には五月まで放置したと。これ本当だったら極めてその責任重大だと思いますが、更にちょっと聞きたい。

 しかも、谷畑大臣は、自分の納入については確信がなかったんだと。確かに記者会見のあなたの発言を見ていると、そのとき気が付いたんですよね、当時自分が未納だということに。それで納入したわけですから、これ明らかに未納だという事実をあなたは知っていたはずなんですよ。間違いありませんね。

副大臣(谷畑孝君)

 もう私自身、何回もこの委員会で話をしておりますように、参議院で初当選をしまして、平成元年の、本来そこで国民年金に切り替えなけりゃならないところを、私の瑕疵で、そのまま全く知らずの中で五年十一か月来たわけですから、それはずっとそういう関係で来たことは事実なんです。

 しかし、私の事務所を含めていろいろと人も変わっていきましたし、その中で、衆議院におきましては私自身浪人しておりますし、もう一度社会人に戻った、そういう関係の中からスタートをして、後半は掛けておると、こういうことです。

小池晃君

 しかし、未納の可能性があるという、そういう可能性があるという思いはあったわけでしょう。ところが、これもし本当に未納だったら重大な問題になるはずなんですよ、大問題になるはずなんですよ。

 ところが、あなたは未納かもしれない、そういう時期がもしかしたらあったかもしれないというふうに思いながら、一方で、森副大臣はずっと調査していたと言いながら、あなたは五月の連休明けまで調べようともしなかったと。これ、どう考えたっておかしいじゃないですか。

副大臣(谷畑孝君)

 今指摘されておりますように、もっと早い時期に調べて公表をするべきであったということは、私自身真摯にそう思っております。

小池晃君

 答えになってないんですが、社会保険庁に私お伺いしたいんですが、谷畑副大臣から谷畑副大臣の納入状況についての問い合わせは社会保険庁に対してはいつあったんでしょうか。

政府参考人(薄井康紀君)

 五月上旬に御依頼があり、今副大臣から御答弁ございましたように、五月七日、金曜日に依頼を受けまして、週明け五月十日、月曜日に回答しているというふうに承知をいたしております。

小池晃君

 四月二十八日に衆議院の厚生労働委員会で強行採決が行われました。その強行採決行われた後の委員会室でこういう文書を入手したという方から私どもに提供がございました。(資料提示)

 この文書を読ませていただきますが、国民年金及び厚生年金への加入記録について、氏名、生年月日、氏名谷畑孝、生年月日も書いてある。六十歳到達年月日が書いてある。厚生年金加入、昭和四十六年五月一日から平成元年八月一日まで、そしてその間空白があって、厚生年金加入が平成七年七月二十三日からとなっておりまして、留意事項として、各種共済組合の加入期間につきましては未確認ですと。基礎年金番号まで書いてある。

 谷畑副大臣はこれ衆議院の委員会採決の時点でこういう報告を受けていたんじゃありませんか。

副大臣(谷畑孝君)

 私は、先ほど申し上げましたように、五月の七日に社会保険庁への照会をし、私自身、五月十日に回答を受けて、そして十七日に大臣への報告をして記者会見をしたと、こういうことです。

小池晃君

 いや、私どもそんないい加減なことでこういう場所で発言したりしません。この文書は四月二十八日の強行採決が行われた委員会室で入手したということで提供があったんです。はっきりあなたの未加入期間が書かれているじゃありませんか。これ厚生労働省が作った文書だと思いますよ、私。こういうのがあったわけですよ。これどう考えたって、この時点で既に、さっきから言ったって不自然なんですよ、どう考えたって。

四月からこれだけ問題になっていて、それで一切調査もしませんでしたと。五月の連休明けになってようやく調査したらば未納でしたと。ところが、自分は前から未納じゃないかと思いながらそれまでやらなかったと。どう考えたって不自然だ。どう考えたって、分かっていて、ちゃんと調べていて、しかし、把握していたが、衆議院の採決まではこれは黙っていようと。これどう考えたってそういう経過にしか私には思えない。谷畑大臣、この文書、覚えありませんか。
副大臣(谷畑孝君)

