|
2003年5月29日(木) 厚生労働委員会・派遣法改正案質疑2003年5月30日(水)「しんぶん赤旗」より転載
論戦ハイライト急増する派遣労働 常用と置き換え進む労働者派遣法改悪案 参院委で小池議員追及>> 速記録 参院厚生労働委員会で二十九日から審議が始まった労働者派遣法改悪案。日本共産党の小池晃議員の質問で、常用労働者が派遣労働者に置き換えられる危険性が浮き彫りになりました。 小池氏は「現行法のもとで常用労働の代替がすすんでいる」として、大手都銀が 100 %出資の派遣会社をつくり、窓口業務などに派遣している実態をとりあげました。 専ら派遣横行特定企業への派遣を目的とする「もっぱら派遣」は認められていませんが、「営業活動したが一社しかなかった」などの口実で実際には横行しています。 小池議員がとりあげた都銀の場合、八六年の派遣法施行時とくらべ派遣労働者が約四倍に急増。百二十六人の職員のうち派遣労働者が四割を占める支店もあり、ほとんどが一年契約のパートでその多くは同一の支店の同一の仕事に八年から十年も勤めています。 厚労省がこうした金融機関への派遣会社を調べたところ、百五十六事業所のうち違反が八十六事業所もありました。
これまで常用労働への影響が大きいとして禁じられてきた製造業への派遣が、今回の改悪で解禁されようとしています。 製造業では「請負」という形を装って派遣労働者を導入していることが問題とされ、厚労省が請負と派遣を明確化する基準を示してきました。 ところが、請負業者二百十九社にたいする厚労省の調査では、違反が横行しています。 生産に使う機材は請負なら自社所有でないといけませんが、「発注者のものが多い」など 86 %の事業所が自社機材ではないと答えました。 指揮命令も請負会社から出ていないといけないのに、48 %が発注先から指揮命令を受けていると回答。法律違反の人材だけしか供給していないことが明らかです。
過労自殺も製造業への派遣解禁でどうなるのか。 小池氏は、光学精密機器メーカー・ニコンの埼玉・熊谷工場に偽装派遣されていた二十三歳の男性が劣悪な労働条件下で過労自殺した事件をとりあげました。母親の上段のり子さんは、坂口厚労相らにあてた手紙で「派遣を労働の底辺に敷く発想をやめさせてください」と訴えています。 小池氏は、そのニコンで中高年を請負会社にリストラ「出向」させているとのべ、「請負や派遣で常用労働者を置き換えている典型だ。偽装派遣が正々堂々と入ってくる仕組みをつくることになる」と批判しました。 戸苅局長は「製造業の解禁で派遣先が雇用主となり労働者は守られる」と正当化しました。 今回の改悪では、サラ金業者が職業紹介事業をおこなうことを禁止してきた規定を削除します。サラ金会社が債務者に職業紹介ができるようになり、事実上の強制労働になりかねません。
>> 速記録 >>「4 割が派遣の銀行支店も」 |
リンクはご自由にどうぞ。各ページに掲載の画像及び記事の無断転載を禁じます。 © 2001-2010 Japanese
Communist Party, Akira Koike, all rights reserved. |