 いや、今何回も言っていますけれども、五月の十日に社会保険庁から回答をいただいて、十七日に記者会見をしたということです。

小池晃君

 こういう調査がされているんです。私どもこれ入手しているんです。厚生労働省として谷畑副大臣の未加入問題についてこれ調査すべきじゃないですか。どの段階で厚生労働省としてつかんでいたか、これを調査して報告をしていただきたい。

 大臣、これ重大な問題だと思うんですよ。四月二十八日の強行採決の時点で厚生労働省が副大臣の未加入期間があるということを把握していたとすれば、これ国民に対する重大な背信行為でしょう。これ大臣、これ厚生労働省として徹底調査すべきじゃありませんか。

国務大臣(坂口力君)

 本人が知らないのにそういうペーパーが出回っておるということ自体問題ですね。だれが調べて、だれがそれを手渡したのかということを、それは大変なことだと私は思いますね。個人のことでありますから、御本人が言われて御本人が調べられるというなら分かりますけれども、一体、それじゃ、それはどこでどなたからいただかれたんでしょうか。それはやはりそこまでおっしゃる以上、明確にしてもらわなければ我々もいけないと思う。

小池晃君

 そんな、入手方法について説明する義務はありません。私どもには様々な不正を憎む方から提供あるんですよ。

 こういう中でこれ、はっきりこれ厚生労働省の書式の文書だと思いますから、私はこれ徹底的に調査していただきたいと。こういうことが明らかになっていたにもかかわらず、国民に対して覆い隠して強行採決したとすれば、これは極めて重大だと思います。

 それから、森副大臣の未納問題についてお聞きをしたいんですが、これまでの森副大臣の答弁、それから坂口大臣の答弁を整理すると、極めて奇妙な話になるんです。

 森副大臣は、先ほど言ったように、四月十四日以前に大臣からちゃんと調べてちゃんとしなさいと指示を受けているんです。で、四月十四日に衆議院の厚生労働委員会で質問を受けたときには未納の事実を本人は把握していたというわけです。

 ところが、その後の四月のある日、委員会の席上で森副大臣は坂口大臣に未納期間があるよと報告をした、それに対して大臣は、ちゃんと調べてくださいよ、発表してくださいよというふうに答えたと、そう答弁した。さらに、森副大臣の方は、大臣からはちゃんと調べて報告するように御指示いただいたと答弁しているわけです。そして、五月の連休明けに未納期間があることを大臣に報告したと。これ、すべて今まで答弁に基づくものでございます。間違いございませんね。皆さんそうだと思います。

 そうすると、これ、三つの重大な疑問がわき起こる。

 一つは、坂口大臣の対応でありますけれども、大臣は四月十四日以前に調査の指示をしていたわけでしょう。調査の指示をしていたなら、四月のある日ですよ、四月十四日以降の委員会の席上で耳打ちされた、森副大臣から話があったと、これは当然調査結果だろうと、調査した結果だろうというふうに思うはずなんだ。ところが、大臣は調査せよというふうに返答した。これ調査しろって言っておきながら、森副大臣から言われて調査しなさいというふうに言ったということは、大臣はこの四月のある日の委員会での森副大臣の話を一体どのように受け止めたのか、これをお答えいただきたい。

 二つ目、森副大臣の対応であります。

 森副大臣は、四月のある日に未納期間があるというふうに報告したのに、これは大臣の方の答えは調査せよというふうに答えた。要するに、これが真実だとすれば、大臣は重大な誤解したということなんですよ。自分は未納期間があると言ったのに大臣は調査しろと言ったんですから、自分の言ったことが分かっていただけなかったということですから、何でこれをそのまま受け流したのかと、どうしてそのときに誤解を解かなかったのかという疑問がわき上がる。

 それから三つ目、坂口大臣は森副大臣に対して四月十四日以前に調査の指示をしながら、なぜ五月連休明けまで何の督促もしなかったんですか。四月十四日以前に調査しなさいと言っておきながら、衆議院の通過待って、五月の連休明けまで何の督促もしようとしなかった。

 この以上三点は、私どう考えても納得できないと思うんですが、森副大臣、坂口大臣、それぞれ答弁していただきたい。

副大臣(森英介君)

 一昨日も大門委員から御質問があったところでございますので、その私の未加入問題に関する大臣への報告について、大臣ともその後確認いたしました結果につきまして、今整理して御報告を申し上げます。

 まず、私が自分の未加入の事実を認識したのは四月十四日の午後の委員会答弁の直前でございます。それに先立って、その日の午前中の与党質問の合間に私は坂口大臣に自分の年金納付状況について調査中である旨報告をいたしました。で、大臣から、それはきちんと調査してしかるべき時期に公表するようにという御指示をいただきました。

 その後、私はずっとその日まで自分自身が完納しているというふうに思い込んできたものですから、その調査結果を聞いてちょっと腑に落ちませんで、その日、すぐ大臣にその結果を御報告することなく、家人にも確かめまして、結局、今まで御説明申し上げておりますように、労働政務次官になりましたときに、医療保険が共済になっていたものですから、それと同様に年金も共済に入っているもんだと思い込んで、その期間が抜けてしまったということが判明いたしました。結果的に、それ全くそのときは抜けているなんて思い込んでいないものですから、政務次官を退任した直後に国民健康保険と国民年金に加入をしているところでございます。

 そういったことが分かりまして、これは大臣にも御報告しなきゃならないというふうにもちろん私も思っておりましたけれども、大変、当時、いろんな日本歯科医師会の問題ですとか、いろんなことが起こっているさなかで、その四月二十三日の日に閣僚の未納の問題なんかが発覚いたしましたときに、私としては自分の未加入の問題について大臣に御報告をいたしました。

 というのが実はその当時の認識でございますけれども、どうも、大臣とその後お話をいたしましたところ、誠に面目ない次第でございますけれども、今までも申し上げておりますように、私の説明の仕方がひとえに悪かったためだと思いますけれども、大臣はその私の話を、閣僚の問題とか、その日いろんなことが起こっていたもんですから、私の問題というふうに認識をなさっていなかったということが分かりました。そういうことで、きちんと大臣に御報告を申し上げましたのは五月の十日の週になってからのことでございます。

 いずれにしても、最初の報告において結果的に大臣に御認識いただかなかった点については私の説明の仕方の拙劣さでございまして、こういったお互いのコミュニケーションが不十分な点につきましては真摯に反省をいたしまして、心からこの場で陳謝を申し上げたいと思います。

 今後、こうしたことが二度と起こらないように、大臣とも、また周りのそれぞれの立場の方とも意思疎通を密にしてまいりたいというふうに考えているところでございます。

小池晃君

 ちょっと疑問が更にわき起こるような答弁をされたんで困惑をしておるんですけれども、大臣は四月二十三日の副大臣の報告をどう受け止めたんですか。

国務大臣(坂口力君)

 その前に、二十日過ぎではなかったかというふうに思っておりましたけれども、正式にカレンダー等で見直してみましたときに、お受けいたしましたのは十四日の日に一番最初、森大臣から調べておりますというお話をお聞きをしたと、それは事実のようでございます。分かりました。

 その後、その二十三日の日にですか、これは三大臣が出席をされた日でございますけれども、この日に森大臣からそのお話があったというんですけれども、私は、そのときに森大臣が正式に自分に未納期間があったということをおっしゃったというふうには私は思わなかったわけでありまして、お聞きいたしましたので、私はしかるべきときに発表をしてくださいよということを申し上げたのではないかというふうに思っております。

 正式に、いわゆる政務次官のときに未納であったといったようなことにつきましては、この五月に入りまして連休明けて十日過ぎであったというふうに思っております。

小池晃君

 四月十四日と四月二十三日、二回森副大臣からは話があったということですね。

 四月十四日の、まず、ことを聞きたいんですが、森副大臣は四月十四日の時点では未納の事実は把握していたというふうにこれまで答弁していたんです。今のは違うじゃないですか。その時点でもあいまいだったということなんですか。これは今までの答弁とちょっと私食い違うと思いますが、ちょっともう一回説明していただきたい。

副大臣(森英介君)

 いえいえ、もちろん社会保険庁の納付状況の調査結果はその時点で、その日の昼過ぎに、午後に私のところに届きましたから、そういった意味においては、今までの経過については私自身把握しておりました。

 ただ、それについて、自分自身はこれまで完納していたとずっと思い込んでいたものですから、やっぱり確認するということは当然必要であったわけでございます。

小池晃君

 ということは、要するに、四月十四日に森副大臣が大臣に言ったときには、まだこれは正に調べている最中だったと。で、調べておりますというふうに言ったということで、大臣もそう受け止めたということなわけですね。

 じゃ、そうすると、その四月二十三日は、先ほど大臣は、森副大臣はこの時点で私に未納期間がありますというふうにはっきりおっしゃったんですね。もう一度確認します。四月二十三日には自分の未納期間について大臣に言ったということですね。

副大臣(森英介君)

 これは再三申し上げておりますように、私の報告の趣旨が大臣に伝わっていなかったということを申し上げているわけでございます。

小池晃君

 いや、伝わったかどうかじゃなくて、そういうふうに森副大臣としては伝えたつもりなわけですね、それはそうだと。

 大臣は、じゃ一体、その四月二十三日の報告を一体何だと思ったんですか。だって、調べなさいというふうに四月十四日以前に言っていて、四月の十四日に調べていますという報告があったと。それでまた、四月の二十三日に森副大臣は調べていますと。で、調べてくださいと。何かばかみたいなやり取りじゃないですか。

 これ、大臣は一体、この四月二十三日の森副大臣の報告、これを受けて調べておりますって答えたというのは一体、森副大臣の四月二十三日の報告をどのように受け止めたんですか、どう聞いたんですか、どう理解されたんですか。

国務大臣(坂口力君)

 ですから、そこをきちっと覚えているぐらいなら私申し上げているわけでありまして、そこは二十三日の日におっしゃったというふうに森大臣はおっしゃるんですけれども、それは委員会の席上の話でございますから、私はそこは明確にそういうふうにおっしゃったというふうには受け取っておりませんでした。

 したがいまして、私は、十四日の日に、申し上げましたように、お調べになったらしかるべきときに発表してくださいよということを申し上げていた、そういうことを申し上げているわけでございます。

小池晃君

 本当、奇妙きてれつな話だと思います。だって、四月十四日に大臣は指示を出したわけでしょう、以前に。

 これ、どこか、四月十四日以前に大臣は、森……(発言する者あり)いやいやいや、森副大臣は四月十四日以前ですというふうに答弁されていますよ、前回の委員会で。あれは間違いだったんですか。

副大臣(森英介君)

 いや、それはきちっと調べ直しまして、私が社会保険庁に調査を依頼したのは十三日なんですよ、十三日の夕方。ですから、調査中でございますという報告は十四日の午前中に大臣に申し上げたと。全く率直に、正確に事実を申し上げております。

小池晃君

 いやいや、私の言うことをちゃんと聞いてくださいよ。(発言する者あり)何を言っているんだ。私の言うことを聞いてください。

 森副大臣ね、誤解されているんですよ。森副大臣は、前回の審議の中で、大臣から四月十四日以前に自分の納入歴について調べなさいという指示を受けましたと、そういうふうに答弁されているんですよ。それは間違いないですねと私言っているんです。

副大臣(森英介君)

 だから、四月十四日以前というのは、私が今回社会保険庁に確認いたしまして、私が調査を依頼したのは十三日なんですよ。ですから、四月十四日以前というのはもちろんやや正確さを欠いているかもしれませんけれども、大臣に調査中ですと申し上げたのは十四日の午前中しかないんです。ですから、これは言葉の、言葉じりを取らないでくださいよ。

小池晃君

 違うんです。違うんです。理解してないから、ちょっと止めてください。いや、いや、手を挙げているから。

副大臣(森英介君)

 十四日以前とは十四日だって含まれますからね。

小池晃君

 あのね、こう言っているんですよ。大臣からやっぱりちゃんと調べてちゃんとしなさいという御指示を受けたのは四月十四日以前のことでございますと。じゃ、これは四月十四日のことだというふうにおっしゃるんですね。前回、そう答弁しているんです。じゃ四月十四日だとしましょう。じゃ四月十四日だとして、四月十四日に大臣はちゃんと調べてちゃんと報告するようにと、ちゃんと調べてちゃんとしなさいと大臣指示したわけでしょう。

 坂口大臣に聞きたいんです。大臣は、四月十四日にちゃんと調べなさいと言いながら、調べなさい、何か報告を得るためには調べなさいと。四月二十三日も報告を受けて、また調べなさいと。おかしいじゃないですか。だって、厚生労働省の副大臣なんですよ。これ、調べようと思ったらすぐ調べられるんですよ。それをずっと引き延ばして、結局五月の連休明けになって報告受けてやっと分かったというのは、私、これ国民から見たって、どう考えたって納得できる経過ではないと。

 大臣、これ、どういうふうに説明するんですか、これだけの間、この問題を決着を付けずに放置したことを。どうしてこんなふうになったのか、納得のいく説明をいただきたい。

国務大臣(坂口力君)

 四月の十四日にそうしたお話をお聞きをして、それに対して私がお答えをしたということは事実でございます。それ以降、先ほどからお話ございますように、様々なことがございまして、大混乱の中で委員会、それからその他の問題が次々と起こってまいりまして、その対応に追われておりました。適切な時期を見て発表していただけるというふうに思っておりました。

 しかし、だんだん日が延びていきまして、そして衆議院の採決が行われるということになったわけでございますが、しかし、森副大臣のそうした気持ちから、こちらの委員会に参りましてから発表になった、こういうふうに私は理解をいたしております。

  〔委員長退席、理事武見敬三君着席〕

小池晃君

 いや、森副大臣がどうかではなくて、大臣自身は御自身がちゃんと調べてちゃんとしなさいと言っておきながら、いつまでたっても副大臣から報告が来ないと。そういうことについて何とも思わないで放置したということになるわけですよ、これ。で、何か言われたら調べなさいと、何か言われたらまた調べなさいと、二回そういうやり取りがあったということでしょう。厚生労働省の副大臣なんですから、直ちに調べろと、そんなこと、悠長なことを言ってないで今日じゅうに報告しろと言うのが当然じゃありませんか。それを五月の連休明けまで何もしなかったということが私にはどう考えても納得できないから、なぜそういうことになったのか、納得のいく説明をしていただきたいと。

 今の説明は、森副大臣はこう考えていたんでしょうということを言っているかもしれないけれども、大臣がどう考えたのかと一切説明してないですよ。答えていただきたい。

国務大臣(坂口力君)

 ですから、先ほどから申し上げておりますように、十四日にお聞きをしましてから、様々なことがあって、その中で私は対応しておりましたから、そこは森副大臣にも是非お考えをいただいているというふうに理解をいたしておりました。この問題だけで経緯をしていたわけではございませんので、大変様々な問題がこの間起こってまいりまして、それに対応いたしておりましたから、その間、私が森大臣にいつ幾日までにということを言わなかったことも事実でございますけれども、そこは私も反省いたしておりますが、結果として、しかし今日のこの五月になってからであったということでございます。

小池晃君

 結果として五月になりましたで納得できる話じゃないんですよ。

 それからもう一つ、森副大臣答えてないんですが、副大臣は、これ今の改めた報告によれば、四月二十三日には未納期間があるというふうに説明したのに大臣の方は誤解したわけですよね、これ今の説明がもし本当だと受け止めれば。調べなさいと言われたわけでしょう。自分は未納期間ありますと言ったのに、それ受け止めていただかなかったようで、大臣からは調査せよと言われたと。

 じゃ、何でそのときに、いや、違うんですと、これ私の問題で、私、未納があるんですというふうに誤解を解くべきじゃないですか。何でそれしなかったんですか。

副大臣(森英介君)

 二十三日の時点では、大臣からその時点で改めて調べなさいという指示は受けていません。要するに、私は報告したつもりになっていて、ただ、喧騒の中でありましたので、それがきちんと大臣に伝わらなかったという点は反省いたしますけれども、そこに若干意思の疎通が欠けた点があったということは認めますが、私が言っていることはすべて事実でございます。

小池晃君

 いや、やっぱりこれどう考えたって矛盾だらけだし、本当にこういうやり取りしか大臣と副大臣でやってないとしたらば、厚生労働省の中の意思の伝達とか意思決定というのは一体どうなっているのかという話になりますよ。私はこう言ったつもりだが大臣は御理解いただけなかったんだと、こんなことが通用するんだったら、これそんな簡単などうでもいいような問題じゃないじゃないですか。未納問題というのは何も全然話題になっているわけじゃなくて、大問題になっているときに、当の年金を主管する副大臣が未納しているかどうかというのは、未加入かどうかというのは、これ重大情報なはずでしょう。それについて、言ったつもりだけれども伝わらなかったと、こんな言い訳が通用すると思っているんですか。

 大臣、こんな言い訳で国民納得すると思いますか。私はどう考えても納得できません。大臣、お答えいただきたい。

国務大臣(坂口力君)

 小池議員が納得していただけるかどうかはそれは分かりません。私には分かりませんけれども、森大臣との間で意思の疎通を欠いたということは事実でありますから、私もその点はもう少し十分に聞くべきだったというふうに今は思っておりますけれども、意思の疎通を欠いたということを申し上げているわけであります。

小池晃君

 意思の疎通の問題じゃないと思います。本当につじつまが全く合わないんです。これでは結局、大臣も含めて、強行採決まで、副大臣の、先ほどの谷畑副大臣の問題も含めて、これは未納の事実みんなで知っていながら隠していたというふうに言われたって私は仕方がない経過だというふうに思います。

 そうじゃないんだというのであれば、じゃ、四月の二十三日に大臣に未納を伝え損なったというのであれば、森副大臣は何で五月の連休明けまでの期間に、これ四月の二十三日から五月の連休明けまでというのは極めて重要な期間ですよ。その間に委員会の強行採決があり、そして委員会の差し戻し審議があり、本会議の採決がありという重要な時期に、伝え損なったのであれば、なぜ改めて森副大臣はこの事実を大臣に伝えなかったのか、納得のいく説明をしていただきたい。

副大臣(森英介君)

 当時は私は伝え損なったと思っておりませんから、それは今にして思えばという話と当時と違うわけであります。

小池晃君

 やり取りしてまいりましたけれども、もう時間ですので終わりにしますが、本当にでたらめだと、この経過は。どう考えたってこれはつじつまが合う話じゃないですよ。やっぱり結局大臣も副大臣も私はこれは共同責任で、未納という事実、重大な事実を国民に対して隠し、国会と我々野党に対して隠したまま強行採決したと、この問題だけ取ってみても私は重大だと、本当に今この問題をめぐって国会の信頼地に落ちているというふうに思います。

 私は、何といってもこの年金改悪法案の、本当にうそとでたらめで塗り固められた法案そのものを撤回するべきだと、国会は廃案の手続を取るということが信頼回復の一番の道だというふうに思いますし、未納を隠し続けた両副大臣にはこれは責任を取っていただくということが最低限の責任であるというふうに思っております。

 以上で質問を終わります。

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